2005年4月の私淑言

 


2005. 4. 29. 猫が来ました。

本日午後4時前、先に述べた猫が、保護主さま方に連れられて、車で我が家にやって来た。

が。1匹だけ。

何が起こったかというと、25日、保護主さま方が『明日不妊手術が終わったら○○さんとこに預かってもらって29日に正式に里子に!』と言っていたら、その日にふらりとオスの方が姿を消してしまったのだ。
……まるで話を聞いていて、オトコノコじゃなくなるのがイヤみたいに(汗)。
おかげで我が家に来たのは白茶のメスだけ。
またこれが甘えん坊で、ずーーーっと2匹一緒にいたため『自分じゃない体温や気配』が恋しいのか、私の膝の上で眠ったり体の横にぴったりくっついて眠ったり。
挙げ句保護主さま方がお帰りになってからは、私の姿が見えないと、にゃーにゃー鳴いて私を呼ぶのだ!
風呂に入ろうとしたらもう鳴いて鳴いてしょーがないので、仕方なくドアの前に呼んで、少しだけドアを開いて中にいるのを見せてから、さらに急いで、という、あまり落ち着けない風呂になってしまう始末。
可愛くて嬉しくてしょーがないが、これで仕事だ買い物だと私が不在にする時は一体どうなるのかと、かなり本気で心配である。

こんな甘えん坊の恋猫(こいびと)を置いてふらふらいなくなりやがって貴様いっそ名前を『悟浄』に…………(←かなり本気)。
落ち着け自分。

ちなみにメスの方の名前は『立待(たちまち)』に決めた。
我が家にやってきてわずか1時間で窓際で爆睡、さらに私が夕食に魚を焼こうがまったく我関せずで爆睡を続けたおじょーさんである。
どうぞ写真をご覧あれ。ここで『2匹一緒』の写真をお見せ出来る日が来る事を切に祈る私である。

 

 

尼崎の事故、死者は106人にのぼった。負傷した方々も多い。
『日常』から突き落とされた方々を思えば、かける言葉すら見つけられないのだけれど。

 


2005. 4. 26.

尼崎のJR福知山線の脱線事故、26日23時現在で死者76名を数える事態になっている。
車両に搭載された記録装置には、事故現場のカーブ前で時速100kmを超えるスピードが出ていた記録が残っているとか。
速度超過だけの理由による脱線とは考えられない、との事故調査委員会の現時点での発表だが、事故当時列車を運転していた運転士の生存も非常に可能性の薄いと思われる今、原因の解明には時間がかかることだろう。
1両目、2両目にはまだ閉じ込められた方々が多数おいでだという。
亡くなった方々の御冥福を祈るとともに、負傷された方々の1日も早い回復を願いつつ、いまだ車両に閉じ込められている方々の、救出を、願う。

 


2005. 4. 25.

尼崎のJR福知山線で朝、発生した脱線事故。
25日23時現在で死者54名負傷者410名余を数える大惨事である。
ひとつ前の停車駅で8mオーバーランして1分30秒ほどの遅れが出ていたとか、事故現場のカーブに入る速度がいつもより速く感じたとか、線路に石の当たったらしい跡があるとか、いくつか証言の出ていることもあるが、1分少々の遅れを取り戻すために制限速度時速70kmのカーブに、脱線の可能性の出て来る時速120kmで突っ込むわけもあるまい。
いくつもの要因が重なっての今回のこの大惨事だろうが、脱線車両の突っ込んだのがマンションの駐車場で、壊れた車からガソリンが漏れ出ているために、火器が使えず救助作業が長引いてしまっているという。
不幸にもこの大惨事に巻き込まれ亡くなってしまわれた方々の冥福を祈りつつ、ひとりでも多くの無事が確認されることを願う。

 


2005. 4. 23.

もうすぐ我が家にやってくる猫2匹のためにと注文しておいたキャットタワーが今日届いた。
天井まである比較的大型なタイプ。
猫は水平移動より垂直移動の方が運動として必要という話なので、2匹だし、と思って買ったのだ。
商品紹介には『ドライバーいらずで組み立て簡単』などと書いてあったから、まあ苦労はするだろうとは思ったものの、なんとかなるだろうと考えていた。
……甘かった。
確かにほとんどは大型のネジのついたポールをぐるぐるとねじ込んで行けば良い造りだから一番下の基盤が出来てしまえばあとは比較的簡単だったのだが、その基盤が問題だった。
『コインなどでしっかりしめてください』という手順が曲者。
専用の工具でもあれば私でも余裕だっただろうがさすがにコインでは無理があり、結局おとなりの旦那さんやマンションの管理人さんに手伝っていただいて、1時間ほどで完成を見た。(ちなみにおとなりの旦那さんでも基盤のネジはコインだけでは無理で、500円玉をさらにペンチで挟んでしっかり締めてくださった)
完成形がこれ。

デジカメの広角側いっぱいで撮影したのでパースが樽形に歪んでしまっているが、一応ちゃんと垂直。
対過重量は最小5kg、最大15kg。念のためまだ開けてない5kgの米の袋と現在消費中の米(2.5kg)を乗せてみたが余裕だったので、まあおそらく大丈夫だろう。

というワケで、次に我が家にいらした時にはこんなのがリビングの隅に猫つきであるのでよろしく各位(笑)。

 


2005. 4. 20.

3日に亡くなったローマ法王ヨハネ=パウロ2世の後継が決まったそうだ。
ドイツ出身のヨーゼフ=ラッツィンガー枢機卿。法王としての名はベネディクト16世だとか。
前法王の側近中の側近だそうで、名実共に『後継者』であるらしい。
キリスト教徒なわけではないからニュースになっても「へぇ」ぐらいの感慨しかないのだけれど。
前法王の残した保守とラディカルの対立まであまり受け継いでほしくはないが、それにしても84歳で亡くなった方の後継が78歳ってどうなんだバチカン?

 


2005. 4. 16.

猫の里親になる。
前々から、飼うなら猫、と決めていたのだが、職場の同僚が里親募集の掲示板で猫を探しているのを見て、すっかり触発されてしまい、つらつらと見ている内に、好みの猫を見付けてしまった。
日中留守番をさせることになるので、できれば2匹、それも初心者は成猫の方が飼いやすいと聞くから一定月齢以上で、最初から仲良しならばベスト、だったのだが、なんと、それにぴったりハマる猫たちの里親募集が掲載されたのだ。
見付けて、迷って、保護主様に問い合わせをしたのが木曜の夜。昼休みならメールも可能なので職場のメールもお教えしておいたら金曜の日中に早速返信をいただき、あれよという間に話が進んで、今日、お見合いに行って来た。
猫たちの写真は、これ。

  

ほとんど一目惚れである。
保護主様が『東京在住』とのことで、どの『東京』なのかと思っていたら、なんと頂いたお返事を見ると私の隣区。詳しく伺ってみたら、募集をかけた保護主様のお住まいが、私の通勤路線の4駅先、猫たちが実際保護されている場所は3駅先。おまけに健康チェックをしてもらった動物病院はなんと私の最寄りの隣駅で、自動的にかかりつけの病院も決定してしまった(笑)。
全部通勤定期で行ける範囲で、「東京在住ですが、遠くても頑張ってお届けします」と里親募集をかけていらした保護主様と、あまりの近さに笑ってしまった。
猫たちに仮の住まいを与えておられる保護主様と里親募集主様は、本当に動物好きでお優しく親切な方々で、本来飼い主が負担するべきだろう避妊・去勢手術の費用に入院費用、引き渡しまでにかかる各種検査やワクチンまで、全額負担してくださるという。頭の下がる思いである。
私と保護主様の都合に寄り、猫たちが我が家に来るのはあと2週間ほど先のことになるが、それまでに揃えられるものは揃えて、今現在猫たちを可愛がり幸せを願っておられる保護主様方の御期待に添える飼い主であらねば、自分。

 


2005. 4. 11.

なにやら中国が不穏だ。
日本の国連安保理常任理事国入りなどに反対してなのか、各地で反日デモが相次いでいる。
個人的に、金は出せ口は出すな、では納得がゆきかねるのだが、そこは理性ではなく感情なのだろう。
なんとなく、中国政府の不満そらしが体よく反日に仕向けられている気がしないでもない。
この件に限らず、最近の中国はかたくなだ。
これで数年後にオリンピックかと心配になるがいかがか。

 


2005. 4. 10. その2。『露の見た夢』。

劇団6番シードの第25回公演『露の見た夢』を、東京芸術劇場小ホール2で観劇。
休憩を挟んで2時間50分の上演時間との案内に、新感線では珍しくもないがこの劇団では非常に珍しい、といささか驚いた。
実は密かに間延びして眠くなったりしなければいいが、などと、心配していたのだが。

とんでもない。

舞台は13世紀。おそらくは中央アジアの、サラガヤという名の架空の国と、その属国とされたアスカリナ。
土地の人間であるマサラ人(びと)を導きながら、それゆえに処刑されようとしているラクサーダと、寺院からとはいえ酒を盗んだだけで、ただラクサーダを貶める道具として同じく処刑されようとしているタジムが、刑場に並び立たされたところから物語ははじまる。
自らの死には「死は万民に訪れる」と微笑みながら、泣き叫ぶタジムに「もしも生き延びたなら、違う生き方が出来ますか」と問いかけながら、その命を救ったラクサーダ。
様々な思惑の中で命を助けられ、寺院に保護されて、祭司長ラビナスの駒として使われながら、タジムはやがて変わって行く。
一介の盗賊から人を導くものへ。
おそらくは『英雄』と呼ばれる事をラクサーダもタジムも望まないだろうけれど。
人を救い心を救った『露』の見た『夢』は、強く儚く優しく切ない。

1幕が終わって休憩のアナウンスが入った時には
「え、もう?」
と思ってしまった。
再演を望む声が高かったというのも頷ける、見て良かった、と思える芝居だった。

 


2005. 4. 10. その1。今年の桜。

咲いたと思ったらあっという間に満開になった今年の桜。
まだウチのあたりはそれほど『駆け足』でもないが、聞けば一昨日咲いて今日満開になったところもあったとか。
名所へ出掛けたわけではないが、せっかく満開になったので、近所の桜を撮ってみた。


その1。我が家のバルコニーから最寄り駅横の公園沿いの桜並木を。


その2。その桜並木を間近から。ちなみに画面左の新緑の木々も実は桜で、こちらは先月末に早々に咲いて既に葉桜の緑を見せている。


その3。ところかわっていきつけの図書館(笑)近くの桜並木。ほとんどの木が大木で枝振りも見事なのでここは本当に『桜並木』の風情を見せている。
週明けから天気が芳しくないようで、散らされてしまいそうな今年の桜。
来年は夜桜でも眺めに行こうか。

 


2005. 4. 6.

東京都心では最高気温は23度だったそうだが、山梨の大月市では最高気温が30.2度、観測史上最も早い真夏日を記録したそうだ。
他にも群馬の下仁田町で29.4度、茨城は大子町で29.1度を記録したそうで。
…………まだ4月の初旬なのだが。

 


2005. 4. 3.

現地時間2日夜、日本時間3日未明、ローマ法王ヨハネ=パウロ2世、死去。享年84。
法王就任から26年、100度を超える外遊をこなし、『空飛ぶ法王』と呼ばれた御仁だ。
平和を求めた方だった。他国を、異なる宗教を文化を尊重なさる方だった。
2003年3月、最後の最後までイラク戦争回避を願われた。
激動と言って過言でない時代、良き指導者の1人であった方の、冥福を祈る。

 


 

 

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