2005年1月の私淑言

 


2005. 1. 30.

戒厳令下のイラクで、暫定国民議会選挙の投票が、現地時間午前7時、日本時間で午後1時から始まった。
投票締め切りは現地時間午後5時(日本時間午後11時)。
予想されたことではあるが、各地でテロが相次ぎ死者も出ているという。
ズタズタになったあの国のこれからを決める選挙である。
あの国のこれからの、第一歩がこの選挙にかかっている。
どうか、とは、遠く離れた部外者の思いでしかないけれど。

 


2005. 1. 22.

御友人の結婚式のために帰国なさったという某Fさまを迎えて、58仲間(意味が判らない人は深く考えないように。)7人で、銀座のヴァンパイア・カフェで新年会。
18時に待ち合わせ、少々迷いつつも無事予約の時間に店に到着。店名にふさわしい内装を眺めつつテーブルへ。
新年特別コースというのを予約してあったので料理はあらためて注文する必要はなかったが、ドリンクメニューでまずひと笑い。『生け贄の流血』だの『幽閉された少女』だの『ドラクル城の宝石』だの、オリジナルカクテルの名前は「なるほど!」と納得しつつ笑えるものだったが、味はなかなか美味だった。
本当はコースの料理にも『新年の招待状』だの『伯爵のお守り』だの『伯爵への奉納』だのという名前がついていたのだが、運んで来てくれる店のウェイトレス嬢やウェイター氏は料理の解説だけしてくれて名前は言ってくれなかった。ちょっと残念。
ちなみに料理もなかなか美味でした。
女が7人、しかも同じ趣味を持ち合わせる人間が揃って賑やかにならないはずがない。
21時過ぎまでゆったりたっぷり食べ、飲み、話して、楽しい気分のまま解散した。
御一緒させてくださった方々、楽しい時間をありがとうv

 


2005. 1. 20. レジェンダリー横隔膜

前の職場の同僚先輩後輩と、総勢8人で焼肉を食しに行く。
店は目黒の『翠園』。
ものすっごく美味しいという牛ハラミを食べに行こう、というのが主目的。
19時過ぎにまず女性陣4人が目黒で集合。店の予約は19時30分からにしてあるが微妙な時間なのでそのまま店に直行、少し早いが入れてもらって、後発の男性陣を待つことに。
が、空腹と他のテーブルから漂う美味しそうな匂いに女4人が耐え切れず、さっさと大根サラダとレバ刺を注文。つまみながら男性陣を待っていた。ら。1人の携帯に写メールが届く。
写っているのは男性陣。「今から焼肉食いに行くんだー!」というワクワク感があからさまなその様子に、4人で爆笑。
やがて到着した男性陣4人と適当に座席を入れ替えて、待ちに待った焼肉開始である。
まず真っ先に注文したのが仲間内の通称『レジェンダリー』。
何かというと、スペシャルメニューの特上ハラミ(牛の横隔膜)のことである。
以前先輩に連れられてこの店にやってきた外人コピーライター(この日も嬉しそうに参加)が、1切れ食べた瞬間に
「このハラミはレジェンダリーだ!」
と叫んだのが由来だそうな。
一体どんなハラミかと思っていたが、食べてみたら本っ当に美味だった。
他にも同じくスペシャルメニューのタン塩とかネギロースとか、カルビとかロースとかハツとか、コムタン(雑炊)だの石焼きビビムパだのを8人でたらふく食べて、酒を飲む人はもちろん飲んで、さんざん話して、19時30分から開始した焼肉美食の会が、気がつけば22時を軽く過ぎていた(平日なのに・苦笑)。
会計をしてみたら、8人で各7000円。
出て来た肉はどれも他の店(某有名店とか)で食べたら確実にもっと値段が高いだろうと思える味と質と量だったので、全員大満足で店を出た。
幸せなしあわせな夜であった。

 


2005. 1. 17.

夜が明ければ、10年。

なにが、と、今更言うまでもないほどの。

 


2005. 1. 14.

職場での話。
数年前までメールサーバーを自社内に置いていなかった影響で、社員のメールアドレスが自社ドメインのものとそうでないものとに別れていたのだが、年明けから、全員のアドレスを自社ドメインに切り替える準備に入った。
私は最初から職場メールは自社ドメインなので問題は一切ないのだが、同僚sや上司sはしばらく新アドレスと旧アドレスを併用することになる。
ので、今日、同僚嬢が、新旧両アドレス宛のメールを1つのメールソフトでチェック出来るように、その手の事があまり得意でない上司その1のメールソフトに設定を施していた、のだが。
その最中聞こえてきた同僚嬢と上司その1の会話に、一瞬固まってしまった。
「○○さん、パスワードは……?」
おそらくは『自分で入力してください』のつもりで訊ねただろう同僚嬢に、上司その1、答えて曰く
「あ、オレの誕生日。
パスワードに誕生日や電話番号、番地など推測のつきやすいものを使ってはいけないとかそんな常識云々以前に、それで同僚嬢がパスワードを確定出来たらどうしようとちょっとドキドキしたのだが、幸いなことに同僚嬢も
「………………え、あの……たんじょうびって……」
と凝固してくれたので、うっかり本気で安堵してしまった。
結局いろいろあってパスワードを変えてもらったのだが、なかなかスリリングな午後であった。

 


2005. 1. 9〜10.

某歌謡ショウのために関西から水庭仲間のるーさんが上京。我が家を一泊の宿になさる。
まずは9日。夜行バスで早朝東京に着くるーさん、祐さん、ななさんと12時に目黒で待ち合わせ、向かうは目黒雅叙園
ここで今、百段階段とそこに連なる旧館の部屋を見学の後、コース料理を、というタイムクルーズをやっているので、その12時30分の回に参加するためである。
12時過ぎに雅叙園に到着、まだ受付が始まっていなかったので、まず化粧室(つまりトイレだ)へ向かう。
ここのトイレ、噂には聞いていたがホントにすごい
入ってすぐのトイレはまあ普通なのだが問題はその奥にある方。
まず入るとまるでエントランスのように空間が広がる。右手は化粧スペース、左手は喫煙スペース。2つある化粧スペースはもちろん、喫煙スペースにも椅子があって、座れるようになっている。
その奥にはがあって、小さいながら太鼓橋がかかっている。
橋を渡って向こうにトイレ。3つあるトイレのドアの装飾は朱漆に螺鈿。中は人が寝泊まり出来るほど広い。
のっけから色々間違ってると思いつつ、いよいよ始まるタイムクルーズ。
案内人氏の後に着いて、この回の参加者20人ほどでギャラリーから旧館へと上がるエレベーターに乗る。ちなみにこのエレベーターの扉も中も黒漆塗りの螺鈿細工。表が蝶で中が唐獅子牡丹だ。
で、百段階段。『千と千尋の神隠し』の湯屋の内部のモデルになったという建物がこれだが、靴をスリッパに履き替えてまず最初に入った部屋の柱や床の間が螺鈿細工。格天井(ごうてんじょう)には四季の花鳥画。次の間は柱が金箔で飾られて鮮やかな彩色を施された浮き彫り細工が四方の壁と天井を覆う。その他の間も、柱がしぼり杉だったり床が漆塗りだったり床の間が紫檀だったり。障子は細やかな格子細工だし壁画や欄間画は有名画家の手になるものだし、ツアーの最初にもらった『目黒雅叙園のたてもの』と題したパンフレットには『家族連れの客が気軽に入れる料亭として昭和6年に経営をはじめた』とあるが、一体どこいらへんが家族連れの客が気軽に入れるのか教えて欲しいぞ創設者。
ツアーが終わって、次は食事。
我々が選んだのは中華のコースだったが、味も量も値段だけのことはある納得のものだった。
その後は、ななさんと別れてるーさんと祐さんと3人で、目黒駅ビル内の粥餐庁でお茶〜食事。
19時過ぎに祐さんと別れる。
それからるーさんを連れて一路我が家へ。帰り着いてからすぐ風呂を沸かし、交代で入りつつ、るーさんが持参してくれた『ダンドー』を、盛大に突っ込みを入れながら読む。
12時過ぎに就寝、翌10日は9時頃のそのそ起きだして、るーさんリクエストにより雑煮で朝食。10時半にるーさんを送り出す。
ななさんとは4時間、祐さんとは7時間、るーさんとはほぼ24時間。話して話して話して食べて、非常に楽しい時間を過ごさせて頂いた。

 


2005. 1. 6.

母からの恒例のポンカンが職場に届いた。
例によって例のごとく10kg。
まあ私宛に5kgが届くのだから、複数人が対象の職場宛に同じ5kgが届くワケはないのだ。
今の職場は3フロアあって、重い箱を持ち歩くのがイヤだったので、社内メールで『ポンカンあります。10kg入りの箱を持って配り歩くのは嫌なので各自取りに来て下さい』と正直に回したら、ポンカン自体が非常に好評だったようであっという間に半分に(笑)。
で、夜、帰宅してから礼も兼ねて母にその旨電話を入れたら、
「あ、ちょっと待って切らないで聞きたいことがあるの!」
何事かと思ったら、クロスワードパズルを解かされた(^^;)。
別にそう難しくない問題だったから良いのだが、母曰く
「よかったー。もうクイズの回答に要るキーワードは全部出せてたんだけど、それとは関係ないところで判らないのがいくつかあって気持ち悪かったのよあたしが
どうやら母の微妙なもやもや解消に利用された模様。
…………いいけどね。別にね(苦笑)。

 


2005. 1. 5.

職場の新年会。
前の会社は忘年会や新年会は社内で鍋やその他料理を作ってやっていたけれど、今の職場はスペースも道具もなければ作る人もいないので、普通に店を予約する。
忘年会は諸事情で遠慮したが(だって28日だったし……。)、新年会は喜んで参加。
店は職場近くの中華料理屋だったのだが、社費で落とされたその新年会、たいへん豪華な中華のコースで味も少々濃いめながら良く量も多い幸せなものだった。
前菜の盛り合わせからなかなか豪華で品数も多く、それだけで「食べた!」という気になったのに、その後からホタテと蟹とアスパラのクリームソース煮、牛肉の煮込みに牡蠣のスープ、フカヒレ姿煮、春巻き、海鮮ぴり辛サラダ風、蟹と春雨のスープ仕立て、支那そばに、デザートの杏仁豆腐と、出るわ出るわ。
決して食の細い方ではないが、さすがに途中からギブアップ気味で、でも味は良いので少しずつでも箸をつけ、店員さんに「すみませんー」と謝りながら、完食出来ずに皿を下げてもらった。
多分全員がそうだったはずである。
で、途中まで会が進んだところで、どうやら恒例らしいくじ引きが始まる。
大当たりは『3万円』。だがそれより『他』が面白すぎた。
私がもらったのは実は嬉しいそのお店の肉まん2個セットだったが、「どうしろと?」なUSBケーブル、A4ノートサイズのでっかい電卓、果てはサルやウサギ、河童のかぶりものときた。
またかぶりものの当たった人が嬉々としてかぶる上にそれが異様に違和感なく似合うものだから、そこから後の時間はもうみんなして笑いっぱなし。
5時半から始めて8時半までたっぷり3時間。巷には職場の新年会なんて楽しくないというところも多々あるようだが、美味しく楽しい会だった。

…………つまりアレか?
私の職場は、やっぱりフツーじゃないってコトか?(笑)

 


2005. 1. 3.

地元の従兄夫婦が送ってくれたポンカンが届いた。
2Lサイズの上物を5kg。相変わらずの量だが、これが『箱』の最小単位だし日持ちはするし柑橘類は好物だし、なによりこのあたりの店で買うよりよっぽど物が良く美味なので毎年ありがたく頂戴している。
今年も、発送してくれたことは聞き知っていたので、宅急便屋のエントランスからの呼び出しに応じていそいそとドアをあけた。
で、無事、受け取った、のだが。
配送担当さんが、私の顔を見ながら宣うことには。
「あのー、狐(もちろん仮名)さんですよね? こちらの送り主にお心当たりはおありですよね、間違ってませんよね?」
「え? はい」
何事かと思いながら頷いて荷札を見たら、ウチの住所の番地がなかった(^^;;;)。
…………義従姉さん。そんな、地元じゃあるまいし………………(脱力)。
私の地元はそらもー田舎なので、番地がなかろーが郵便番号が違ってよーが下手すりゃ宛名が間違ってよーが顔見知りかつ同じ地元民のよしみでアタリをつけて届けてくれるが、人口が地元K県の半分以上あるウチの市宛てでよくぞ届けてくれたものである。
時々荷物を取りに来てもらうのに、電話番号と住所を近所のサービスセンターで登録してもらっていたので、荷札の電話番号と照らし合わせてウチを割り出し配達してくれたようだ。
ありがとうネコ!
むっとする対応をされることも稀にあるが、
「では!」
と笑顔で帰って行かれる今回の配送担当氏に、思わず最敬礼を取った午後だった。

 


2005. 1. 1. 迎春

例によって例のごとく、今年は祐さんと翠條さんを迎えて我が家で年越し。
昼から降り出して積もってしまった雪に、『電車ちゃんと動くかなあ』などと心配しつつ、18時すぎに翠條さん、30分後に祐さんが無事御到着して一安心。
デリバリーのピザとサラダ、ポテトで夕食をとりながらしばらく紅白を眺め、20時過ぎに祐さんが持って来てくれたG2プロデュースの芝居『12人の入りたい奴ら』のビデオを見る。
セキュリティシステムの誤作動で職場のあるビルに入れなくなった人達と、そのセキュリティ会社の営業担当が織り成す人間模様、なのだけれど、新感線ほどではないがこの芝居もなかなかバカ。
2時間近くずーっと笑っていた気がするのは気のせいではないはずだ!
で、そろそろだろう、と紅白に戻す。
目的はもちろん上様マツケンサンバ II
まだ少し時間があるようだったので先に年越し蕎麦を、と思ったら目測を誤り、途中で作る手を止めて見入ることになってしまったが、上様の流し目とあの耳に残るリズムと歌詞は大変楽しゅうございました。
その後はこれまた恒例でジャニーズのカウントダウンコンサートにチャンネルを切り替え、翠條さんが目当ての2人の行動に喜ぶ姿を横から鑑賞(笑)。
更に持って来てもらった本や私の蔵書をやりとりして、テレビをBGMにひたすら読む。
本当は『轟天』を見ようかと言っていたのだが、この時点で夜中の1時を回っていたので諦める。
あんな濃いモノ夜中に、しかも見たら寝るのは明け方4時になるのが判っているのに見られるワケがない(^^;)。
が、結局なんだかんだで寝たのは4時だったあたり、なんだかなあ、では、あるのだが(苦笑)。

明けて1日。
互いになんとなく気配を探りつつ起きる時間を推し量り、結局ちゃんと起きたのは11時。
リビングから綺麗に晴れた空と家々やバスの屋根に残る雪、遠く秩父の連山や、遥かに白く聳える富士山を眺める。
……大晦日の悪天候が嘘のようだ(^^;)。
それから、ウチの雑煮で朝食と昼食を兼ねさせて、昼過ぎから『直撃!ドラゴンロック〜轟天』で気持ちよく初笑い。ストーリーもなにもあったもんじゃないバカ芝居なので心置きなく大笑い出来た。2時間半、芝居を見ていて、記憶にあるのは『笑った!』だけな気がするが、この芝居はそれで良いのだ。
見終わってからだらだらと喋ったり食べたり本を読んだりテレビを見たり。で、16時半にお二人がお帰りになられた。

のんびりまったり、な、年越し。
楽しい時間をありがとうございましたお二方。

 

そして、あらためて。
本年も、十六夜茶寮を、どうぞよろしくお願いします。

 


 

 

今月の『私淑言』へ  『おしながき』に戻る