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2003. 4. 27 『恐るべきさぬきうどん』第2回
千趣会『恐るべきさぬきうどん』4月分、『なかむら』のうどんが届いた。
客が裏の畑からネギを取ってきて自分で刻んで薬味に入れる店がある、という話は有名な噂だが、それがこの店、なかむらのことなのだそうな。
麺通団団長・田尾氏をして「ここだけは冷凍面で再現できるとは思ってなかった」と言わしめた麺は絶品。
前回届いた『大円』の麺は、歯応えもしっかりあってコシがある麺だったが、『なかむら』のうどんは、柔らかいのにコシがあるのだ。
手打ち麺だから、中には細かったり薄かったりするのも混じっているのだが、そうした麺も14分30秒(これだけの時間茹でろと書いてある。)の茹で時間に耐え、コシを保つ。
2玉あるので、1玉は釜玉(茹で上がった熱々の麺を溶き卵に入れて混ぜ、カルボナラ状態になったところへ薬味とタレを入れて食す。)、1玉は普通に、熱い麺に熱いゆつ、薬味にネギと生姜で食べたが、どちらも文句なしの絶品。
心残りは、まるごと1本のちくわの天ぷらをオプションとして用意できなかったことくらいだ。
でもやっぱり、讃岐に行って現地で食べたくなるんだよなあ、これ……
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2003. 4. 25 判る人だけ判ってください。
ずっとネタにしたくてしょうがなかったけれど、社会情勢が社会情勢なので書くのを控えていたネタがある。
職場が加入している保険組合から、2ヶ月に1度会報が届く。
この会報の最後の方に、新たに生まれた組合員のお子さんの続柄と名前が『二世誕生おめでとう!』と称して記載されているのだが、これがとても楽しい。
まず読み方を考えるのが楽しい。
そして、お子さんの名前にご両親の趣味や願いが反映されているのが非常に興味深いのだ。
たとえば。
『心美』ちゃん。
お父さんかお母さんがあの夫婦のどちらかのファンなのか?
このくらいはまあ普通。
『一輝』くん。
……おやぁ?
まあ、ここのご夫婦に次に男の子が産まれて、その子が『瞬』だったら本物だろうが、『一輝』くんだけではまだ微妙。
ここらあたりまではまあ、ありそうな名前ではあるのだが、今回は極めつけがあったのだ。
その名も
『蒼紫』くん。
…………おかあさん……。
何故思いとどまらなかったのだおかーさん(^^;)。
自分の息子を『様付け』で呼ぶつもりなのかおかーさん!?
周りも何故止めなかったのだ。こんな変わった名前を出されて、疑問に思わなかったのか。
由来を聞いて異議を申し立てても聞き入れられなかったのか、気にしなかったのか、それとも訊いても誤魔化されたのか、そもそも訊ねなかったのか?
ここまで来たら、読み方が某お庭番お頭なあの御仁とは違ってようが最早問題にはきっとならない。
蒼紫くんの将来に幸多かれと祈る私である。
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2003. 4. 23
アメリカ国内で、不眠や不安感を訴える人が増えているそうだ。
原因は、絶え間なく流された戦争関連のニュースを見過ぎたせいだとか。
巫山戯るな、と、呆れ怒るのは、筋違いではないはずだ。
自分達の国が国際社会の反対を押し切って仕掛けた武力攻撃である。
見ないと決めればいくらでも見る量をセーブできる側にいた人間が、どのツラ下げてそれを言うか。厚顔無恥も甚だしい。
しかもアメリカでは、今、リアルな戦争もののゲームが売れているという。
そうしてまたゲームをやりすぎて言うのか。「あまりにリアルで不安になった」と?
戦争報道に、もたらされる映像に、あるかもしれない将来の報復を見て怯えているのかもしれないが。
子供ならまだしも、まして攻撃を仕掛けた国のいいオトナが。
テレビを見過ぎて、怖くて眠れなくなりました、と。
現実に砲火にさらされて、今なお体に心に大きな傷を抱え、瓦礫の街に生きる人々の目の前で、同じ事を言えるものなら言ってみろ。
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2003. 4.
19 『ペーパーカンパニー ゴーストカンパニー』
またしても翠條さんと2人で、劇団6番シードの十周年記念公演『ペーパーカンパニー ゴーストカンパニー』を見る。
翠條さんお気に入りの劇団で、前々から誘われながら予定があって行けなかったりしていたのだが、劇団旗揚げ十周年を記念してペアでチケットプレゼント、という企画に応募したら、当選してしまったのだ。
芝居の舞台は、新聞社。印刷所へ送るぎりぎりまで粘って粘って紙面を作っている。
その夜起きた事故。連載小説。追跡ルポに、特ダネ。
どれも、担当に問題があったり(インタビューを録音したはずが再生ボタンを押していて、肝心のインタビューが記録されてないのである)、事故責任究明の会見の開始が朝刊に間に合わない時間だったり、連載小説は最終回なのに異様に長く(しかも「短く」と注文をつけたら1行にしたりオチをSFに飛ばしたり)、特ダネはもうひとつ押しが足りないし、何が理由か人権団体は押し寄せて、挙げ句、記者の妻の幽霊まで現れるのだ。
が、特ダネとして1人が追っていた『深夜の密会』ネタが、脱税疑惑の気配を見せ始めたあたりから、ストーリーは一気呵成。1人だった幽霊がいつの間にか2人に増えて、増えた1人は疑惑の渦中の人物で。社の全員に幽霊が見えれば話は早いのだがそうそう都合良くは行かず、『視える』たった1人は病気扱い、呼ばれた救急隊員まで巻き込んで、お笑いをちりばめながらシリアスに、ラブストーリーもしっかりあって、2時間半、長さを気にせずテンポよく楽しませていただいた。
タイトルのダブルミーニングに、ナルホド、とも納得。
チケットプレゼントに当選させてくださった関係者さまに感謝である。次はちゃんとお金払って見に行こうと、心に決めた夜だった。
どーでもいいけど、芝居のラスト。
休暇をもぎ取ってハワイに行こうとした局長が、キラウェア火山の噴火で空港閉鎖の憂き目にあって日本に戻ってくるのだが。
数年前、これとよく似た事を耳にして笑った記憶があるのだが、職場の同僚諸氏は、さて、覚えておいでだろうか?
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2003. 4. 17 『オケピ!』
翠條さんと2人で、青山劇場で公演中のミュージカル『オケピ!』を見る。
脚本演出・三谷幸喜、音楽・服部隆之、キャスト・天海祐希、白井晃、戸田恵子、川平慈英、小日向文世、寺脇康文、布施明……
「チケットが取れてラッキー!」と真顔で思うほど、豪華なメンバーである。
もともとミュージカルはそれほど好きではない。作中で寺脇氏演じるトランペット奏者が「なんで動物が歌う? 屋根の上で歌う? 死にかけてまだ歌う?」と歌うが、まさしくそんな感じだったのだ。
が。そこはさすが三谷さん。
歌がなければ意味がない、歌があるから余計に楽しい、そんなミュージカルに仕立ててある。
またキャストが全員歌が上手いものだから、そういう意味でもお得な気分だ。
舞台は、オーケストラピット、通称『オケピ』。
ストーリーは、コメディだ。
人間関係はフクザツだし、人の話は聞かないし、困ったさん揃いだし、ワガママで自分勝手。それでもなんとか折り合いを付けて、それでも諸々笑い飛ばして、登場人物は歌う。
「人生で起こることは全部、ここ(オケピ)でも起こる」。
「どんなに退屈なミュージカルにだって、1曲くらいは好きな曲がある」。
笑って笑ってたまにほろっとして、また笑って、元気になる。
幕が下りた時、本当に気持ちよく拍手できる、そんなミュージカルだった。
2幕の最初の曲で『俺達はサルじゃない』と歌われた時には、実際休憩時間にオケピを覗きに行った身としては、つい「すみません」と謝りたくなってしまったけれど(^^;)。
ビバ、『オケピ!』
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2003. 4. 15
アメリカ。
今度は矛先をシリアや北朝鮮に向けているらしい。
特にシリア。いくら独裁体制が続いているとは言っても、名指しで非難されのたでは、そりゃ外相だってキレるだろう。
アナタガタの標榜する『自由』って、一体誰にとっての自由ですかブッシュ?
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2003. 4. 13
見るとはなしにテレビをつけていたら、月末公開の映画のCFが流れた。
その映画、『Voice』。
……やっぱりただの『携帯の電源切ってねメッセージ』の長い前フリじゃなかったんだな。
CFを見るまで、密かにそうじゃないかと疑っていたなんて、せっかくだから白状しとこう(自爆)。
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2003. 4. 12
米英が仕掛けた『イラク戦争』、米英軍がバグダッドを制圧して一応の終幕を見たようだ。
フセインの像を引きずり倒して歓喜する民衆の姿が現地からの映像として伝わってきている。
当然ながらイラク軍の抵抗はまだあって、突発的に戦闘も発生しているらしいが、ともかくも、『終戦』、なのだろう。
残った波紋は大きいし、イラクの、そして世界の『これから』も、無邪気に楽観などとても出来ない。無政府状態のイラク国内で略奪行為が頻発しているとも伝え聞く。
今はただ、これからの『戦後処理』がイラクとイラク国民の行く末を第一に据えたものであるように、と願って止まない。
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2003. 4. 9
バグダッドがほぼ米英軍の制圧下に置かれたらしいが、その米軍が、ジャーナリストの集う場を攻撃したらしい。
アル=ジャジーラの事務所と、各国ジャーナリストの拠点・パレスチナホテル。どちらもで、死傷者が出ている。
パレスチナホテル攻撃後、米軍は、ホテルから攻撃を受けたから反撃したのだ、と嘯いたそうだ。
ふざけろ。
どこの世界に、戦場に赴いてまで能う限りの事実を伝えようとしていながら、拠点としているホテルで、カメラの代わりに武器を構えるジャーナリストがいるか。
おそらく第三者が調べるのでない限り、米軍からもイラク軍からも、真実が伝えられることはないだろう。
アメリカが今回の戦争の口実にした大量破壊兵器は、イラクではまだ見つからない。
「いつかは出る。きちんと制圧して探せば出る」と、アメリカは言い、小泉くんもそう言っているらしいが、その『探して出てきた大量破壊兵器の存在証明』が仕込みでないという保証はない。
この『戦争』がどういう結末を見るのかはまだ判らない。イラクに、アメリカに、世界に何をもたらすかもまだ、判らない。
ただ、破壊された国土と傷ついた人々だけが、厳然としてそこにある。
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2003. 4. 7 Happy Birthday アトム
今日、西暦2003年4月7日は、アトムの誕生日である。
今年の今日、高田馬場の研究室でアトムは生まれたことになっている。
世界各国、ロボットやアンドロイド開発を目指す研究者たちは、そのコンセプトをチーム内で理解させるのに多少の時間を要するそうだが、こと日本人に関しては、たったひとことで足りるのだそうな。
合い言葉は、『アトムを作れ』。
これが時には『鉄人28号』だったり『ガンダム』だったり『エヴァ』だったりもするのだそうだが、そういう風に思い描ける夢の形があるというのは、とても幸せなことではないだろうか。
手塚氏がアトムを世に送り出した当時には遙か未来だった『2003年』。
その『2003年』は、ここにある。
携帯電話、パソコン、インターネットから、ユビキタスを目指す時代。
だが、アトムはまだいない。
このまま研究開発が続けばいつか生まれるだろう『アトム』を、『心優しい科学の子』に出来るかどうか、それは我々人間次第だ。
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2003. 4. 4 花見。
今年も待ちに待ったこの日がやってきた。
職場恒例の花見である。
ひそかにこれと忘年会が出来なくなったら退職する人続出なんじゃないかとすら思うこの花見。
今年も場所はいつものところで。料理はちょっと手をかけて。いつも通りのおでんに豚汁、手毬寿司。ここまで社員手作りで、後は買ってきた揚げ物に乾きもの、差し入れも並んで、満開の花の下、吹きすさぶ風にも負けず暖をとりつつ夜桜の宴だ。
痛恨だったのは、自分の仕事が忙しくて料理の仕込みを手伝えなかったこと、そして何より早々に場を辞してしまったこと。
それでもおでんは美味しかったし豚汁は味のしみこみ具合が最高で、たとえ中座することになっても顔は出したい職場の花見、なのだった。
昨年秋以降入社のヒトタチが
「すごい手際ですね……」
と呆気にとられて感心するのも、既に快感になっている、入社○年目の春である。
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2003. 4. 3
先月20日から始まった通称イラク戦争、早期決着との米英の予想に反して長期戦の様相も呈し始めている。
だいたい『早期決着』の読みが甘いのだ。
米英軍が攻撃を開始すればイラク国民は打倒フセインで蜂起するはずだから決着は早いはずだ、などと、過去その蜂起を見捨てておいてどのツラ下げて考えるか。
両側が自軍に有利なことだけを並べ立てるのは戦争報道の常だが、自爆攻撃を讃える風すらあるイラク側の発表や、ここにこういう攻撃をしたとどこか自慢げな米国の発表を見ると、『歴史』という形でしか知らない60年ほどの昔を再現されているような気になる。
落とされた爆弾の数を並べては効果的な攻撃だという彼らに殺人者の自覚はあるか。
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2003. 4. 2
先月末からベルギーに借り出されている職場の先輩S氏。
出張期間が4月4日までになっていたから、てっきり7日から出社かと思ったら、本人
「いや、4日、出てくるよ」
と言い置いて先週末に異国へ飛んだ。
帰国したその足で出社するなんてなんて真面目な、とか、どういう風の吹き回しだ珍しい、とか、思ったが。
4日って職場の花見じゃねーかよSさん!
ホントに花見が始まる時間になるまで来なかったら絞めてやろうか、と物騒に微笑む同僚は、ちなみに私だけではない。
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