2003年3月の私淑言

 


2003. 3. 29 『恐るべきさぬきうどん』第1回

先月末、職場の先輩たちと共同で注文することになった千趣会の『恐るべきさぬきうどん』、第1回目が届いた。
今回の店は、大円。ぶっかけうどんだ。
早速食べてみた。
調理法通り、生麺なので16分茹でて、水で洗って麺を引き締め、湯で温めなおして、添付のつゆを茹で割り、かける。
薬味はネギ。そして生姜。で、混ぜて、ひとくち。

めっちゃ美味!

麺に味があって、コシがあって、つるつるっと喉を通る。つゆもつゆで、残らず飲み干せるほど美味。
「きちんとお伝えできないのが残念です!」
とか言いたくなるくらい本気で美味しい。
これで、送料込みで1食350円なのだ。
そこらのうどん屋で倍以上の値段でマズイうどんと食べるなんて、もとから嫌だったが今後はもう出来そうにない。
次回は、なかむら。
今からどんな美味しいのが届くか楽しみでしょうがない。

興味を惹かれたまま「どうしようか」と迷った方がいらしたら。
コレは買いです! 是非!

 


2003. 3. 28

木曜の夜7時を過ぎた頃、突然同僚と2人、順番に部長に呼び出された。
何事かと思えば、自分のチームの手が足りないからウチのチームから1人ベルギーへしばらく(口振りだと1〜2ヶ月)借り出す、ついては借り出されるS氏に回るはずの仕事を手伝え、との仰せ。
断ったってどうせ無駄なのだがS氏のベルギー行きが初耳だったため、慌てて営業氏に電話して折衝してもらうことにした。
で、金曜日。
蓋を開けてみれば、営業同士の交渉の結果、S氏の出張は1週間で済むことになったようで、それはそれでほっとしたのだ。
が、結局彼の仕事のフォローは私に回ってくる。つい遠い目をしてしまった、その夕方。
にこやかに部長は宣った。
「あ、狐(仮)さん。昨日お願いしたこと、なんとかなりそうです。迷惑かけましたね、ありがとう」
「はあ、そうですか」
答えながら笑顔がひきつった私である。
アナタ方がたとえ1週間でもS氏を借り出せば、彼の本来の仕事のフォローは私に回ってくるんですよ、部長。つまりその迷惑、過去形じゃなく『現在進行形』(微笑)。
事情を知っている営業氏が、「相談しよう」と言いかけて
「相談……してもこれ頼めるの狐(仮)さんしかいないんだよな……頑張って?」
と乾いた声で恐る恐る言いながら笑ったくらいだ。

余るところは余ってるけど部分的に人足りてないっす部長!(切実)

 


2003. 3. 27 さくら、さく

関東で今日、桜の開花宣言が出た。
異常な早さだった昨年より11日遅く、平年より1日早いそうだから、ほぼ『平年並み』だろう。
桜の木の下には死体が埋まっている、だからあんなに美しいのだ、と、言ったのは誰だったか。
今、遠い国で蹂躙されている命を思えば、心なし、花が、墨染めに見える。

 


2003. 3. 21 『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』

例によって例の如く待つのを嫌って、朝1の回で、『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』を見てきた。
前作以上に凄いと噂のこの第2部、原作の大ファンなので前売りを買っていそいそと。
上映開始の15分前に劇場に着いて余裕で座れるんだから、朝1っていいよなぁ。早いけど(笑)。
本編が始まる前にこれから公開される映画の予告が入るが、今回はこれがなかなかインパクトを持っていた。
台湾だかの『ボイス』というホラー映画だったのだが、ストーリーはどうやら『リング』の携帯電話版らしく、ある共通のナンバーを持つ携帯で何かのメッセージを聞いたらしい人達が次々死んでゆくなかで、主人公の女性がその「何か」に怯えながら生き残る道を探している。
彼女は生き残ることが出来るのか、というところで予告編が終わったのだが、その直後。
また同じ映画の同じシーンがスクリーンで繰り返された。
「また?」と、思ったその時だ。スクリーンにこんな文字が。
『その電話の声を聞いてはいけない』
すぐに文字は消え、また主人公のアップ。そうして、黒バックにまた、スーパー。
『今ならまだ間に合う 携帯の電源を切れ!』
「……そういうオチか」
と呟いたのは言うまでもない。あまりに「携帯の電源切ってね」メッセージのインパクトが靱すぎて、『ボイス』という映画自体が長い仕込みかと思ってしまった(^^;)。

が、本編が始まればそんなことはどこかへ消し飛んだ。
フロド&サム、アラゴルン&レゴラス&ギムリ、メリー&ピピンのそれぞれの旅が、ニュージーランドの風景と絶妙なCGの中で繰り広げられる今回。
まるでアラゴルンが主役のよう、などと思ったりもしたけれど、サムはサムらしくフロドを助けて活躍するしスメアゴルはとてもCGとは思えない動きだし、監督はじめ製作陣のこだわりが素晴らしくて嬉しくなる。
そしてやはり出色はヘルム渓谷とアイゼンガルドでの戦闘シーンだ。もう、「よくぞここまでやってくれた!」と感謝したいくらいに、凄い。
来年公開の第3部『王の帰還』が、今から本当に楽しみになった。

 


2003. 3. 20

週末を待つことなく、昼過ぎにアメリカは空爆を始めてしまった。
「国のために戦え」と国民に呼びかけるフセインの言葉が「私のために」と聞こえるのと同様、「自由と平和のために」戦うのだというブッシュの言葉も「アメリカのため」だと思えてしまう。
ラジオには平和を願うメッセージと祈りを込めたリクエストが寄せられ、そこかしこで反戦の声があがっている。
今はただ、被害の少ないことを祈る。

 


2003. 3. 19

週末には実行されてしまうのだろう米英の対イラク武力攻撃、作戦名は『イラクの自由』というのだそうだ。
笑わせるな。
過去、フセイン政権打倒のために蜂起したイラク国内の反対勢力からの支援要請を、権益のために見捨てた国が。
どのツラ下げて、『イラクの自由』か。
フセインを筆頭とするイラク首脳陣に非があるのは自明だが、アメリカの横暴も目に余る。
今、フセインに対し、『自由』を掲げ戦って良いのは、イラク国民だけではないのか。

 


2003. 3. 18

高知で桜が咲いた今日、アメリカがイラクに最後通牒を突きつけた。
48時間以内にフセインとその息子たちに亡命しろというそれを、フセインが、またイラクが受け入れるとは思えない以上、これは事実上の宣戦布告である。
査察をかわすイラク、戦争したいアメリカ。石油の利権、過去の確執、欧州の利害、北に火薬庫を抱えるアジア、日本。
ことは単純ではないと知ってはいるが、阻止出来るなら阻止したい。
ただ「イエス」というだけが同盟関係ではないだろう小泉くん。
自国の主張だけを正義として振りかざすのはそろそろやめにしないかアメリカ。

それでもおそらくは上がってしまうのだろう戦火に、被害の少ないことを祈るしかないのだろうか。

 


2003. 3. 14

出社したら、デスクの上の書類の位置が大幅に変わっていた。
これから使う資料が他の書類の間にある。以前使った、『念のため』と保存してあった資料が何故か最新の書類の上にある。挙げ句、頼まれて一応行方を捜し、私のデスク周りにはないことを前日確認したばかりの資料が何故かデスクに乗っている。
(──誰だ、ヒトのデスクを荒らしやがって!?)
犯人が判明したら絞めてやろうか、ぐらいの勢いで怒りながらふと考えた。
前日私が退社したのは20時前。他の人が必要とするような資料やデータはデスク横の棚。デスクの上を探りそうな御仁は休み。
────じゃあ、誰?
ふと手を止めて考えて、さっさと思考をこう切り替えた。

営業だろうが同僚だろうが先輩だろうが上司だろうが、人間だろうが人外だろうがそんなことは関係ない。
ヒトのデスクを荒らすんじゃねぇっ!!

資料をきちんと整理してくれたり仕事を片付けてくれたり、してくれるんなら歓迎するんだけどなー……(笑)。

 


2003. 3. 13 僕の知らないいろんな傷。

夕方、ミーティングをしていたら、右の小指に違和感を覚えた。
みょーーーに、痛い。
見れば、浅く小さく切れていた。
(……いつ作ったんだこんな傷……)
訝しみながらとりあえずバンドエイドを巻き付けて、更に2時間後。
目が疲れたので友人の肩を揉もうとしたら(ここいらあたりの記述に対する違和感は、覚えても『今更』ということで。)、今度は人差し指に引っかかりを覚えた。
見れば、こちらも切れていた。
(……いつの間に出来たんだこんな傷っ!?)
どちらも全く記憶にないのだ。
自分の知らないいろんな傷。ちょっと、かなり、イヤ、なんだが(^^;;;)。

 


2003. 3. 10

3月になったというのに最高気温が1桁の、真冬かと首を傾げるほど寒い日が続いている。
確かその流れだったと思うのだが、先日職場の友人Hと、冬場の風呂の話になった。
「あたしさー、とろとろしてるからお風呂の準備に時間かかって、せっかく沸いたのが入る頃には温くなってるんだよね」
なるほどそれはもったいない、と頷きながら聞いていた私に、にこやかに続けてH。
「でね、あれしなくちゃいけなくなるの。再沸騰
──再沸騰!?
「湯沸かしポットかっ! ちゅーか沸騰させんのか風呂をっ」
笑いながら突っ込むと、今度は首を傾げて
「あれ? 違った。あたためなおし?」
──あたためなおし(^^;)。
「電子レンジか君ん家の風呂は……」
結局彼女の口から『追い炊き』なる言葉が出ることは私が教えるまでついぞなく。
しばらく腹筋が痛くなるほど大笑いさせていただいた。

 


2003. 3. 3

関東地方に春一番が吹いた。
例年より12日早いのだそうだ。
けれど、気候は、春は名のみの三寒四温。
それでも月末には桜が咲いて春が来る。

当茶寮、今日で4周年。
細々ながらも電脳空間に存在していられるのは、おいでくださる皆様のおかげ以外のなにものでもない。
何をするわけでもないけれど、日頃の感謝をここにこめて。

今後ともどうぞご愛顧の程を、心よりお願い申し上げる。

 


2003. 3. 1 空をこえて星の彼方

今日、3月1日から、JR山手線高田馬場駅の電車の発車警告音が、鉄腕アトムのテーマになっている。
アトムが2003年4月7日に高田馬場の研究所で生まれたことになっているのを記念してのことだそうで、これから2ヶ月ほどの間、高田馬場駅で使われるのだそうだ。
好評なら期間の延長も考える、とはJR東日本の言である。
これを聞きたいがために、夕方新橋に出向くのに、家を出る時間を早めて高田馬場へ行こうか、と思ったあたり、大概物好きだという自覚は、ある。

 


 

 

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