2002年1月の私淑言

 


2002. 1. 27

学ばなかった人たちの話には、子細が明らかになればなるほど、ただただ呆れるばかりだ。
雪印。
一昨年の異物混入でいい加減骨身にしみたと思っていたのだが、違ったらしい。
学ばなかった、というか、懲りてなかった、というか、変わってなかった、というか。
ここまでくると全社的なモラルも疑わしいと、思われても多分仕方がない。
当座の『損』に目を向けて、それを行ったが故に起こる『その先のこと』を思えなかったバカな御仁たちのお陰で、普通に一生懸命日々仕事している方々が、こんな風に、大迷惑を、被る。

 


2002. 1. 21 桁違いな話。

週末実家に行ってきて、改めて「桁違いだな」と思ったことがいくつか、ある。
空の広さと、海の色と、夜空の暗さと、星の数と──とある看板。
今更言うまでもないような気がするが、私の生まれ育った土地は、そりゃもうド田舎だ。
が。今回実家に行って、それを再認識させられてしまった。
とある看板に、よって。
それは実家から空港に向かう道すがらに立っていた。
私の地元と県庁所在地を結ぶ国道の脇、畑の中に、ぽつんと立って、こう主張していた。

『JUSCO ここからまっすぐ45km』

私はここしばらくあちらに行ってなかったから知らなかったが、兄夫婦によれば、どうやらここ1年ほどの間に県下初のジャスコが県庁所在地にオープンしたのであるらしい。
だから、確かにそこからその国道を45kmほど走れば、きっとジャスコにも着くのだろう。
だが。
45m、でも450m、でもない、45kmって、ちょっとあんまりじゃなかろうか(^^;)。
今更ながらに、己が出身地の田舎具合に軽い頭痛を覚えた今回の帰省であった。

 


2002. 1. 16

前々から『声が低い』と言ってはいたが。
──恐れていたことが、起こってしまった。
何があったかって?

母親に、オトコと間違えられて電話切られました。(自爆)

年明けからこちら風邪気味で、やっと治ってきはしたが、まだ喉にきてはいた。
お陰で声は低かった。
ついでに時間帯からして親だと思ったから、営業用に声を作りもしなかった。が。
「はい」
と答えた瞬間、その電話は切れてしまったのだ。
一瞬「間違い、イタ電か?」と警戒しつつ、直後にかかってきた電話に再度出てみると、これがやはり母親で。
「はい」
「……狐(仮)なの!? 何アンタその声っ!」
「いやちょっと風邪気味で喉痛くて。もう治りかけてるんだけどまだ声が。」
「……びっくりした。」
胸をなで下ろしたらしい母親に、もしやと思って聞いてみたのだ。
「おかーさん、ひょっとしてさっきウチに電話かけた?」
案の定答えは
「かけたわよ。」
「なんで切ったの」
と更に問いかけた私に、母のくれた答えがこれだった。
「いや低くて変な声だったからびっくりして」
だからって、ヒトが電話に出た瞬間に切らなくてもいいだろう母よ(涙)。
密かに空しくなってしまった冬の夜の出来事。

 


2002. 1. 14

昨年に比べれば平穏に過ぎた成人の日だったようだが、勘違いしているお子さまどもはやはり今年もいたらしい。
1日早く成人式を行った那覇市で、酒の持ち込みを巡って一部の参加者と警官隊が衝突したのだそうだ。
聞けば、那覇では、出身中学ごとに泡盛の樽を成人式会場に持ち込んで、後輩が先輩を祝うのが恒例となっていたらしいのだが、昨年は若造たちが門扉を破壊するなどトラブルを起こしたため、今年は持ち込み禁止となっていたのだという。
にもかかわらず、お子さまどもが『酒樽を積んだワゴン車で会場に突入しようとした』──他の新成人たちも大勢居る人混みの中に、だ──ため、警官隊との衝突が起こったらしいのだ。
これだけでも結構「いい加減にしろよ?」、なのだが、このお子さまども。
『木刀や模造刀、金属バット、改造車二台』まで、持っていたらしい。
…………コラ待て。
お子さまどもよ。お前ら成人式のお祝いに行ったんじゃなかったのか? 酒樽持ち込むだけならまだしも、その所持品に何故含まれるのだ木刀や模造刀や金属バットが?
どこへ何しに行くつもりだったんだ殴り込みか!?
こんな連中に成人式を邪魔された他の参加者たちはにとっては、さぞかし迷惑だったことだろう。

もちろんこんな大バカどもはごくごく一部であることは言うまでもないことである。
ちゃんとした『オトナ』の新成人方には、心よりお祝い申し上げる。

 


2002. 1. 11

誰かが体調を崩して休んだり、具合が悪そうにしていると、ウチの職場ではこんな会話が交わされる。
「大丈夫? ちゃんと本体来てる?」
「ううん、まだエイリアスくらい
だの、
「……抜け殻? 魂入ってる?
「いや、魂、家で寝てる
だの
「おーい、生きてないぞー」
「うん、ちょっと今器だけだから
だの。
通じてしまうあたりが、笑えるというかなんというか(^^;)。

 


2002. 1. 7

6日夜、江ノ島に不審者5〜6人が上陸したとかで、海上保安庁などが不審者捜索をした挙げ句、北朝鮮籍の船への立ち入り検査が行われたりしたが、7日、そもそもの不審者上陸の目撃情報が、作り話だったことが判明したそうだ。
なんでも夫婦げんかの腹いせだとか。
何考えてるんだ41才……。
扇国土交通大臣が激怒したそうだが、あたりまえだろう。
いもしない不審者の捜索に借り出された方々もいい迷惑だが、他国籍の船の立ち入り検査まで行ってしまったのだから、コトは外交問題にも発展しかねない。
今回のこの作り話で、次の不審船情報に、きっとわずかの疑念が入る。本当の不審船に、立ち入り検査を拒む口実をわずかなりともきっと与える。
嘘つきのオオカミ少年を例に挙げるまでもない。誤報とは、そういうものなのだ。

 


2002. 1. 1

すっかり恒例になっている我が家での年越し。
今年のメンバーは、翠條さん、祐さん、睦月ちゃんと、私の4人である。
夕方、前回のことを思い出して自分の記憶に2割の懸念を抱いた睦月ちゃんから『駅は○○でしたよね?』と確認メールが入ったり、翠條さんが少し遅れたりと、細かいネタはあったが、大過なく夜7時には全員集合。
『フルーツバスケット』のラスト2回をツッコミ入れつつ鑑賞した後、夕食を挟んで再びビデオ鑑賞に入る。最初は劇団新感線の『いんど屋敷』を見ようとしたのだが、どういうわけか音声が不安定で、諦めて次に見たのがOVA『ここはグリーンウッド』全6巻。最後に読んだのは年単位の時の彼方であるにもかかわらず、細かい台詞や次のキャラの行動、飛ばされたシーンなどを全員が指摘出来るのがなんとも笑えた。
そのままテレビを見たり本の話や馬鹿話に花を咲かせたりで、結局寝たのは明け方5時も近い頃。
起き出したのは1日の11時で、それからブランチにしてまたビデオ(今度は新感線の『髑髏城の七人』)を見て、睦月ちゃんがまず夕方3時半、翠條さんと祐さんが5時前に、それぞれご帰宅あそばして、今回の『煩悩年越し』はお開きとなった。
狭い我が家でお3方には窮屈は思いをさせていることとは思うが。
それにしてもこの『煩悩年越し』、なんとも言えず、クセになる。

 

そうして、決まり文句ではあるけれど。
どうか今年が誰にとっても、良い年で、あるようにと──願う。

 


 

 

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