2001年4月の私淑言

 


2001. 4. 26

小泉新内閣誕生。
森内閣からの再任も少なくはないけれど、それも小泉さんが自分で選んで決めた結果なのだろう。
40代の若手閣僚、5人の女性閣僚と話題になって、それが『話題』になることに首を傾げる自分がいる。
扇千景さんが仰った。
「女性が4人と言うけれど、女性が何人ということ自体がもうおかしいんじゃないですか?」
同感だ。
適材適所で、男女に関係なく、相応しいと思う人を首相が任じればそれでいい。
要は、これから。
森さんで地に落ちた支持率を、就任時点でアップさせるのは簡単なのだ。
もとより人気の小泉首相が、人気取りに走る必要はない。
痛みを伴う改革だろうと、説明があって、納得できれば、多分人は愚痴は言っても反対はしない。
とりあえず、任せましたよ新首相。

 


2001. 4. 24 奇蹟のカンパネラ

ピアニストのリサイタルに、ドラちゃんさんと行ってきた。
イングリッド=フジ子=ヘミング。
ドビュッシー、ショパン、スクリャービン、リストを、それぞれ数曲ずつ、という構成のプログラムには、亜麻色の髪の乙女、子供の領分、月の光、ノクターン、木枯らしのエチュード、革命のエチュードなどが含まれていた。
有名な曲たちだ。
けれど、日常耳にすることも多いそれらの曲の、その、どれもを。
彼女の指は、彼女独特のリズムで、音で、紡いでゆく。
決して楽譜通りではない。テンポを変える、響きを変える、強く弾く音を変える。それでも原曲を損なうことなく、彼女はそうして『彼女の音楽』を織り上げる。
途中プログラムをご自分の希望で変更して、弾いたのはリストの『愛の夢』。
そうしてラストは、『ラ・カンパネラ』、だった。
実は結構なお年であられる彼女に、どうしてああも力強く音を響かせることが出来るのだろう。
プログラムの序文に、彼女は書いている。
『すべての息をし苦しみを知る者たちになぐさめを与えたい』
多分それが、答えなのだろうと、そう思う。

 


2001. 4. 22 麗しき母娘の会話?

母から電話がかかってきた。
「寒いでしょ」
瞬間答えに悩んだ私は素直にこう答えた。
「いやあの、その質問、答えに困るんですが」
確かに土曜日は3月の気温だった。今日は気温は平年なみだが風が強かった。が、金曜日は25度も突破して夏日だったのだ。
土曜にしたって、20日と比べれば確かに寒かったが、気温としては『寒い』というほどでもない。
「寒くないの? 外出なかったの?」
「いや、出たけど」
「それでも?」
「だって3月の気温って別に寒くないでしょ」
それでも電話の向こうの母は何か不満そうだった。
ので、こう言ってやることにした。
「まあ、暑がり寒がりの友達に言わせれば、私は暑さにも寒さにもめちゃ強いらしいし」
母が下した結論はこうだった。
有無を言わせず一刀両断
「あんた、鈍いのね。」
…………ひょっとして私のコトお嫌いですかおかーさま?(^^;;;)

 


2001. 4. 20

仕事帰りに買い物しようと遠回りして歩いていたら、車道から元気な声が聞こえた。
「ぃやっほぉーおっ!」
おおかた、やんちゃで元気な坊ちゃんたちが、お子さまらしく嬉しそうにバイクでかっとばしているのだろう。どうせなら8時過ぎなんてまだ車の多い時間のこんな比較的車の多い道じゃなく、もっと遅くにもっと車の少ない道を走ればいいのに。
そう思って、車道に目を向けた。
私の考えは、半分、当たっていた。
やんちゃな坊ちゃんたち6人が、ヘルメットもつけずに、二人乗りで走っていた。
違っていたのは乗り物だった。
…………スクーター。しかもしっかり50cc。速度は目算でもせいぜい40kmを超えたくらい、だったのではなかろうか。
瞬間浮かんだのが、「バイクで二人乗りは事故ったらやばいぞ」でも「ヘルメットつけてないとコケたら死ぬよ?」でもなく、「原チャで二人乗りなんてそんな速度の出ないことして楽しいか!? せめて250ccでやってくれよ」だったというのは、やっぱり間違っているだろうか(苦笑)。
まあ、23区の比較的中心に近い道路をバイクでかっとばされても困るのだが。

 


2001. 4. 19

仕事で使っているとあるレイアウトソフトがいきなり不調を訴えはじめた。
ファイルを開き、修正して、保存をしたら、直後に書体が変わる。
慌ててファイルを閉じ、また開いたら、メッセージが出る。
『システムにインストールされていない書体を使っています。』
しかも、こともあろうに使っている書体全てを『足りない書体』として表示するのだ。
……んなワケ、あるかい。
そもそもそのファイルを作ったのも私のコンピューター上の、しかも同じソフトだ。
溜め息をついて一度ソフトを終了し、新たな気持ちでファイルを開くと今度は
『メモリが足りません。』
…………ウソをつけっっ!!
未使用メモリが100MB以上あって何が足りないんだ言って見ろ。
仕方がないので諦めて別の仕事に手をつけたが、まったくもって頭が痛い。
ファイルが無事なことを祈るばかりである。

というわけなのでよろしくお願いします、マックの神様・Sさん。(←ここに書くなよ)

 


2001. 4. 12

職場に、とある新製品栄養ドリンクのサンプルが大量に届いた。
10本入りのケース2つか3つでおそらくは1セット。それが、3箱。
「1ケース、持ってって配って」と頼まれて、自分のデスクの近くにいる同僚や先輩に1本ずつ配って歩いたのだが。
「はいコレ。新製品の栄養ドリンクらしいです」
手渡すと先輩は宣った。
「ナニ。無差別大量殺人目的?」
…………おいおい(笑)。
ウチの会社宛に届いた時点で『無差別』からは少し外れるように思うが?(ナニか違う)
「新製品のサンプルだって。届いたから配ってって。1本ずつ」
友人に渡すと彼女は言った。
「毒なんて入ってないよねー?」
…………だから(大笑)。
「まあ、もしキャップが開いてたらヤバいんじゃない?」
と返す私も私だろうか。
ちなみに、香料・甘味料はじめ人工的に味付けされたこの手の飲み物があまり得意ではない私は、『ヤバいかな』と思いながら飲んだら案の定その後微妙に気分が悪くなったが、それはあくまでも私の体質の問題であって、決して件の栄養ドリンクが悪いワケではないのであしからず。
某アルコール類をメインに扱う会社から出る、セ○ミン3000。オ○ナミンCのような味でした。

 


2001. 4. 7〜8

1泊2日で吉野と京都に行ってきた。
某HPの常連メンバーで、1年越しで計画を立てて、やっと実現したこの旅行。
好天に恵まれ、うまい具合に桜も見頃で、会話も楽しければ食事も美味しくて、本当に楽しい旅だった。
今回はネタが多かったので、久々に旅行記を書く気になっている自分がいる。
写真もたくさん撮ってきたので、それも併せて、春を楽しんでいただけると嬉しい。
週末にはアップロードするつもりでいるので、しばらくの猶予をいただきたく。

 


2001. 4. 4

4月3日、奈良県明日香村のキトラ古墳の内壁で、朱雀の壁画が発見されたそうだ。
98年の調査で既に発見されている北の玄武、西の白虎、東の青竜に、これで南の朱雀が合わさって、日本で初めて、壁画古墳に四神が揃った。
1300年の時を経てなお鮮やかな色を保つ四神。
この守護霊獣たちが、消え去ることがなければいい。

 


2001. 4. 2

3月も末の31日に雪が降って、「なごり雪にもほどがある」と苦笑しつつ、満開の桜に降りしきる雪などというまずもって見られないモノに、寒がりながらも見惚れたばかりだが、同じ日、北海道陸別町では低緯度オーロラが観測されたそうだ。
オーロラは普通北極や南極、シベリア、北欧、アラスカ、カナダなどの高緯度地域で見られるものだが、ごく稀に条件が揃うと、北海道ぐらいの低緯度でも発生する。
が、極地のそれほど色鮮やかでも華やかでもなく、肉眼では見えないことがほとんどなのだそうだ。
今年は33年に一度の、太陽活動の活発期にあたるそうで、オーロラも発生しやすいのだという。
ネットで見かけた低緯度オーロラ観測の記事に、カナダやアラスカの鮮やかなそれを、見てみたい想いを新たにした。

 


 

 

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