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2000. 4. 27
昨日のことになるが、夕方5時半を過ぎた頃、社内に香ばしいいい匂いが漂い始めた。
出張に行っていた方が、お土産にウナギを買ってきたらしいのだ。どうやらそれを焼いてつまみにして、ちょっとした酒宴が始まったらしい。
出張のお土産、それもみんなへのものとして、『焼く』という作業の必要なモノが選ばれることもあまりないだろうが、それをちゃんと焼ける会社というのもちょっと世間様的には『ナシ』だろう。普通ないぞ、会社の備品に魚焼き器なんて(笑)。
それで思い出したのだが……。
数日前のやはり夕方6時を過ぎた頃、頼んであった仕事を持ってきてくれた外注さんが、カバンを置いて開口一番こう仰った。
「なんか、いい匂いがしますねぇ」
夕方である。みんな小腹が空いている。さらに持ってきてウチの会社である。
「えっ、いい匂いですか? 何かまた焼いてました?」
私がこう返したのは、ほとんど条件反射に近かった。
だが、外注の営業さんは、ごく普通のサラリーマンであった。一瞬「えっ」と口ごもり
「いえあの……香水かなんかだと思うんですけど……」
……漂ってました。かすかに。誰かの香水の残り香が。ええ確かに。
「焼くんですか、何か、よく……?」
問われて素直に「ええまあ、はい」と答えたけれど。それにしても。
会社、夕方、いい匂いと揃って出てくる答えが『何か焼いてる』とは。
ええいっ、こんな私に誰がしたっ!?(^^;)(←勿論会社の人達だ・笑)
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2000. 4. 24 傷だらけの人生。
膝頭を思いっきりぶつけてしまった。朝のことだ。
ぶつけどころがいささか悪かったらしく、内出血した上に少しばかり腫れて、立ったり座ったりに鈍く痛んでくれたりする。
思えば物心ついたころから、生傷の絶えたことがない。
道で蹴躓いてすっころぶ。カッターや紙で指を切る。アイロンやフライパンで火傷する。腕や足をうっかりぶつけて内出血。階段の最上段から最下段まで転がり落ちたこともあれば、覚えていないが風呂に頭から突っ込んで危うくおぼれかけたこともあるらしい。
それでも不思議なことに、縫うほどの怪我をしたことがない。骨折したこともなければ骨にひびを入れたことも、捻挫したこともない。入院したことも、ない。
机の角に眉間をぶつけたり、川で泳いでいて流されかけたり、従姉に襟首を捕まれて引き留められた眼前30cmのところをトラックが通り過ぎたりと、思えば結構な瀬戸際をくぐり抜けてきていながらこれ、なのだから、悪運の塊と言われても仕方がない。
そういえば、自分は骨折したり骨にひびを入れたり大学の部活練習中に脳震盪を起こしたりと、こちらは色々やっている兄が、その昔私に向かって
「お前、たまにはちょっと大きめの怪我とか病気もやっとかないと、そのうちツケがたまりたまって命に関わるようなでっかいの、やるぞ」
と言ったことがある。その時私は確か
「だいじょーぶだいじょーぶ。そうならないように、にーちゃんよりもっと小分けにしてて、だからちっちゃな生傷がいっつもあるんだよ」
とか何とか冗談混じりに答えたはずだが……
ひょっとして、洒落になってないかも(笑)。
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2000. 4. 14
会社の先輩から聞いた話。
外線電話が鳴ったので受話器を取ったら、先方、まともな前置きもなくいきなりこんなことを宣ったのだそうな。
「あ、○○(会社名)さん? ベンチどうする?」
……そんなこといきなり言われても(^^;)。
何のことやら判らず「はい? え、え〜とあの、もしもし?」と訊き返したら、やっと
「あ、Kさんいる?」
と、目的の人物を名指しなさったのだとか。
撮影用のセットのコーディネーターさんか、リース業者さんだろうとは思うのだが……いくらなんでも話の順番間違っちゃいませんか、おぢさま(^^;;;)。
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2000. 4. 8
チケットが手に入ったので、ドラちゃんさんと2人して上野・東京国立博物館で開催中の国宝展に行ってきた。
土曜日、そして桜の盛りの上野とあって、ものすごい人出。まあそれは予想の範囲内だったのでそれほど驚きも同様もせずに国立博物館に入ったのだが……。
混んでましたねぇ、ホントに(^^;)。有名な展示品の前ではどうしてもみなさんゆっくりと進まれるので、歩みは牛よりものろい。鳥獣戯画のあたりなんて、ほとんどカタツムリ。でもゆっくり見たいのは私も同じだったので、実はコレが非常にありがたかったのだ(笑)。
さすが『国宝展』だけあって、出品されているのはどれも貴重な品ばかり。
吉祥天女像に見惚れ、鳥獣戯画を心ゆくまで堪能し、風神雷神図屏風に圧倒されつつ剽軽な表情に和む。数々の流麗な書跡にうなり、曜変天目茶碗に見入る。至福の時間である。が。
そこは私達。やはり妙なツボを見つけてしまうのだ、困ったことに(笑)。
空海さんの手蹟になる『灌頂歴名』(なにやら儀式に参加した坊さまの名前を列記してあった)に対しては
「なんか……結構適当に書き散らしてあるよね」「間違ったところとか、そのまま墨で塗りつぶして横に書き直してあるしね」「儀式の参加者名簿だから、自分達が判ればよかったんじゃない? 空海さんだって、ヤローの名前書き連ねてもあんまり嬉しくなかっただろうし」
などと、不謹慎かつ不届きなことこの上ない。(ああ、ごめんなさい、お大師さま……)
更にツボだったのが出品されている国宝名の英訳。
『茶碗』を『Tea
Bowl』と訳すのは、まあ仕方ないとしても……
すみません、お願いですから『神輿』に『Portable
Shrine』はやめてください(^^;;;)。力抜けます。
一通り見終わっての一番のお気に入りは、やはり何と言っても鳥獣戯画。
ちゃんと動物としての体格は保ったまま、泳いだり弓を引いたりしているのが楽しい。現在(4月16日まで)展示されているのは甲乙丙丁全4巻のうちの甲の巻なのだが、展示されている部分のなかに、鼻つまんで背中から水に飛び込もうとしているウサギがいるのだ。これがもう、なんともいえず、仕草が人間くさくて面白くて!
結局、その場面ではないものの、同じ鳥獣戯画の一場面が印刷されているレターセットを購入してしまった(笑)。
混んでいたけれど、でもって人も洒落にならないくらい多かったけれど、桜も満開で、行った甲斐のあった展覧会だった。
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2000. 4. 7 夜桜の宴
毎年恒例の会社の花見が、今年も満開の桜の下で開催された。
本当なら手作りのおでんがあって、やはり手作りのサンドイッチがあって、熱燗もあって……という、ある意味『破格』の花見になるのだが、今年は残念なことにみんな結構仕事が詰まっていたため、おでんもサンドイッチもなし、の、少しばかり淋しいメニューとなってしまった。
が。そこはやはり根性で、豚汁だけはちゃんと用意されていたのだな、これが(^-^)。
私もばたばたしていたので、現地に到着したのは19時過ぎ。既に社員や仕事相手の方々など20人以上が集まって、すっかり盛り上がっていた。
他の花見客は街灯だけを頼りにして、賑やかながらもどこかにひっそりとした雰囲気があるのだが、うちの会社の花見は違う。
持参した3つのランタンが辺り一帯を照らしている。カセットコンロでは寸胴鍋に豚汁。通り過ぎる人達から口々に、羨望と感嘆の言葉が漏れる。まあ、カセットコンロはともかく寸胴鍋で料理を持ち込むなんて、会社が近いから使える技、なのだろうけれど……
ふっふ〜〜ん、いいだろう♪(ちょっと自慢げ)
食べて、飲んで、喋って、満開の桜を眺めて、楽しむこと約3時間半。
ここからが、また違った意味での本領発揮である。
10時を過ぎた頃、誰からともなく「そろそろ」と空き缶やゴミの回収が始まる。そして
「撤収〜〜!」
幹事の号令一下、撤収作業。
ゴミを集め、空き缶を集め、ビニールシートを折り畳み、余った酒・つまみをまとめる。ランタンを片付けカセットコンロや寸胴鍋を手分けして持って、「さあ、帰ろうか」となるまでに、15分とかからない。
立つ鳥後を濁さず、だ。
ちなみに、三々五々、荷物を持って会社に戻ったら、その後余った酒とつまみで、有志による『2次会』が開催されたようである。
ま、それはさておき。
人も料理も少な目の花見ではあったが、楽しい花見でありました。
そういえば、笑い話がひとつ。
横に広い私達の花見スペースの丁度真ん中あたりにいらした男性が、途中でお帰りになったのだが、
「おつかれさまでした〜」「お気をつけて〜」
とみんなで拍手して(笑)見送った後、私の周り10人ほどが一斉に顔を見合わせて
「……で、あの人、誰?」。
やはりこの花見に参加していた、数年前に退職なさった方のお知り合いだったらしいのだが。
次の瞬間全員が「アリなのかっ!」「そうか、ここで誰だか判らない人がいても平気ってことは」「他で同じ事やっても大丈夫ってこと!?」「じゃ、行こうか。美味しそうなお料理のあるところ探しに。で、見つけたら、こんばんは〜〜って潜り込むってどう?」
いや、勿論実行には移さなかったけど。
半ば本気で言ってたよな、あれは(笑)。
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2000. 4. 3
外で美味しい中華料理(ちなみにフカヒレ中心の、薄味美味なお料理でした)を頂いて、帰る途中の電車の中で、いきなり私の耳に、カップルらしい男女のこんな会話が飛び込んできた。
「『まっく』って聞いたら『マクドナルド』、『すかじー』って聞いたら『スカイラインのラジエーター?』って思うボクに、コンピューターなんて使えるワケないじゃんねー」
……『まっく』でマクドナルドは判るが、『すかじー』で『スカイライン(察するに、某社の乗用車の一車種を指すのだろう)のラジエーター』と連想してくる方が、難しくないか、おい?
危うく横からつっこみそうになるのを理性で踏みとどまったところに、今度は女の子の方が
「あたし、一人暮らし始めるから、炊飯器を炊くの覚えなくちゃー」
……炊けるもんなら炊いてみろ!
こちらも何とかつっこみたい衝動は押さえ込んだが、何だか、理性を試されているのかと思ってしまった(^^;)。
ええ、いらぬお節介だとは判っているんですけどね。
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2000. 4. 1
各地でサクラの開花宣言が聞かれるようになって、今年もお花見シーズンの到来である。
東京でもつい先日、3月30日にソメイヨシノの開花宣言が発表された。
会社恒例の花見を告知するポスターが張り出された、その日のことだ。あまりのタイミングの良さに、ラジオのニュースを聞きながら笑ってしまった。
ご近所では、まだ2分咲きくらいにしかなっていないのに、早々と公園のサクラをライトアップした上、机やパイプ椅子を公園に運び込んで、どうやら町内会のお花見をやっているらしい。2日には屋台も出して、桜祭りをやるのだとか。
世の中に 絶えて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし
なんていう和歌は、裏を返せばそれだけ日本人が昔から桜の花が好きで、やれ咲いたの、やれ散ったの、と、一喜一憂してきたことの証だろう。
春宵一刻値千金。
しばらくは、会社帰りに遠回りして夜桜を眺めて歩く日々である。
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