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2000. 2. 28
多事拾遺掲示板にも書いたが、夢枕獏さん原作・岡野玲子さん画『陰陽師』のイメージアルバムを買った。雅楽を基調とした、CD2枚組のアルバム。
白状する。
Disc
1を聴いた瞬間、鳥肌が立った。解説を読んで更にくらくらした。
最初に収録されているのは『調子・品玄』、つまり音あわせである。これが、単なる『音あわせ』じゃないのだ。笙、笛、太鼓と、音が重なって見事な曲になる。
それだけでも聞き惚れるのに、この『調子』、『品玄』に添えられている「こういう気持ちで演奏しなさい」という但し書きがすごい。
『双調 調子--秋草の花咲き乱れたる中に幽玄なる男の刀に手をうちかけて立つる如く』
『双調 品玄--樹に金銀の花開花する如く』
「秋草の花咲き乱れたる中に幽玄なる男の刀に手をうちかけて立つる」「樹に金銀の花開花する」!
それだけで一枚の絵になるじゃあないか。
つまりは、演奏する側に、そういう情景を思い浮かべ、また再現することを要求しているのだ。こんな『音あわせ』、聞いたことがない。少なくとも西洋音楽のチューニングでは、音あわせにこんな要求は出ないだろう。
深いぜ、雅楽!
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2000. 2. 25
仕事で社外に出向くのに、営業さんの車に同乗させてもらったら、首都高の入り口で笑えるネタを拾ってしまった。
料金所でのことだ。
丁度回数券が切れていたようで、営業さんは「回数券ください」と係りのおじいさんにお金を渡したのだが。
そのおじいさん、おもむろに回数券の束から一枚を切り取って、「はい」と営業さんに、おつりと切り取った一枚の回数券を差し出したのだ。
もちろん「ああっ、すみません!」と慌てて束の方を差し出してくれたのだけれど。
いいボケだったよ、じーちゃんっ!(笑)
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2000. 2. 20
またまた今更なのだが。
今年は閏年である。2月は29日まである。
4年ごとに巡ってくる一般常識である。
が、今年は、例外中の例外であるらしい。
なんでも、4年に1度の閏年をずっと繰り返していると、実際の公転周期よりも暦上の日数が多くなるので、100で割れる年は閏年にしないのだそうな。
ところが、そうやって4で割れるのに閏年にしない例外を繰り返すと、今度はまたまた暦上の日数が実際の公転周期より短くなるらしい(え〜い、ややこしい・^^;;;)。
というわけで、400で割れる年は、例外中のさらに例外で、閏年にするのだとか。
「は〜、なるほど。色々面倒だねぇ」と感心する傍らで、いつそれが判っていつからその例外中の例外を作っているのかにちょっと興味が湧く辺り、私も大概性格が曲がっているかもしれないな(苦笑)。
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2000. 2. 19
地元にいる友人からの情報によれば、去年の6月に結婚した幼なじみ、今年の6月に子供が産まれるらしい。
で、友人達(2人)に、
「あのね〜、出産祝い、チャイルドシートがいい〜」
とねだっているのだそうだ。
4月から、車に装着してなくて子供乗っけてたら、道交法違反で減点罰金だからね。
ていうか、車が必需品の生活してるんだから、親としては子供の安全のために用意しておくべきものだけどね。
んが。このチャイルドシート、子供のためを考えて良いのを買うと、結構なお値段になるのである。多分2人の共同出資で買うにしてもちょっと辛いのではなかろーか。
まあ、その2人も仕事をしていて独身で親と一緒に住んでいるので、少々高くても大丈夫ではあるのだが、あまりに気軽に言うので
「あたしたちは別にいいけど。でも○田、いいの? あたしたちが結婚して子供生まれたら同程度の物をお返ししてもらうよん♪ 子供が出来たら今よりお金かかるのに、大丈夫?」
とちょっと脅してみたら、夫婦揃って蒼ざめたとか(笑)。
因果応報ってことだよ、○田夫妻。(←ちょっとかなり意味が違う・笑)
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2000. 2. 16
浅田次郎さんの『満天の星-勇気凛々ルリの色-』と、三浦友和さんの『被写体』を続けて読んだ。
『満天の星』は、浅田さんのエッセイ集『勇気凛々ルリの色』シリーズの4冊目にして、ひとまずの最終巻。『被写体』は、三浦友和さんの体験を綴ったエッセイ集……というか体験談というか、そんな本。
どちらも、考えさせられることが多い。
『満天の星』では浅田さんの文章にいつもながらはまって、爆笑したりほろっとさせられたり頷いたり。相変わらずの人前読書禁止作家だ(笑)。
『被写体』では、三浦さんと一緒にマスコミ --
いわゆるワイドショー番組の芸能レポーターとか写真週刊誌の取材陣とか
-- に、改めて怒りを覚えた。
『有名人にプライヴァシーは無い』などとうそぶく輩がいるけれど、そうだろうか?
確かにゴシップの好きな人達はいるけれど、だからといって日常生活に支障を来し、精神的な苦痛を与えるようなことまで許されるものだろうか。
ほっといてやれよ、と、少なからず思う。
ゴシップ好きな連中がどれだけいるのか知らないが、勝手にその連中を『一般大衆』というカテゴリーにまとめて「みんな知りたがってるんですよ」などと、いかにもそれが正当なことだと言わんばかりの理屈を振りかざすのはそろそろやめにしないか。
まあ、最近は少しはマシになっているらしいけど(でもホントに少しだよな・苦笑)。
でも、この2冊を連続読破して一番びっくりしたのは、浅田さんと三浦さんが1歳しか違わない、ってことだったりして(^^;;;)。
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2000. 2. 12
15年前日本中を揺るがせたグリコ・森永事件の、最終時効が、13日午前0時を持って成立したそうだ。
今になってみれば、「そういえばそんな事件もあった」だが、当時列島に走った衝撃は大きかった。
店頭に陳列してあるお菓子に青酸カリを混入させ、それで業者を脅して金を奪おう、というのだ。冗談ではない。子供心にも、「とんでもねー」と思ったものだ。あの事件からしばらくの間、中身が個別包装されているポッキーやその類の箱入り菓子が、軒並みセロファンで更に包装されていたのを覚えている。
事件は、犯人の一方的な活動停止宣言で収束し、15年目のこの日を迎えた。
捜査態勢に、不備もあったのだそうだ。縦割り機構の弊害、というものであるらしい。
今も変わらない体質に、「やれやれ」と溜息をこぼしたりもするけれど、それでも。
ターゲットにされた企業、そして捜査にあたった方々は、さぞかし無念だろうと、そう思う。
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2000. 2. 10
今更な話。
世間様でちょっとした話題になった『ミレニアム婚』。
「まあ、そういうイベント好きだねぇ、みんな……」と苦笑しつつも微笑ましく思っていたのだが、結構身近なところにこのミレニアム婚の当事者がいた。
高校時代の友人、O(男。ゼロにあらず。オー、である)。
昔からそういうイベントが(というか、イベントにからめて何かするのが)好きなヤツだったが、まさか結婚でそんなイベントかますとは(笑)。
どうせなら、『記念』好きの本領を発揮して、ミレニアム婚に続いてミレニアムベビー、21世紀ベビーまでやってくれないだろうか。
な〜んて。他人事だと思って好き勝手言ってるよ、自分(笑)。
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2000. 2. 8
念願の雪を見た。
会社のエントランスで見上げた空は、曇ってはいても雨も雪も降っていなかったのだけれど、電車を降りて最寄り駅から外に出ると、外は吹雪。
「うわぁ〜〜」と呟いた声に喜色が混じっていたのは、まあ雪好きのコトと許していただきたい。
傘をさそうかと思ったが、四方八方から -- 時には下からも --
飛んでくる雪に敬意を表して、やめた。
北海道のパウダースノーなら、服に積もっても払えばさらさらと落ちて行くのだが、東京の雪ではそうはいかない。お陰で、買い物を終えて(するなよ、だから・笑)帰宅した頃には、コートもスラックスも髪の毛も、良い具合に湿っていた。
それでも風邪の兆候のかけらもないのだから、我ながら丈夫なものだ。
雪は、日付が変わる頃には止んでいた。
積もったところを見られなかったのが、少しばかり残念ではある。
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2000. 2. 1
1月は『行く』、2月は『逃げる』、3月は『去る』、という。
2月を除けば、別段他の月より短いわけでもないこの3ヶ月(1月と3月は31日まであるのだ)を、殊更に短く感じてしまうのは、何故だろう。
1月は判る。正月を迎えた慌ただしさから日常に立ち戻れば、もう月の前半が過ぎている。2月が短いのは太陽暦を使い始めて以来のお約束である。
…… 3月は?
年度末というのは関係ありだろうか? 春分までは昼の方が短いからか。
それとも、春を待つ人の心が、そんな風に感じさせるのだろうか。
2月の異称は『如月』。広辞苑によれば、その語源は『生更ぎ』で、草木の更生することを意味するのだそうだ。
だが、それは、陰暦の話。現在の暦では、2月はまだまだ冬の最中である。
『生更ぎ』の時を待って、ほとんどの草木はいましばらくの眠りの中にある。
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