2000年1月の私淑言

 


2000. 1. 30

NHK特集『世紀を越えて』を、初回から欠かさず見ている。
今夜のテーマは、「電脳社会・闇の侵入者」-- サイバーテロだ。
ネットワーク化の進んだアメリカ社会において、ハッキング行為は日常茶飯事。主要国家機関への不正アクセスの試みは、年間25万回にも及ぶという。
折しも日本官庁のホームページのデータがハッカーの不正アクセスによって改竄されたばかりである。
国家機密の盗難から、航空・列車管制の混乱、個人情報の盗難、流出、悪用。
ハッキングによる公私の危険は、『日常生活とは無縁』とたかをくくるにはあまりに大きい。
FBIや軍、そして国家機関の一部としてサイバーテロ対策専用の組織を持つアメリカは、それでも起こりうる最悪の事態を予測して、『アメリカ社会はサイバーテロに対して脆弱』だと言い切り、大幅な予算を組んでさらなる対策を講じようとしている。

-- 日本は?

ネットワークにこうしてアクセスしている以上、私達だって、サイバーテロと無縁だとは言えない。けれど、そういう危険に対する認識を持つことで、守ることの出来るものは、少なくはない。
パスワードの管理、そして情報の管理。それだけのことをしっかりやるだけでも、守られるものは大きい。

とても便利なこの電脳空間が、同時に併せ持つ危険を、心に刻むために。
この番組の再放送があったなら、見ておくことを、お薦めする。

 


2000. 1. 17 あれから5年

1995年1月17日、西の大地が揺れた。
阪神・淡路大震災。
次々にテレビ画面に映し出される被災地の状況に戦きながら、兵庫や大阪に住む伯父達の家に安否を尋ねて電話をかけたことを、郷里の親戚筋の誰がかけても関西方面への電話が一向に繋がらなくて泣きそうになっていた母の声が「繋がったよ。無事だって」という私の言葉で安堵の涙に潤んだことを、今でも鮮明に覚えている。
あれから、5年。
テレビや新聞のインタビューに応える神戸の方々の多くが、「まだ5年」だと仰る。
あの時何が起こったのか。あれから何がどうなったのか。今、どうなっているのか。
心に留めるべきことは多く、学ぶべきこともまた、多い。
1400万を越える人口を抱えるこの東京で同じ事が起こったら、どうなるだろうか。
救援の手がすぐに届くとは、まず考えられない。
不味い水が嫌いだ、という理由で買っていたミネラルウォーターの買い置きの本数が、あの時以来、だから増えた。
次は、東京。いつか、関東。
そんなことを考えながら、私は今、お茶を飲んでいる。

 


2000. 1. 15

今日から2日間がセンター試験、なのだそうだ。受験シーズンも本番である。
思い起こせば○年前 …… 私が受験した年のセンター試験の様子を報じた地方新聞には、こんな見出しがついていた。

「緊張感なく」。

そりゃまあ、私の仲間内は図太いのが多くて、直前に蒼ざめて単語帳開いてるようなヤツはいなかったのは確かだが …… わぁ〜るかったなあ、和んでてよぉ(^^;)。
いーじゃねーか、ガッチガチに緊張してるより、よっぽどっ!
しかも間の悪いことに、その見出しの下で記事を飾っていたのは、私と友人達の後頭部、だったりしたのだ。
お陰で、夜、母に電話で怒られました。
「まったくもう、緊張感なく、なんて恥ずかしいったら。だらだら喋ってたんでしょう!」
喋ってなかったとは言わないが、まるっきりの言いがかりである。
記事を書く記者さんも、言葉を選んで欲しいモノだ、と、しみじみ思った。

 


2000. 1. 11

年末年始の休みに有給休暇をプラスして東南アジア旅行に出かけていた会社の先輩。
「はい、お土産」
と、食物置き場と化しているとある人のデスクに置いたモノは
…… ドリアンチップス(異臭を放ちそうな色にしてみました・笑)
かの有名な果物の王様を、スライスして油で揚げ、塩をふったモノであるらしい。
袋を開けた瞬間にものたうち回りそうな気がして(実際、買ってきた先輩もそれを期待していたらしい・苦笑)、午後も遅い時間になるまで開封されなかったのだけれど。
が、開けてみると(ちなみに開けたのも、買ってきた先輩自身だった模様)、意外なことに怖れていたような匂いはなく、ついでに味もまるでピスタチオナッツのような、ごくあっさりしたものだった。
しかし、みんなして「なんだー、普通じゃない」という声に、どこか残念そうな響きがあったのは …… やっぱりみんな、同じ事を期待していたんだろうなぁ(^^;)。

 


2000. 1. 9 ハッピーマンデー

今年から、ハッピーマンデー制度、というのが実施されている。
1月15日の成人の日と、10月10日の体育の日を、それぞれ1月と10月の第2月曜日に回して、連休を増やそう、というのだ。
明日、10日はその第1回目、なのである。
そういえば去年の12月、2000年のカレンダーを見た会社の友人・先輩・チーフ方、
「ねえ、この1月10日が休みになってるのって、間違いだよねぇ?」
と自信たっぷりに宣っていたのだが。
んなわけあるかい(^^;)。
…… 法律改正を、知らなかったんですね ……?

雨の日と月曜日は憂鬱だ、と歌ったのはカーペンターズだ。休みが終わって、また学校や仕事が始まる月曜日には、憂鬱、という印象が、とかくつきまといがちである。
だからこそ、わざわざハッピーマンデーなんて名前をつけたのだろう。
政府としては、連休が増えることでレジャーや旅行に出かける人が増えるのを -- つまりはその経済効果を期待しているようではあるが、ともあれ。
今年成人する方々に。

成人する、というのは、なかなかどうしてそれに伴う義務が増えたり責任も増したりと色々あって、ただ嬉しいだけではありえないけれど。
あなた方の未来に幸多きことを、心から、願ってやまない。

 


2000. 1. 7 むかしの名前は『ゆめもぐら』

今朝の新聞を見ていて目が点になった。
建設中の臨海副都心線に関して、こんな文字が踊っていた。
『公共交通、大江戸線に続き、バブルのツケ』。(1月7日付読売新聞朝刊)
大江戸線とは、年内全面開通予定の地下鉄・環状線のこと、であるらしい。
聞くところによると、公募までしてゆめもぐらという愛称を決めておきながら、現都知事の石原さんが文句を言い始め、ごり押しでこれに改名されてしまったのだそうな。
それにしても …………… 大江戸線(^^;;;)。勘亭流で大書したくなるぞ。
いくら両国界隈を通るからってそんな、まるで『大江戸捜査網』(そんな時代劇があったんです、その昔)みたいな名前を付けなくても ……。
ひょっとしたら、それに絡めて線路内立入禁止の警告はこうなったりするんだろうか。

 無断で線路に降りないで下さい。
 死して屍拾うものなし。
           --大江戸線

 

 ………… 正月早々縁起でもない。いい加減にろ、自分(^^;)。

 


2000. 1. 3 

Y2Kやエリツィン大統領の辞任劇に世間が沸いている間に、2000年の幕が開けた。
個人的には、高岡さん、祐さん、ドラちゃんさん、睦月ちゃんと一緒に、王子稲荷の狐行列を見物しながらの年越しだった。
相も変わらぬお喋りをして、食べて、(お茶を)飲んで、また話して……。
とても楽しい時間だった。
が、『年越し』としてどうだったかと言われると、正直な感想を言えば……あっけない。
「新年って感じがしない」とは、一緒に新年を迎えた5人共の共通意見だったりするのだ。
年末、色々ばたばたしていたせいかもしれない。
ともあれ、新しい年がやってきたのだ。

今年も、楽しい年にしよう。

 


 

 

今月の『私淑言』へ  『おしながき』に戻る