WIENER PHILHARMONIKER
GROSSES FESTSPIELHAUS
Freitag, 17. August 2001, 11.00 Uhr


Joseph Haydn
Symphonie G-Dur Hob.I:94, "Mit dem Paukenschlag"

Pause

Anton Bruckner
Symphonie Nr.6 A-Dur

Wiener Philharmoniker

Dirigent Riccard Muti

Live-Hoerfunk und Fernsehuebertragung
im Programm Oe1 und in ORF2 am 15. August 2001



●演奏3日目

今日は音楽祭オフィスに用事があり楽屋口に行くと封鎖されていました。所用を告げ
て中へ入れて貰うと、何とムーティがモルティエから花束を手渡されお話中でした。
マズイと思いつつ目立たないようにその横をすり抜けて2Fオフィスへ。漏れ聴こえ
てきた英語の会話では表面的には仲が良さそうでした。それから30分後、コンサー
トが始まりました。ちょうどゲネプロを含めて3回目となりますが、今日の座席は平
土間20列目とオーケストラ全体を俯瞰する位置でした。そのためかサウンドのバラ
ンス感はとても素晴らしく、最初のハイドンから流麗で豊かな響きを堪能できました。

ブルックナーも前回の演奏以上に伸び伸びとして開放的。イタリアの陽光を浴びるよ
うな明るさ輝かしさすら感じられる演奏で、渋く無骨なブルックナーとはまた違った
味わいです。特にブラスは朗々と響く迫力。スクロヴァチェスフスキーのCDなんか
と比較すると響かせ過ぎと感じるかも知れませんが、音の充実感は大したものでした。
特にウィーンフィルならではのサウンドで素晴らしいと感じたところは、第1楽章1
29小節からのフルート、オーボエ、クラリネットのパッセージ。甘く郷愁を帯びた
音色が堪りません。それにアダージョ25小節の弦が歌う箇所の温かみは心に染み入
る音の絨毯のようでした。ホルンが狩の合図のように掛け合う箇所などまさにウィン
ナ・ホルンの醍醐味。原典稿ノヴァーク改訂版を忠実に敬虔素朴というよりもパワフ
ルさで圧倒するブルックナーでした・・・


●新聞記事
ザルツブルガーナハリヒテン8/16付けにムーティのアマデウス・オーストリア・
ムジーク・アワードの受賞の記事が載っていました。ニューイヤーコンサート200
0に対するもので、授賞式は8/15の祝日マチネ後に行われたそうです。写真はガ
ラス製のドライツァーク(ギリシャ神話ポセイドンの三叉のほこ)が授与されている
場面。またWokenloser Himmel(雲ひとつない晴天)と題されたコンサート評は、ブ
ルックナーではムラのない明るい輝かしさ。その響きは室内楽的であって決して透明
さを失っていないし、色彩はパステル。沢山のモティーフを巧みに捌いて、各セッシ
ョン毎の色彩を巧みに描くことでオルガン・トーンを作り出していたと。ムーティと
ウィーンフィルの奇跡的な素晴らしさとコメントされていました。またハイドンでは
音の軽やかさとテンポの速さにポイントがあってメヌエットのしなやかさを指摘。特
にフィナーレはメンデルスゾーンのイタリアを先取りするかのような演奏でドイツの
ローマにおける晴天と形容。

コンサート評にあるように、ムーティ&ウィーンフィルの2回のマチネは晴れ晴れと
した爽快な演奏でスカッとしました。それにしてもゲネプロでハイドンの方が徹底的
に練習していたことからもハイドンのシンフォニーは単純なだけに演奏がとても難し
いものなのですね。いろんな指揮者のCDで驚愕シンフォニーを聞き比べても、単純
なスコアからこうも違ったニュアンスが出せるのかと感心しました。