Giuseppe Verdi
DON CARLO
Oper in vier Akten nach Friedrich Schillers gleichnamigem Drama

Text von Josphe Mry und Camille Du Locle

Vieraktige italienische Fassung von 1884
GROSSES FESTSPIELHAUS
15. August , 18.00 Uhr
Musikalische Leitung Lorin Maazel
Regie, Bhnenbild und Kostme Herbert Wernicke
Dramaturgie Albrecht Puhlmann
Choreinstudierung Donald Palumbo
Filippo II Ferruccio Furlanetto
Don Carlo Neil Shicoff
Rodrigo Thomas Hampson
Il Grande Inquisitore Anatoli Kotscherga
Un Frate (Carlo V) Franz-Josef Selig
Elisabetta di Valois Marina Mescheriakova
La Principessa Eboli Olga Borodina
Tebaldo Gale Le Roi
La Contessa dAremberg Ursula Pfitzner
Il Conte di Lerma Guy Renard
Un Araldo Reale Ilya Levinsky
Una Voce dal Cielo Diana Damrau
Flandrische Deputierte Markus Eiche
Souren Chahjan
Berd Hofmann
Hannes Lichtenberger
Friedrich Springer
Wiener Philharmoniker
Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor
Bhnenmusik: Mozarteum Orchester








ヴェルニケのドン・カルロはプレミエの年に1度見ていて、マゼールの重厚な演奏に
大いに盛り上がりました。今回もマゼール&ウィーンフィルで、マゼールの棒も前回
よりも冴えを見せて緊迫感一杯のサウンドを展開。平土間最前列の中央でちょうどマ
ゼールのひとつ右の座席でしたから、彼の鬼気迫るタクトに圧倒されそうになりまし
た。コンサートマスターはキッヒュルさんで、幕間にも他のメンバーに譜面上の指示
を与える熱心さ。

キャストはニール・シコフ(ドン・カルロ)、ロドリーゴ(トーマス・ハンプソン)、
エボリー(オルガ・ボロディナ)、フィリッポ2世(フルッチョ・フルラネット)、
エリザベッタ(マリアナ・メシェリアコーヴァ)と前回を遥かに上回る豪華さ。さす
がに凄すぎる内容でした。特にボロディナ、ハンプソン、シコフの三重唱の場面は卒
倒しそうなくらい興奮しましたし、この昂揚感はイタリアオペラ、ヴェルディ演奏の
中でも最高ではないかと。今年5月のホールオペラ「ドン・カルロ」も素晴らしかっ
たですが比較にはなりません。やはりザルツでこれだけのキャストが揃うと奇跡が生
まれるのですね。

ヴェルニッケの演出は好き嫌いが分かれるようですが、小生はこのシンプルな舞台が
好きです。実のところ、前回見たときはボリス・ゴドノフのような圧倒されるような
迫力に乏しいと感じていたのですが、改めて見ると、実に素晴らしいです。電極のよ
うな針が左右からドッキングする場面も、処刑への行進の場面も、合唱をステージ背
面に2次元的に配列する手法にもヴェルニッケならではで、ドラマと一体になった簡
素さがヴェルディの音楽を盛り上げているように感じました。ハンプソンやフルラネ
ットの圧倒的な演技も素晴らしく、エリザベッタを歌ったメシェリアコーヴァ、やや
声量不足に感じましたが、歌のニュアンスがとても良かったです。最強キャストによ
るドン・カルロは最高中の最高でした。



フェストシュピーレ・マガジンでは「リリックさドラマチック、才能とドラマトゥル
ギーへの興味」といった表題でハンプソンの記事がありました。今年の春にはアンフ
ォルタスを歌ったそうで、既にラインゴールドのヴォータン役の声がかかっていると
か。2002年のザルツブルクではアルノンクール指揮でドン・ジョバンニを歌うな
ど益々楽しみですね。なおハンプソン・プロジェクトは面白そうな企画でしたが、オ
ペラとバッティングして聞けなかったのは残念でした。