WIENER PHILHARMONIKER
GROSSES FESTSPIELHAUS
Mittwoch, 15. August 2001, 11.00 Uhr


Joseph Haydn
Symphonie G-Dur Hob.I:94, "Mit dem Paukenschlag"

Pause

Anton Bruckner
Symphonie Nr.6 A-Dur

Wiener Philharmoniker

Dirigent Riccard Muti

Live-Hoerfunk und Fernsehuebertragung
im Programm Oe1 und in ORF2 am 15. August 2001





●ゲネプロ(8/14)
コンサート前日の8/14に行われたパトロン・リハーサルへ行ってきました。時間
が16時と変則なのに加えてウィーンフィル全員がジャケット姿に着替えていました。
これは19時にCosiが祝祭小劇場であるため、そちらへ直行しなければならない
からでしょう。で、ORFのカメラも入っていて明日のライブ中継の調整も行ってい
ました。颯爽と登場したムーティもネクタイ・スーツ姿でまるでコンサート本番とい
った感じ。

最初にブルックナー6番が通しで演奏されましたが、今更のことながら、何と豊穣な
響きなのかと改めてウィーンフィルの底力を聞かされてしまいました。とてもソフト
な弦と輝かしく厚みのあるブラス。木管群の芳しく甘い響き。これらの溶け合いの妙
が実に壮大で美しいブルックナーとなるのかと感嘆するのみです。ほぼ1時間のシン
フォニーが演奏されてから、細部に渡ってムーティの指示が出されました。コンサー
トでは眼鏡をかけないムーティも、スコアに目を通す時は眼鏡を。その姿はとてもク
ールでダンディでした。さすがにムーティとウィーンフィルの意思疎通は素晴らしく、
簡単なコメントだけでリハーサルがどんどん進みました。

30分ほどの休憩の後、ハイドンの交響曲94番「驚愕」が一通り演奏されました。
これもブルックナーとは違ってとても典雅でまさにウィーンのハイドンを思わせる躍
動的な演奏でした。4つの楽章の持ち味をこれだけ演奏できるオケはそうざらには無
いでしょう。シンプルなパッセージながらも、これだけ味わい深い表現ができること
にまたまた驚嘆。さてこれも簡単にリハが終わるかと思いきや、これが結構大変なリ
ハーサルとなりました。特にフィナーレの4楽章は徹底的にフレージングや弓使いに
至るまで念入りに手入れが。コンサートマスターのヒンクさんを始め、弦の各パート
奏者は楽譜に書き込みを。全体的なデフォルメはピアノとフォルテにあって、38小
節目のfを強調。75小節目のpでムーティ自身が体を下げてサウンドを押さえると
いった場面がありました。それから弦と管楽器への指示から響きは一挙にまろやかに
なってさらに豊かで柔らかい弦。そしてきびきびとしたリズムが生きてくる感じで、
さすがにムーティのゲネプロは凄いです。第4楽章、再現部第2主題からフィナーレ
へ推移する226小節から急激なデクレッシェンドを利かせながら、234小節のフ
ォルテを一気に開放する爽快感は最高で、畳み込むような迫力あるハイドンに仕上が
りました。またリハーサル中は客席から携帯電話が鳴る場面があって、ムーティが客
席に向かってムーティ自身の携帯が鳴ったのかなぁとジョークするような場面もあっ
て、終始和やかな雰囲気がありました。

●演奏会1日目(8/15)
それで8/15の朝11時の本番。天井から沢山のマイクが垂れ下がり、ライブ中継
のため客席も眩しくライトアップされていました。今日の席も平土間最前列中央でし
たがブルックナーを聞くにはちょっと近すぎる感じ。それでも素晴らしいサウンドで
した。ハイドンはかなり念入りのリハーサルだったので、今日の演奏がとても楽しみ。
さすがにゲネプロの効果があったか、さらにまろやかで調和と躍動を感じるハイドン
でした。たっぷりと弦を響かせ、第2楽章のびっくり部分もメリハリ十分。それにフ
ィナーレのエネルギー満ち溢れる演奏の素晴らしさ。ブルックナーも朗々と響くサウ
ンドに祝祭大劇場は大伽藍と化し、第2楽章の心に迫る情感の見事さに感動。全てが
ムーティ快心の演奏といったところでした。8/17のマチネにも同じプロを聞くの
が楽しみです・・・