ERZAEHLTE MUSIK
Edvard Grieg
PEER GYNT op.23
Musik zum Schauspiel von Henrik Ibsen
Dirigent Manfred Honeck
Peer Gynt Bo Skovhus
Solveig Barbara Bonney
Anitra Inge Kosmo
Ase Wenche Foss
Der Krumme Sverre Anker Ousdal
Die Gruengekleidete Jane Mason
Drei Saeterinnen Eleanor Meynell,
Elizabeth Poole,
Alison Smart
Der Dieb Simon Birchall
Der Hehler Stuart Maclntyre
Goeteborgs Symfoniker
Hardanger Geige: Joar Skorpen
BBC Singers
(Chorleiter: Stephen Betteridge)
Kuenstlerische Koordination und Produktion
Lennart Dehn


KLEINES FESTSPIELHAUS
Sonntag, 12. August , 19.30 Uhr




8/12予約したタクシーで朝6時にマチェラータを出発。途中、丘陵地帯に昇る日
の出がとても幻想的でした。6時45分にアンコーナ空港到着。あとはミュンヘンへ
向かうだけ。それでLHと共同運航を行っているDoromitはサービスが行き届
き食事の質も良かったです。今日も天気が良くて眼下にヴェネチアが望め、その入り
組んだ地形がよく見えました。航路はインスブルック方向を目指していて左右に何層
にも連なるアルプスに差し掛かりました。左側はモンブランまで連なる壮大な景色。
約1時間半のフライトで午前10時頃にミュンヘンに着陸。次は11時半のザルツ行
きLHバス便に乗り換えです。で、バス乗り場はちょっと分かりずらくて、Sバーン
近くのエリアZ(Zentrumbereich)で建物の外でした。2時間半ほどひたすら走って
午後2時まえにザルツ空港に到着。途中、牧草地帯やキーム・ゼー湖畔を走ったり眺
めが最高でした。それにしても3日間の留守中に随分と夏らしくなっているのに驚き。
日なたはとても暑いです。

さて今日はErzaehlte Musik(物語の音楽)シリーズのペール・ギュント編。演奏は
エーテボリ交響楽団で指揮は当初予定のネーヴェ・ヤルヴィからマンフレッド・ホー
ネックに変更となっていました。ペール・ギュントにはボー・スコウフス、ソルヴェ
イクがバーバラ・ボニー。他にも沢山の歌手、器楽奏者、語り、ダンサーたちが多彩
に登場しました。ステージレイアウトは祝祭小劇場のやや奥まったところにオケを配
置し、ステージ前面は登場人物たちがパフォーマンスを行うエリアとしていて、コン
チェルタンテ・オペラのようでした。オケ後方にBBC合唱が並び、バックステージ
の背面上部に横長スライドでイメージイラストが映し出されるという設定です。

この曲は組曲で演奏されることが多いのですが、今日のようにイプセンの劇をオリジ
ナル版で見るチャンスはとても貴重。3幕の後に休憩が1回入る2時間の上演内容で
した。オーケストラの演奏、歌、劇の台詞、踊りがミックスされていて、バックステ
ージの映像と共にまるでオペラを見ているような多彩さ。特にスコウフスの語りと演
技は迫力がありました。北欧の微妙な発音がとても音楽的で、語りから歌へと変遷す
る様はまるでファルスタッフの歌に合い通じるものがあるのではと思うほど。登場人
物はステージばかりでなく客席からも登場し音楽が客席後方からも演奏されるという
臨場感がありました。そのためか客席ごとイプセンの世界へ誘う一体感がありました。
それから座席が1列〜3列が撤去されステージが延長されていました。ということで
今日も平土間最前列のど真ん中という近さのためか、ドラマの中に飛び込むような迫
力が凄かったです。

ホーネック&エーテボリの演奏はとても立派なもので、北欧の抒情を歌うだけでなく、
緊迫感がドラマ全体を引き締めていました。それからステージ奥へ広がる大オーケス
トラからの音のパノラマも素晴らしいものでした。チェロから低弦にかけての力強さ
と豊かなサウンドも魅力で、とても美味しい音楽とドラマです。ペール・ギュントの
母、オーゼも年老いた姿でステージに置かれた椅子に座って、しみじみとした演技を
行いましたし、オーゼの死の音楽は心打たれてました。そしてボニーのソルヴェイク。
北欧民族衣装をまとって、透明このうえなく美しい歌が聴けたとあっては、もうその
感動は何にも例えようもないほど。彼女のキャラクターが実に上手くソルヴェイクに
活かされていました。最後はボニーの膝枕にスコウフスがよりかかり「ソルヴェイク
の歌」で静かに静かに幕となりました。なんと透明で心を洗われるのかと今日も感動
の連続でした。なお8/14付けSalzburger Nachrichten紙においてはオーケストラ
の透明なアンサンブルを評価。ボニーに関しては質素でリアリティある舞台役者ぶり
を誉めていました。小さなエピソードから音楽の本質が聞かれたとのコメントには納
得です。