昨日は到着早々にノリントン&カメラータ・ザルツブルクのメリハリのある演奏で随
分と絶好調な旅のはじまりを感じました。それから一晩明けた朝はとても爽やかでス
ッキリと気分爽快。今日のモーツァルト・マチネは何時ものようにハイドンとモーツ
ァルトの組み合わせ。指揮はフィリップ・ジョルダン。そういえば5月のジュネーブ
にてアルミン・ジョルダンのジークフリートを聞いたばかりだったので、これでジョ
ルダン親子の指揮を聴けたのは面白いところ。
それでフィリップ・ジョルダンは結構素晴らしい出来でした。一方、モーツァルテウ
ムのオケも緻密にして繊細かつ豊穣なサウンドを繰り広げ、実に伸びやかな演奏を聞
かせてくれました。プログラムはモーツァルトの劇場支配人序曲、ハイドンの時計シ
ンフォニーにモーツァルトのミサ・ソレムニス、さらにモテットで締めくくられると
いう内容でした。前半のオーケストラだけの演奏もかなりの充実さでしたが、さすが
にシェーンベルク合唱が加わった後半のミサは感動的でした。それにソプラノ、Tati
ana Lisnicが素晴らしい出来でした。もっともソプラノの出番が多かったので目立ち
やすかったことにもよりますが、こういった若手によるフレッシュな演奏がモーツァ
ルト・マチネの魅力のひとつでもあります。
それにしてもザルツブルクは話題のオペラとコンサートがひしめきあっていて、モー
ツァルト・マチネはやや目立たない存在ですが、中にはとてつもなく素晴らしい演奏
があったりして、その内容はとてもハイレベルですね。特にミサは日本では余り聴け
ないだけに、ザルツブルクならではといった有難さを感じます。
毎年、モーツァルテウムのオケを聞いていると、メンバーの方々の風貌の変化にも気
づくことがあって面白いです。しかし何時も変わらないのは、フレッシュで爽快な響
き。これがモーツァルトやハイドンに実にぴったりで、モーツァルテウムという器と
ともにザルツブルクのアイデンティティを出してくれるのが嬉しい限りです。さて開
演時は晴れていたのに、演奏中に雨になったようで、終演時はかなりの強雨で肌寒い
くらいの気温でした・・・
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