紀尾井シンフォニエッタ定期演奏会

 2000年12月23日(土)15時/紀尾井ホール
(演奏)
 尾高忠明(指揮)
 野島 稔(ピアノ)
 紀尾井シンフォニエッタ東京
(プログラム)
 モーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲K.588
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番変ロ長調K.450
 −休憩−
 モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調K.546
 モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調K.385「ハフナー」
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久しぶりに聞く紀尾井シンフォニエッタ。いつも良い響きを楽しませてくれるように
今日もとっておきのアンサンブルでモーツァルトが聴けた。序曲が鳴り響いたとき、
このままオペラが開始するかのような活き活きとした音楽。実に良い演奏だなぁと思
った。音が柔らかくてホール一杯に広がるモーツァルトは絶品。これは続くコンチェ
ルトにも言える。野島のピアノとアンサンブルの溶け合いは本当に心地よかった。今
日は12月下旬といってもさほど寒くない程度の陽気さもあってか、こういったモー
ツァルトがとても爽快に感じられる。

後半はアダージョとフーガで始まるが、これもコントラバス、チェロがしっかりした
低域を支え、ヴィオラ、ヴァイオリンが層をなして荘厳な響きを醸し出す。適度の重
厚さと渋みもあって極上の演奏だ。フィナーレは快活にハフナーが鳴り響き、まるで
紀尾井ホールがムジークフェラインを思わせるかのように音楽がよく延びていた。座
った座席の斜め前方に盲導犬も大人しく音楽に聞き入っている様子。この犬はかなり
賢そうで、人が座席に出入りする時にはちゃんと起立する。ちょうど欧州でのコンサ
ートマナーを心がけているあたりはとても立派。さて次回、紀尾井シンフォニエッタ
で聴いてみたいプログラムはベートーヴェン交響曲8番!