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久しぶりに聞く紀尾井シンフォニエッタ。いつも良い響きを楽しませてくれるように
今日もとっておきのアンサンブルでモーツァルトが聴けた。序曲が鳴り響いたとき、
このままオペラが開始するかのような活き活きとした音楽。実に良い演奏だなぁと思
った。音が柔らかくてホール一杯に広がるモーツァルトは絶品。これは続くコンチェ
ルトにも言える。野島のピアノとアンサンブルの溶け合いは本当に心地よかった。今
日は12月下旬といってもさほど寒くない程度の陽気さもあってか、こういったモー
ツァルトがとても爽快に感じられる。
後半はアダージョとフーガで始まるが、これもコントラバス、チェロがしっかりした
低域を支え、ヴィオラ、ヴァイオリンが層をなして荘厳な響きを醸し出す。適度の重
厚さと渋みもあって極上の演奏だ。フィナーレは快活にハフナーが鳴り響き、まるで
紀尾井ホールがムジークフェラインを思わせるかのように音楽がよく延びていた。座
った座席の斜め前方に盲導犬も大人しく音楽に聞き入っている様子。この犬はかなり
賢そうで、人が座席に出入りする時にはちゃんと起立する。ちょうど欧州でのコンサ
ートマナーを心がけているあたりはとても立派。さて次回、紀尾井シンフォニエッタ
で聴いてみたいプログラムはベートーヴェン交響曲8番!