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2000年12月6日(水)19時/オーチャードホール 指揮 :ウラディミール・ヴァーレク チェロ :ニーナ・コトワ (プログラム) ドヴォルザーク :序曲「謝肉祭」作品92 ドヴォルザーク :チェロ協奏曲 ロ短調作品104 ニーナ・コトワ :ロシア民謡による即興曲(アンコール) −休憩− リスト :交響詩「レ・プレリュード」 シベリウス :交響詩「フィンランディア」 スメタナ :連作交響詩「わが祖国」よりモルダウ ドヴォルザーク :スラヴ舞曲第15番(アンコール) |
前回の来日公演では三大交響曲を完璧に料理するヴァーレクの指揮に目を見張るもの
があった。今回も三大交響詩にニーナ・トコワの登場と楽しみなプログラムとなって
いる。ドヴォルザーク「謝肉祭」から快調にオーケストラが鳴り響き、全体に立体的
なサウンドで耳を楽しませてくれた。そしてコトワ嬢のチェロ。なぜかチェロが余り
響かない。ヴァーレクの刻むテンポも足取りがやや重いかなという感じで盛り上がら
なかった。むしろコトワ自作による即興曲のほうがチェロを聞いたという充実感があ
ったように思う。
後半の3つの交響詩。全般に大らかで牧歌を感じる演奏だ。特にレ・プレリュードで
はボヘミアの香りかと思うほど牧歌的に彩られている。テンポもゆったりと堂々とし
たリストだった。フィンランディアはミッコ・フランク&バンベルクの快演が未だ耳
に残っている為か、さほどインパクトを感じない。フィナーレにモルダウが演奏され
るが、どうもリスト、シベリウスと聞いた後にスメタナは盛り上がりに欠ける。とい
うよりもこれはプログラムが断片的すぎるのが原因かとも思った。むしろアンコール
のスラヴ舞曲はとても良かった。これほど吹き上がりの良い演奏が出来るのに、なぜ
かメイン・プロが冴えなかったコンサートだった。