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久々に聴く都響、さすがにベルティーニが指揮すると素晴らしい演奏になるものだと
驚いた。このところウィーンフィルやベルリンフィルなど外来オケに圧倒されている
が、今日の演奏には遜色を感じない見事さだ。「ローマの謝肉祭」では弦の強い響き
とブラスのメタリックなサウンドが耳を楽しませる。ベルリオーズの作品って結構素
晴らしいなぁと思わせる演奏だった。
今日のコンサートに来た理由のひとつは竹澤恭子が出演すること。彼女のヴァイオリ
ンにはいつも満足しているが今日も例外ではなかった。ラロのスペイン交響曲でたっ
ぷりと彼女の演奏を堪能した。そういえばベルリンフィルと競演したハーンも凄かっ
たが、竹澤のヴァイオリンは常に安定したバランスの良さがあるし、オーケストラと
のアンサンブルに緊張感が漲っていた。4楽章のアンダンテの美しさは絶品だったし、
終楽章のハバネラでの盛り上がりは凄かった。
サンサンーンスのオルガン交響曲ではベルティーニ会心の指揮となった。今日最初の
ベルリオーズではやや硬質な響きが特徴であったが、これと対をなすかのようにソフ
トさが加わり、実にふくよかで奥行きある響きが素晴らしい。オーケストラとオルガ
ンの溶け合いも見事で、特に終楽章に至っては弦のリズミカルな響きにオルガンが絶
妙に重なり合っていた。全体を通してすっきりとしたていたし、見事なプロポーショ
ンを作っていたと思う。