都響プロムナード・コンサート12月

 2000年12月3日(日)14:00/サントリーホール
(演奏)
 指揮    :ガリー・ベルティーニ
 ヴァイオリン:竹澤恭子
(プログラム)
 ベルリオーズ  :序曲「ローマの謝肉祭」作品9
 ラロ      :ヴァイオリン協奏曲第2番二短調作品21「スペイン交響曲」
 −休憩−
 サン=サンーンス:交響曲第3番ハ短調作品78「オルガン付」
(アンコール)
 ビゼー     :歌劇「カルメン」前奏曲
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久々に聴く都響、さすがにベルティーニが指揮すると素晴らしい演奏になるものだと
驚いた。このところウィーンフィルやベルリンフィルなど外来オケに圧倒されている
が、今日の演奏には遜色を感じない見事さだ。「ローマの謝肉祭」では弦の強い響き
とブラスのメタリックなサウンドが耳を楽しませる。ベルリオーズの作品って結構素
晴らしいなぁと思わせる演奏だった。

今日のコンサートに来た理由のひとつは竹澤恭子が出演すること。彼女のヴァイオリ
ンにはいつも満足しているが今日も例外ではなかった。ラロのスペイン交響曲でたっ
ぷりと彼女の演奏を堪能した。そういえばベルリンフィルと競演したハーンも凄かっ
たが、竹澤のヴァイオリンは常に安定したバランスの良さがあるし、オーケストラと
のアンサンブルに緊張感が漲っていた。4楽章のアンダンテの美しさは絶品だったし、
終楽章のハバネラでの盛り上がりは凄かった。

サンサンーンスのオルガン交響曲ではベルティーニ会心の指揮となった。今日最初の
ベルリオーズではやや硬質な響きが特徴であったが、これと対をなすかのようにソフ
トさが加わり、実にふくよかで奥行きある響きが素晴らしい。オーケストラとオルガ
ンの溶け合いも見事で、特に終楽章に至っては弦のリズミカルな響きにオルガンが絶
妙に重なり合っていた。全体を通してすっきりとしたていたし、見事なプロポーショ
ンを作っていたと思う。