NHK交響楽団定期演奏会

 2000年12月2日(土)14:00/NHKホール
 指揮:シャルル・デュトワ
 コンサートマスター:山口裕之
(プログラム)
 モーツァルト   :セレナード第13番ト長調
           「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」K.525
 R.シュトラウス :組曲「町人貴族」作品60
 −休憩−
 ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
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今日はオペラシティでクリスマス・オラトリオがあるが、その前にN響へ寄ることに
した。プログラムはモーツァルト、R.シュトラウス、ストラヴィンスキーと3色に
彩られているのが魅力。まずアイネ・クライネの美しい響き。この曲としてはかなり
の大編成で演奏されたが、ふくよかな弦のアンサンブルに聞き惚れてしまった。もっ
ともNHKホールの巨大空間には室内楽的なアンサンブルはちょっと厳しいので、こ
れくらいの人数で演奏するのがちょうど良いのだろう。落ち着いたテンポで実に大ら
かな演奏だった。

R.シュトラウスの町人貴族!これは素晴らしい演奏だったと思う。彼の作品には思
い入れがあるためか、組曲全体が宝石のように美しく、その抒情とユーモアを楽しめ
た。特に「リュリのメヌエット」「クレオントの登場」は絶品。小オーケストラのレ
イアウトは指揮者に向かい合ってピアノが配置され、左手ヴァイオリンのすぐ後ろに
ハープ、その後方に管、ピアノの右にティンパニが並べられ、とても立体的なサウン
ドを楽しめた。

そして「春の祭典」!前半のうっとりするような音楽に対してコントラストをなすか
のようにストラヴヴィんスキーが聞けるのも嬉しい。さすがデュトワの指揮は洗練さ
が漂う。原始リズムによる大地の音楽はロシアのそれとはちょっと趣に異にしたエネ
ルギッシュさ。特に木管群のパワーが印象的だったし、アンサンブルも充実していた。
次回聴くN響はスクロヴァチェフスキーの第九、21世紀早々にヘンツェの「アドニ
スとヴィーナス」、2月はベルリオーズの「ロメオとジュリエット」と実に楽しみだ。