ベルリン弦楽四重奏団

 

2000年11月25日(土)14:00/金沢公会堂
(演奏)
 ヴォルフ・ディーター・バッツドルフ(第1ヴァイオリン)
 クラウス・ペータース(第2ヴァイオリン)
 カール=ハインツ・ドムス(ヴィオラ)
 フランツィスカ・バッツドルフ(チェロ)
(プログラム)
 モーツァルト :弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」
 ハイドン   :弦楽四重奏曲第77番ハ長調op.76−3
 −休憩−
 ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番ヘ長調op.96「アメリカ」
(アンコール)
 チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
 モーツァルト  :弦楽四重奏曲第14番より第4楽章「フーガ」

昨日はベルリンフィルのカルテットと、今日はベルリン州立歌劇場の主席奏者たちに
よるカルテットと室内楽が続く。会場は横浜金沢文庫にある公会堂。初めてのホール
はアプローチが良く分からないので駅からタクシーで行く。ほどなく到着したところ
は小高い小さな建物。さっそく中に入って当日券を買う。なんと2300円と東京公
演の半額以下なのが嬉しい。

ホールは地下を掘り下げたように作られていて、客席は深いすり鉢状となっている。
以外とライブな音響でカルテットにはちょうど心地良い響きだ。前半のモーツァルト
とハイドンの演奏は典雅という言葉がぴったり。アンサンブルのバランスが良くて、
4つのパートの調和は見事。派手さは微塵もなく、とても手堅い演奏といったところ。
そういえばオペラハウスのカルテットではパリ弦楽四重奏団が素晴らしかったように、
意外とオペラのオケとカルテットの相性は良いのかも知れない。

後半のドヴォルザークの名曲アメリカもライブでよく耳にするが、ボヘミアの抒情を
たっぷりと歌わせるかのような演奏は何時聞いても素晴らしいと思う。フランツィス
カ嬢の切れ込みの良いチェロが俄然冴えていた。このカルテットは初代第1ヴァイオ
リンはあの有名なカール・ズスケだったそうであるが、今のバッツドルフのヴァイオ
リンもとても安定していて音程のずれは全くない完璧さ。やはりカルテットでは正確
な音程が命となる。アンコールもふたつ演奏され、会場も大いに沸き立った。さてこ
れからサントリーに向かうが、久しぶりの横浜で遅いランチを取ってから出陣すると
する。