2000年11月18日(土)18:30/所沢ミューズ・アークホール
(演奏)
ロビー・ラカトシュ(ヴァイオリン)
ラースロー・ボーニ(ヴァイオリン)
ラースロー・ラッツ(ツィンバロン&ギター)
オスカール・ネーメト(コントラバス)
カールマーン・チェーキ(ピアノ)
(プログラム)
バラトン湖の波の上で(イエネ・フバイ)
あなと逢ったことがある(ロシア民謡)
ママ(ロシア民謡)
わが友ジプシー(ジャック・ヴェリエール/マルク・エラール)
マラケシュの夜(ロビー・ラカトシュ)
エヴォラに寄せるタンゴ(ロレーナ・マク・ケネス)
ハンガリー狂詩曲No.2(フランツ・リスト/E.バンゴー編曲)
トリッチ・トラッチ・ポルカ(ヨハン・シュトラウスU)
−休憩−
シンフォニー<ザ・バード・イン・ザ・ダスト>(ロビー・ラカトシュ)
メニューインに捧げる瞬間(ロビー・ラカトシュ&カールマン・チェーキ)
雲(ジャンゴ・ラインハルト)
2つのギター(ロシア民謡)
ひばり(グリゴラス・ディニーク)
(アンコール)
ハンガリー舞曲No.5(J.ブラームス)
黒い瞳(ロシア民謡)
だんご3兄弟(内野真澄、堀江由朗)
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前回、ラカトシュ・アンサンブルを聞いたのは2年ほどまえの紀尾井においてであっ
た。あの時は怪人現るといった具合に、ジプシー・ヴァイオリンの超絶技巧に圧倒さ
れた。今回ももう一度あのヴァイオリンを聞きたくて、先ほどの王子ホールから新宿
経由で西武線に乗った。航空公園についたときはもう夜空で風が強くなっていた。
ホール全体の照明が落とされ、暗闇からメンバーが登場し、最初から威勢の良いアン
サンブルを奏でる。このアンサンブルの魅力はジプシー・ヴァイオリンの凄さに加え
てピアノやツィンバロンの独特の音色が聞けること。リズム感と色彩感は過剰とも思
えるほど際立っているし、抒情的からジャズ風まで実に楽しい。演奏されたプログラ
ムは最近の新作も織り交ぜながら、まるでショーのように進む。ラカトシュは黒マン
トを羽織ながら、粋の良いソロを聞かせてくれた。
ラカトシュ以外ではツィンバロンのラッツが凄かった。とにかくハンガリー狂詩曲の
ツィンバロンは圧倒的。たまにはこういった冗談めいた音楽も面白くて良い気晴らし
になる。