小澤征爾指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団


 2000年11月13日(月)19:00/ザ・シンフォニーホール
(プログラム)
 ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調op.90
 −休憩−
 ブラームス:交響曲第2番 ニ長調op.73
(アンコール)
 J.シュトラウスU :ワルツ「芸術家の生活」
 ヨゼフ・シュトラウス:シュネル・ポルカ「大急ぎで」
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今日は平土間最前列の中央部で聴いた。チケット予約時にこの座席しか残っていなか
ったのでしょうがないが、音響がとてもアンバランスだったのが残念。同じ位置のサ
ントリーホールの方が未だ音が良い。しかしキッヒュルさんのヴァイオリンがとにか
く凄い音量でまるでソロを聞いているようだ。指揮者を囲む各パートも見事なくらい
音が一致し、室内楽でシンフォニーを聞いのに近い。逆にアンサンブルが加熱する時
の緊密感は凄いものがある。ブラームス3番の渋い木管や金管の響きは天井からの反
響で聞くこととなるが、立体的な響きをそれなりに楽しめた。終楽章では炸裂するエ
ネルギーがストレートに伝わってくる。このシンフォニーには秋を感じるが、小澤の
ダイナミックな指揮に圧倒されてしまった。

大分前にアバド&ウィーンフィルによるブラームス2番を聴いたことがあるが、今日
もあの時と同じウィーンフィルらしさを存分に楽しめた。小澤の指揮はやはりダイナ
ミックで、1楽章ですでに完全燃焼の状態となった。前半に比べて管楽器も音が良く
伸び、ブラームスらしい重厚さも満点。さすがに最前列だとヴィオラ・パートの活躍
ぶりをつぶさに聴けるので、このシンフォニーの構造を垣間見るような感じ。終楽章
にかけての盛り上がりも凄く、かなり力の入った演奏だった。アンコールのウィンナ
・ワルツではさすがに心地よく酔うことができた。

二日間のブラームス・チクルスはとても纏まっていたように思う。4つのシンフォニー
を起承転結に当てはめるのは無理があるとしても、四季に例えれば、4番が冬、1番
が夏、3番が秋、2番が春に相当するかとかってに想像してしまった。とにかく二日
で聴くことで全体のスピード感のようなものを感じた次第。