●神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団
 現代ヴィオル・コンソート展/ヴィオル七変化
 2000年10月21日(土)15:00/カトリック本郷教会
(演奏)
 神戸愉樹美/小澤絵里子/坪田一子/野口真紀/橋爪香織
(プログラム)
 J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集第1巻よりプレリュード第8番
         フーガの技法より対位法第2番
 坪能克裕   :4人のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のための「もうひとつの
         行進曲」2000委嘱初演
 高橋伸哉   :Jasmine 2000初演
 M.ビショップ:Variations on "Drmes" A Croatian Dance 本邦初演
 −休憩−
 J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集第1巻よりプレリュード第21,22番
 水野 勉   :「海の物語」改訂版2000
  朝の浜辺/砂浜の行進/磯の午後とイルカの夢
 J.S.バッハ:フーガの技法より対位法第4番
 M.ハミル  :Fantasia "The triumph of Death" 本邦初演
(アンコール)
 ラバール   :トンボー
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今日のコンサートは音楽雑誌のコンサート案内には出ていなくて、近江楽堂で配
られたチラシで知った。ヴィオラ・ダ・ガンバの合奏で現代ヴィオル・コンソー
ト展なる珍妙なチラシを見ていると聴いてみたくなった。会場は六義園近くのカ
トリック本郷教会。正式には聖ペテロ教会という。間口の狭いながらも高いレン
ガ張りの建物がそれで、中へはいると白を基調とした真新しい聖堂となっている。
天窓とステンドグラスの採光がとても明るい。

アンサンブルはトレブル、テノール、バスの声部からなり4台のヴィオルを基本
とするが、後半のバッハのプレリュードとハミルの曲は5台の合奏となる。バッ
ハ250年としてプレリュードとフーガの技法。2000年秋の新作として日本
の3作品。それに海外から2作品がアレンジされていた。まさに古楽とコンテン
ポラリのミックスであり、ヴィオルの可能性を追及しようという意欲が感じられ
る。

バッハではさすがに和声の響きが美しい。特にフーガの技法をヴィオラ・ダ・ガ
ンバで聴くと渋い音色のためか、バッハの深みが増すように感じた。日本の現代
音楽をヴィオルで聴くと言うのも奇抜な感じがしたが、以外とガンバという楽器
は多彩な響きを作り出せるのに感心した。弓で弦をたたくことでモダン楽器に変
わったような音が出せるし、ピチカートの響きも以外と大きな音でベースのよう
にも聞えたりと、とにかく不思議なアンサンブルだ。しかしやはりヴィオラ・ダ
・ガンバはバッハ以前の作品が良いなぁと思う。コンテンポラリも面白いが、ジ
ェンキンズの作品のような厳粛さも聴いてみたいとも思った。特にアンコールの
トンボーを聞くと、古の響きが恋しくもなった。

なお今日のアンサンブルによる無料コンサートが12/23に茅ヶ崎香川教会で開催
されるとのこと。また今日のチラシには珍しいコンサートが幾つか紹介されてい
る。そんな中でとりわけ面白そうなのが武久源蔵&コンヴェルムス・ムジクによ
るバッハのチェンバロ協奏曲。これはアサヒスーパードライホールで2回演奏さ
れるとのこと(11/10,12/13)。既に他のコンサートチケットを買ってあるので、
これらには行けないが面白そうだ。