●東京交響楽団・オペラシティシリーズ第10回
2000年10月7日(土)18:00/東京オペラシティコンサートホール
(演奏)
秋山和慶(指揮)
佐藤しのぶ(ソプラノ)
東京交響楽団
グレブ・ニキティン(コンサートマスター)
(プログラム)
ロッシーニ :歌劇「絹のはしご」序曲
ベルリオーズ :歌曲集「夏の夜」作品7
メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 作品56「スコットランド」
(アンコール)
ボーン・ウィリアムズ:グリーンスリーブス
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今日、最も注目していたのはベルリオーズの「夏の夜」。これはオッターのCD
が特にお気に入りで良く聴いている。それだけに今日の演奏は期待したイメージ
からちょっと違っていたかなと感じた。オーケストラの伴奏は佐藤の素晴らしい
歌ととても上手いバランスが取れていたし、随所にしみじみとした情感を味わう
ことができた。しかし音楽の躍動がもうひとつ欲しいと思った。それにどうも音
楽を聴く環境が悪かった。
オペラシティシリーズは前回の1階席から2階席正面にシートを替えたが、ここ
はとてもノイジーな場所だ。チラシをパラパラとさせる音が気になる。それに楽
曲毎に拍手が入るものだから、どうも聞いていて落ち着かない。指揮者と歌手は
決して楽曲毎の拍手には応じていないにも関らず拍手が続く。余韻が消されてし
まうのだ。もうひとつ苦情を言わせてもらえば、音楽の途中で遅れてきた人を公
然と入場させていること。私も時々遅れてくることがあるが普通は休憩まで待た
される。オペラシティはそんな常識を知らないようだ。この点、紀尾井やカザル
スでの室内楽などはとても静かで安心して音楽に没頭できる。
さて後半のスコットランドは最初のロッシーニと同様にとてもメリハリのあるア
ンサンブルで大いに楽しませてくれた。ホールの音響の良さが加わりサントリー
定期とはまた違ったサウンドが楽しめる。フィナーレのホルンが事のほか爽快で
音楽がとても充実したメンデルゾーンだったと思う。