●NHK交響楽団定期公演9月Aプロ
 2000年9月28日(木)19:00/NHKホール
 指揮 :エフゲーニ・スヴェトラーノフ
(プログラム)
 スヴェトラーノフ:弦楽四重奏曲(開演前の室内楽)
          ヴァイオリン:木全利行、鈴木弘一
          ヴィオラ  :小野 聡
          チェロ   :藤村俊介
 マーラー    :交響曲第5番 嬰ハ短調


今日はムジカーザで開かれるローリン・カルテットへ行くつもりだったが、電話
で聞くと全席売り切れだと言う。そこで久しぶりにN響へ行くこととした。開演
まで1時間以上もあるが、当日券ブースはオープンしていてチケットを確保。あ
とはのんびりと開演を待つこととする。

今日のプレコンサートは何と指揮者スヴェトラーノフの作品が日本初演された。
1948年に作曲された弦楽四重奏曲で、時間の都合から1、2、4楽章のみが
演奏された。全般に地味な作風で、あえて比喩すれば、ロシアの広大な情景に秘
められた情熱といったような感じがした。リズムは平穏ながらも終楽章でのチェ
ロのうねりは特に印象的だった。

さてスヴェトラーノフ&N響のマーラーといえば昨年2月の6番がとても良かっ
たことが思い出された。今回は5番の1曲だけということで、気合の全てがマー
ラーに注がれる。第1楽章からオーケストラの音の伸びは良くて、マーラーの魅
力に溢れている。特に3楽章の木管群は絶妙のアンサンブルで、変幻する音色に
耳を楽しませてくれた。スケルツォのリズム感も良かった。有名なアダージェッ
トはかなりのピアニッシモで始り美しさを堪能させてくれる。そして終楽章、特
に中盤からフィナーレにかけてのボルテージの高まり。N響も目一杯の力演で聴
衆を興奮に導く。これ1曲だけなので8:30には終演した。