●バーデン市立劇場・日本公演
2000年9月17日(日)15:00/横浜みなとみらいホール
J.オッフェンバック:オペレッタ『天国と地獄』
演出監督 :ルチア・メシュヴィッツ
指揮 :クリスティアン・ポーラック
エウリディケ:イサベラ・マーツァッハ
オルフェウス:マルク・ヤニチェロ
プルート :マーティン・ヴィンクラー
ユピター :ワルター・ライムスバッハ
ディアナ :ブリギッテ・ヴェーゲンベルガー
ユーノー :イルムガルト・レーデンフェルト
ヴェーヌス :ニコル・ブランゲル
キューピッド:ペトラ・ハルパー
マルス :マルク・シュテレ
メルクル :コンラッド・フーバー
シュティクス:ベッポ・ビンダー
倫理 :ウルユラ・ピッツネル
バーデン市立劇場合唱団/バレエ団
モーツァルティアーデ管弦楽団
「天国と地獄」を見るのは今年2度目のこと。やはりこのオペレッタは文句なし
に楽しい。バーデン市立劇場は昨年の「魔弾の射手」でもコストパフォーマンス
の優れた公演であったが、今回は前回を遥かに上回る出来映え。所沢のミューズ
アークでは舞台の半分にオケを並べていたが、横浜みなとみらいでは平土間の3
列を平らにして、ここを壁の無いピットとしていた。ステージにはやや張りぼて
のセットが陣取っているが、なかなか想像力を掻きたてるセットだ。
有名な序曲では、昨年以上に上手いオーケストラが聴けた。ヴァイオリン・ソロ
も心地よく、軽快なリズムで開幕する。グルックのオペラをパロディ化したとは
いえ、歌手たちのユーモアも巧みに、美声の歌の数々を堪能できる。それに女性
陣は美女ぞろいで、セクシーさを全面に出した演出はオッフェンバックにぴった
りだ。
やはりバーデン市立は見せる聴かせるをモットーにしているようで、舞台転換も
素早く、お金は掛かってなくても、十分に豪華な舞台も楽しませてくれる。言葉
はドイツ語のため、普段聴くフランス語とは微妙にニュアンスが異なるが、むし
ろヨハン・シュトラウス的なオペレッタという感じもあった。彼らのドラマを演
じる素晴らしさに全く感心した。それにホールの響きの良さが手伝ってか極上の
ホール・オペレッタを聴けた。しかし8000円のチケットでこれほどの舞台を
見れるとは驚き・・・