●東京都交響楽団定期演奏会
2000年9月13日(水)19:00/サントリーホール
(演奏)
指揮 :デヴィッド・シャローン
ヴァイオリン:アンティエ・ヴァイトハース
(プログラム)
グラズノフ :ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品82
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ハ長調 作品60「レニングラード」
今日はコンサートに行く予定はなかったが、ふらりとサントリーホールに寄って
みた。大ホールが都響、小ホールがJYACMSとなっているが、さてどちらに
入るか迷ったが、ショスタコの「レニングラード」に惹かれる。当日券売り場に
並んでいたら、会員券を売りに来られた方から声をかけられたので、お譲り頂い
た。
最初の曲はグラズノフのVn協奏曲。これは聴いたことがないので楽しみだ。
20分ほどのロマン情緒に満ちた音楽だったが、ソロ・ヴァイオリンはしみじみ
とした音楽を聴かせる。前半よりも後半になって良い音楽だなぁと感じるように
なった。ヴァイトハースが奏でる1700年もののヴァイオリンはややくすんだ
音がする。これがとても耳当たりがよく、オーケストラの抒情的な音楽とともに
質感ある響きを楽しめた。
さてメインのレニングラードはさすがに大曲だった。この曲はヤンソンスが指揮
した録音がお気に入りであるが、シャローン指揮による演奏はややスマートで、
すっきりしていた。個人的にはもう少し灰汁の強いドロドロとした響きがあって
も良いのではと感じたのだが。とはいえさすがショスタコーヴィチの音楽は面白
く手応えがある。特にこのレニングラードとなれば、怪奇にも思えるほど個性的
で、その迫力に圧倒される。さて今日の都響の演奏はベルティーニやフルネの指
揮のときに聴かせるような気迫がやや不足ぎみに感じた。