リリア開館10周年記念ガラ・コンサート
 2000年9月3日(日)15:00/リリア・メインホール
  指揮 :北原幸男 
  管弦楽:東京交響楽団
  合唱 :リリア・ガラコンサート合唱団
(プログラム)
 ショスタコーヴィチ:祝典序曲Op.96
 ベートーヴェン  :ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲
           ハ長調Op.56
      小山実稚恵(ピアノ)、加藤知子(ヴァイオリン)、堤剛(チェロ)
 −休憩−
 ビゼー   :歌劇「カルメン」より前奏曲/ハバネラ/闘牛士の歌
           坂本朱(メゾソプラノ)、三原剛(バリトン)
 プッチーニ :歌劇「ジャンニ・スキッキ」より”私のいとおしいお父さん”
           高橋薫子(ソプラノ)
        歌劇「トスカ」より”星は光りぬ”
           アントニオ・タスカ(テノール)
        歌劇「蝶々夫人」より”ある晴れた日に”
           山崎美奈(ソプラノ)
 ヴェルディ :歌劇「ナブッコ」より”黄金の翼にのって”
 マスカーニ :歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より”ママも知るとおり”
  坂本朱(メゾ・ソプラノ)
 ロッシーニ :歌劇「セヴィリャの理髪師」より”今の歌声は”
           高橋薫子(ソプラノ)
 ヴェルディ :歌劇「仮面舞踏会」より”おまえこそ心を汚すもの”
           三原剛(バリトン)
        歌劇「椿姫」より”ああ、そはかの人が”〜”花から花へ”
           山崎美奈(ソプラノ)、アントニオ・タスカ(テノール)
           乾杯の歌”陽気に楽しく杯をくみかわそう”
(アンコール)
 レハール  :「メリー・ウィドウ」から「ワルツ」
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今日は特にコンサートに行く予定は無かったが、ベートーヴェンの三重協奏曲が
演奏されるという情報が目にとまった。これは是非聞きに行きたいと思った。な
にしろこの曲はコンサートでは1回か2回ほどしか聴いていない。普段余り演奏
されないだけに、これを見逃すのは勿体無い。

むかうは川口リリア。渋谷から埼京線赤羽乗り換えで開演30分前に到着した。
それにしても凄い猛暑だ。太陽が当たるだけで焼けつくようだ。すぐさま音楽ホ
ールに行くが、会場はここではなくメインホールであった。ここへは始めて入っ
たが、ややデッドな響きながら音が良く伸びてくる。二階席で聞いたが、ステー
ジからブラスが飛び出してくるかのように音が上がってくる。ちょうどショスタ
コーヴィチの祝典序曲では二階バンダのブラス群とあわせてステレオスコープで
除くかのような音のパノラマとなった。この曲、ショスタコにしては明るくて何
処かアメリカンを感じさせる。

さて本命の三重協奏曲は予想通り、ソリスト陣が素晴らしいアンサンブルを聞か
せてくれた。堤のチェロはいつもながら充実したもので、小山の端正なピアノも
素晴らしいし、加藤のヴァイオリンも冴えていた。特に3楽章の希望に満ちたパ
ッセージが良い。北原&東響のコンビを始めて聞くが、彼の指揮はとても上手い
と感じた。たしかリンツ・ブルックナー管弦楽団での日本公演でもそのように思
ったことを思い出した。いずれにせよこの曲はCDでも幾つかの録音があるが、
お気に入りには未だ出会っていない。今日のような演奏がCDになれば良いのに
なぁとも思った。

後半はオペラアリア特集で、沢山のアリアが次ぎから次ぎへと登場する。しかも
5人の歌手達が交互に登場するから聞くほうも結構大変だ。とはいえ、気楽に聞
き流せる楽しみと思っていたが、これは結構中身のある演奏だった。特にジャン
ニ・スキッキとセビリャを歌った高橋のソプラノは見事だった。それにタスカが
歌うカバラドッシも凄い。昨日BSで放送されたカルメンでのアラーニャよりも
上手いと思ったほど。坂本のハバネラはさすがに上手く、山崎のヴィオレッタに
も圧倒されたし、三原のレナートも迫力満点。ということで後半はそれなりに盛
り上がった。