●東京交響楽団特別演奏会
2000年7月29日(土)18:00/東京芸術劇場
指揮=大友直人
ピアノ=カルロ・グアイトーリ
(プログラム)
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
ショパン :ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11
−休憩−
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 作品64
(アンコール)
チャイコフスキー:弦楽セレナードよりワルツ
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そろそろ夏休みのシーズンとあってかコンサートはめっきり減ってきた。今日は
特に予定はなかったが、コンサートに行くとすれば池袋での東響と横浜での「オ
ランダ人」くらいしかない。この暑さで横浜まで行くのはとても大変。そこで東
響に電話してみたら、当日券を予約できた。定期会員なので6000円のチケッ
トが5400円となって、ちょっと徳をした気分になる。
久しぶりの芸術劇場。電話予約と当日券のコーナーは長蛇の列が出来ている。や
はり電話予約していて良かった。そういえば昔、サントリーの当日券を目当てに
行って、完売だったことが多い。やはり夏場のコンサートが少ない時期だった。
今日の座席は1Fのバルコニーで視界は良好。ただし音がやや箱鳴り気味だった
のが残念であったが、オベロン序曲の豪快な演奏に満足。指揮者の大友氏は最近
の東響定期でも結構良い指揮をしてくれるので期待する。ショパンのコンチェル
ト1番も久しぶりに聴くが、ななかな良い演奏だった。グアイトーリのピアノは
ショパンにしては華麗さが今ひとつと感じたが、中々中身のある演奏をされる。
時おり、ピアノというよりもピアノフォルテ的な響きに聞え、やや渋さすら感じ
られた。特に終楽章ではもう少し豪快な響きを期待したのであるが、オーケスト
ラとのバランスの良さは素晴らしかった。コンチェルトが終わってすぐにロビー
に出たが、シューマンの謝肉祭がアンコールされていた。
後半のチャイコフスキー第5番も久しぶりに聴く。やはり大友氏の指揮は豪快で
全体のアンサンブルも好調に進む。第1楽章での低弦のうねりと粘りは印象に残
った。さらに第2楽章中盤からの気合の入り方は凄かった。大友氏の指揮にオー
ケストラ全員が集中し、素晴らしい盛り上がりを見せる。こういったところがラ
イブの醍醐味であろう。第3楽章の何ともロマンチックな音楽。そして終楽章の
ブラスの咆哮と地響きのようなアンサンブルに満足した。アンコールは弦楽セレ
ナードのワルツであり、オーケストラの編成で聴くと意外と迫力があった。チャ
イコフスキーの弦楽で思い出したが、「フィレンツェの思いで」が大好きだ。こ
の曲は秋にJTホールで演奏があるのだが、完売になっているのが何とも残念。
明日は再び東京の夏音楽祭を聴く。
2000.7.29 21:00