●紀尾井シンフォニエッタ東京 第25回定期演奏会
 2000年7月1日(土)18:00/紀尾井ホール
 尾高忠明(指揮)
 ウォルフガング・シュルツ(フルート)
 ハンスイェルク・シェレンベルガー(オーボエ)
(プログラム)
 モーツァルト:ディヴェルティメント変ロ長調K.137
 モーツァルト:オーボエ協奏曲ハ長調K.314
 モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調K.313
 モーツァルト:「魔笛」よりパパゲーナのアリア「恋人か愛人がいれば」
 モーツァルト:「魔笛」より夜の女王のアリア「復讐の心が」
 −休憩−
 モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調K.543
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ドレスデン・フィルが終わってから今度は紀尾井シンフォニエッタであるが、タ
ワーレコードのポイントカードの期限が明後日で切れるので、新宿タワーの向う
ことにした。CDを物色した結果、ハーディング指揮のエクサン・プロヴァンス
音楽祭「ドン・ジョバンニ」が3,390円とお買い得。Virgin Classics版で
3枚入り。これはオーチャードでの日本公演でも素晴らしかったので、即ゲット
することにした。ポイント3000円に400円程度プラスで手に入った。こう
いった売り場に居るとつい時間の経過を忘れてしまう。急いで四谷へ向うことと
した。が、途中のヨドバシで今度でたキャノンのIXYが入荷していないかどう
かチェックする。残念、売り切れてしまったとのこと。急いで丸の内線に潜りこ
む。

ということでやってきた紀尾井はかなりの人で溢れている。そうか、今日は完売
になっているのか。やはりベルリンフィルとウィーンフィルの主席奏者が登場す
るとなれば無理もない。奇しくも今日もオール・モーツァルトだ。昨晩のウィー
ン室内管弦楽もそうだったように、二晩連続でモーツァルトが聴ける喜び。

そんな期待を叶えてくれるように、紀尾井シンフォニエッタは何時もながら上手
いアンサンブルを聴かせる。ディヴェルティメントの特に2楽章の充実したアン
サンブルは絶品だ。これに続いてシェレンベルガーのオーボエ・コンチェルト。
さすがにその音楽性豊かなソロに恐れ入る。これほどの人になれば、オーケスト
ラとのアンサンブルが面白いほどに冴える。

続いてシュルツのフルート協奏曲第1番。第2番は昨晩聴いたので、これで二つ
のフルート・コンチェルトを楽しめるわけだ。それにしても紀尾井シンフォニエ
ッタのアンサンブルが冴え渡り、シュルツのフルートをさらに惹き立てる。夢の
ようなモーツァルトが流れて行く。前半はここで終了だが、シュルツとシェレン
ベルガーのデュオにより「魔笛」からアリア2曲が演奏された。特に夜の女王の
コロラトゥーラはシュルツのフルートが奏でるが、歯切れのよいスタッカートが
決まり、またシェレベルガーの甘いメロディが聴衆を魅了した。

後半は第39番のシンフォニー。尾高のタクトは引き締まった音楽を作り、この
シンフォニーでは爽快感が特に印象に残った。昨晩のウィーン室内管弦はどちら
かといえば室内楽的であるのに対し、紀尾井シンフォニエッタはややオーケスト
ラ的といえそうだ。こういった当たりに室内アンサンブルの微妙な性格の違いが
あるようで面白い。