●コレギウム・ヴォカーレ日本公演
2000年5月27日(土)18:00/すみだトリフォニー
(プログラム)
J.S.バッハ :ヨハネ受難曲BWV.245
(演奏)
指揮 :フィリプ・ヘレヴェヘ
独唱 :デボラ・ヨーク(ソプラノ)
インゲボルグ・ダンツ(アルト)
マーク・パドモア(福音史家/テノール)
ハンス=ペーター・ボロホヴィツ(テノール)
ステファン・マクロード(イエス/バス)
ペーター・コーイ(バス)
管弦楽と合唱:コレギウム・ヴォカーレ
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ヘレヴェヘ&コレギウム・ヴォカーレがバッハのヨハネ、マタイ、ロ短調ミサを連続演奏するとなれば、ここは迷わずセット券で聴くことにした。なにしろ彼らは最高のバッハを聴かせてくれるのだから。
そして今日はヨハネ受難曲。これを聴くのは今年で2度目になる。マタイに比べると演奏回数が少ないのは事実としても、ヨハネにはマタイには無い素晴らしさがある。今日はそんな良さが十二分に伝わってくる素晴らしい演奏であった。
まず管弦楽が小編成でも各パートが明快でトリフォニーの広いホールでも古楽の微妙なニュアンスを聴くことが出来る。それから合唱の素晴らしさは今更言うまでもないことだが、場面ごとの表現力の多彩さは見事。テキストもはっきりと聞き取れ、曇りのない響き。小人数の合唱であればこその魅力がひしひしと伝わってきた。
ソリスト達のアリアも絶品。ソプラノもアルトも瑞々しい歌で悲しみ、希望といった歌がとてもリアルに訴えるものが感じられる。エヴァンゲリストも全体のストーリーの流れに応じて最も最適な歌い方で、全く無駄のないリーズナブルなドラマ展開を聴かせてくれた。
そして全てはヘレヴェヘの隙の無い音楽作りに集約され、休憩無し2時間が実に素晴らしい集中力に満ちたものとなった。受難のドラマという感動もさることながら、隅々に渡って音楽とヴォーカルの美しさも堪能できた。
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