'97ザルツブルク音楽祭旅行記

衣・食・住などなど

馬の水飲み場 ■#2757 芸術劇場 97/10/ 6 23:57 (ID:DAT19113@biglobe.ne.jp)
ザルツブルク音楽祭(16)衣・食・住などなど     tujimoto

いよいよ残すところ後1日となりました。あとマチネーとオペラそれぞれ1回だけです。連日、音楽を楽しむ為には健康が一番。その為には衣食住に注意しなくてはいけませんね。という訳でここでは生活について少し・・・

●衣について

《日常生活の衣》
今年のザルツブルクは雨がほとんど降らず、暑い暑い日々が続いています。聞くところによると8月上旬までは雨が多くてとても寒かったとか。特にレジデンツでの「後宮からの誘拐」ではお客が震えながら見ていたそうです。ブロンデとオスミンのプール遊びは歌手達にとって、さぞかし冷たかったことでしょう。

このように夏といえど天気によって寒暖の差が大きいので、旅行する方としてもある程度の準備が必要。パッキング時には何を持っていくかで迷いますね。私の場合はスペアのパンツ類を含めて長袖のシャツを中心に何枚か用意しました。でも今回は半袖を沢山持っていけば良かったかなという状況でした。

いずれにしても夏は半袖のシャツを多めにして、寒い時に備えてレイヤードで対応できるようにすれば問題なさそうですね。ちなみにザルツブルクではコイン・ランドリーを見かけませんでした。ですから必要ならばホテルのクリーニングを頼むことになります。とにかく汗が出るので着替えは多めに用意。それとオペラに行く前は毎日シャワーで汗を流すという毎日でした。

もし昼間の観光にグロース・グロックナーとかの雪山に行く場合には、セーターやウィンド・ブレーカーとかサン・グラスは必携ですね。

《音楽祭の衣》
男性は、昼間のマチネーにはジャケットとネクタイで十分。白のタキシードの方も多いようです。地元の方はチロリアンジャケットも愛用されていました。夜のオペラはタキシードひとつあれば万能ですね。夏の暑い時に重いタキシードとは確かに重荷ですが、夕方以降になればそれ程暑いとは感じませんでした。かえってタキシードの方が心身ともに引き締まりオペラ鑑賞に気合いが入ります。特に祝祭劇場はほとんどが正装なので、スーツだと逆に目立つようです。ダークなジャケット+蝶タイでフォーマルに着こなす方法もあるようですね。

女性は実に様々ですが、いずれにしてもピカピカの方が多いですね。特にスタイルの自信の有無に係わらず、肌を大きく露出するのがお好きなようです。レジデンツでの「後宮」の時、私のちょうど前に座られた若きソフィア・ローレンもどきの美女は肩から背中は丸出しのドレスでした。皆の視線を挑発するようでいて、とてもセンスの良いモード。それに劇場では女性の方はとても長いドレスの裾を引きずって歩いていますので、靴で踏まないように注意が必要です。特に階段ではくれぐれもご注意を。

それとタクシーでなく歩きの場合は小さな折畳み傘は必携。ザルツブルクは良く雨が降るそうなので、特に3段折畳みのコンパクト傘をポーチなんかに忍ばせておくと重宝します。

●食について

朝はホテルでいつものパターンです。いつも感じることですが、ドイツとかオーストリアのパンは美味しいですね。バサバサと適度の堅さは自然の穀物そのもので、胃腸が快適になります。おかげで旅行中はいつもパワフル。日本のパンは柔らかくて自然を感じないのです。

昼間はどこも混みますね。特に有名なレストランでは予約を入れておけば問題ありませんが、食事が終わるまで結構時間が掛かります。ですから時間が無い時は手軽なレストランを利用するか、少し時間を遅らせるかすれば良いですね。

夕食はオペラが終わってから10時半か11時頃からになります。なおザルツブルクには日本食の店はありません。

《シュティーグル・ブロイ》Stiegl Braeu, Reinerstrasse 14
中央駅に近いレストランでテラスでも食事できます。テラスには一応パラソルもありますが、暑い日差しのもとでの昼食はやはり暑いですね。メニューはオーストリア料理でボリュームあります。ホテルに近かったので便利ですが、旧市街から外れていることもあり空いています。

《ヴィーナーヴァルト》Winerward, Griesgasse 31
ゲトライデガッセの北に平行するグリースガッセにもレストランが数件あります。ここはそのひとつでとにかく安くてボリューム満点。店は少し古いですが、献立表には写真入りでメニューが書かれているので選びやすいです。チキンが得意のようです。味はかなり大味です。観光客よりも地元の人が良く来ているようでした。

《シュテルン・ブロイ》Sternbraeu,Griesgasse 23
ここは上記ヴィーナーヴァルトの通りでマカルト橋寄りにあります。何種類かのレストランに分かれていて広々とした店です。昼間でも空いていて予約なしでOK。ビールがお好きな方にはお勧めで、メニューも豊富。中庭にもカフェレストランがあり結構便利です。この中庭からゲトライデガッセに通り抜けできます。

《ゴルデナー・ヒルシュ》Goldener Hirsch, Getreidegasse 37
有名なレストランで、店の名前は「黄金の鹿」。ここはマチネーが終わってから利用しました。ただし昼間でも予約が必要。ターゲスメニュ(定食)がお手軽で便利。結構高いお値段ですがさすが美味しい。

《ノルトゼー》NORDSEE RESTAURNAT, Getreidegasse
ご存じシーフード専門のセルフ・レストランでウィーンと同じチェーン店です。肉料理に飽いた時の昼食にはぴったりですね。昼間はかなり並びますが、テーブルは意外と空いています。キャビア、サーモン、シュリンプのオープンサンドからパエリア、ひらめのフィレ、ロブスターに至るまでいろいろ選べます。特にウィーンと違って、ここの店は可愛い女の子がテーブルまで運んで案内してくれます。夕方に行くと空いています。夜は22時すぎまで営業。

《チャイナ・レストラン・ユエン》Chian Restaurant Yuen, Getreidegasse 24
ザルツには日本食はありませんが、白米を食べたければここがお勧めです。味もさっぱりしていて油濃くはありません。塩味も押さえぎみでヘルシー。チャーハンという言葉も通じますし、シュリンプ・チリと言えば海老と野菜がたっぷり入った海老チリが出てきます。お客は欧米の方がほとんどで、ここでアジアの方は見かけませんでした。比較的空いていて清潔な店です。値段はとても安くてお得です。特に月曜から金曜はミッターゲス・メニュ(定食)が5種類ほどあり、150〜200シリングくらいです。

《ピザ》店の名前は忘れました
ピザ激安の看板につられて入りました。ゲトライデガッセの路地にあり、比較的新しい店でかなり列が出来ていました。ノルトゼーのようにサラダやピザを注文してレジというシステム。出来上がったらウェイトレスが呼ぶので取りに行きます。チョリオーサとか何とかが20シリングくらい。サラダとドリンクを入れても50シリング前後。ただし味は最低なので入らないほうが良いかも。

《ファースト・フード》
ゲトライデガッセにマクドナルドがありますが、ここは超満員なのでパス。なぜかどの国でも人気があるようです。中央駅にはヨーロピアン・スナックというファーストフードがあります。リンツから電車でザルツブルクに戻ってきた夕方、ここでハンバーガーを食べました。地元の人が利用しているようです。他にもシュニッツェルなどもありました。

《ライナー・ステューベ》Reinerstube, Reinerstrasse 6-8
これは滞在したホテルの1階にあるレストラン。オペラが終わってタクシーを使うとホテルに戻ってしまうので、自ずとそこにあるレストランを利用するという訳です。昼間予約を入れておけばOK。単品にするかフルコースにするかはその日の調子で決めます。ここはオーストリア料理というよりは一般的な魚料理+肉料理の食べやすい料理。

《アウアースペルグ》Auersperg, Reinerstrasse 6-8
これも上記同様、ホテルの1階にあるレストラン。昼間はイタリアン・フェアをやっていました。上記レストランは高級とすればこちらは並み。スペースが広いので、空いています。

《アルト・ザルツブルク》Alt Salzburg
ここは祝祭劇場から馬の水飲み場方向へ少し歩いた所にあります。劇場から近いのでオペラ終了後の夕食に便利です。ただしその分混みますので予約は必要。階段状のテラスにも席があり、おしゃれなレストランです。

《カフェ》
利用したのはグロッケン・シュピールくらいです。それ意外はほとんど入りませんでした。というより入る時間が無かったです。さすがにマチネー+オペラではレストランでの昼食、夕食がせい一杯ですね。

●住について

観光客にとって「住」とは「ホテルそのもの」な訳ですが、音楽祭期間は、どこのホテルでも通常料金の2倍強に跳ね上がるようです。おまけに予約が困難で、半年くらい前から手を打つ必要がありそうです。音楽祭ホームページではオペラやコンサートのチケットの他に、ホテル予約もインターネットで出来るようですが、この実態はどうなのか不明です。おそらく満室という返事がくるのかもしれませんね。

ザルツブルクの市街に分散するペンションとか民宿ホテルは空いているのかもしれませんが、こちらの情報は分かりません。同じホテルでお会いした日本人の方から聞いた話だと、ある大手旅行会社のツアーでもザルツブルクに宿が取れなかったそうです。

ある日本人の方はザルツカンマーグートのホテルから音楽祭を往復されていました。理由はザルツのホテル料金が高すぎる為だそうです。往復にはレンターカーを利用されているとのこと。なるほどこんな方法もあるのですね。駐車場は祝祭劇場横のメンヒスベルクのトンネルを越えたところにあるので、便利かもしれませんね。この付近はアルトシュタット(旧市街)で、民家がかなり建っておりウィーンフィルの別荘なんかがあるそうです。

私が泊まったホテルはエアコンがあるので良かったですが、昼間は日本と変わらない猛暑なのでエアコンは必須です。それとジュースとミネラル・ウォーターとサンドイッチは毎日無料サービスでした。

●その他

《ウィンドウ・ショッピング》
ゲトライデガッセはいつも人通りで混んでますが、通りをはさんで路地にもブティックとか宝石とか民芸品とかの店が沢山あります。私はいつも通り過ぎて眺めるだけ。女性の方には目が放せない店が結構ありそうですね。そんな中で一軒だけ興味を持った店、というより商品がありました。

モーツァルト生家の近くの文房具店で、ウィンドウズCEのとても小さな携帯端末。キーボードはモバイルギアと同じフルサイズで、しかもモバイルギアよりも正方形に近くて小さく見えました。特に感心したのは本体のほとんどがキーボードとディスプレイだけで出来ているようで、縁どりはほとんどありません。日本で売られているウィンドウズCEでは縁どりが大きくて肝心のキーボードがとても情けないサイズ。これでは全然使い物になりませんよね。やはりドイツ語圏では実用を考えた商品を最初から提供するようです。さすが合理的・・・

《マリオネット劇場》
ご存じ人形劇オペラで、モーツァルテウムの横にある劇場。主に夕方16時くらいから開演で、魔笛だと18頃に終わります。是非1回は見たいと思いましたが、毎日オペラなので残念ならがらパスです。その代わりチケット売り場で魔笛のビデオを買いました。500シリングくらいで、収録は110分程度。魔笛が全曲という訳ではなく、所々ピーター・ユスティノフによる解説が入っていました。演奏はフリッチャイ指揮ベルリン放響。 マリオネット劇場のURLはここです。

tujimoto

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