2008.05.05 『フィデリオ』クラウス新演出クラウディオ・アバド&カンペ/バーデン・バーデン祝祭劇場 | ||
Musik Ludwing van Beethoven Musikalische Leitung Claudio
Abbado Don Fernando, Minister Diogenes
Randes Arnold Schoenberg Chor Coro de la Comunidad de Madrid Mahler Chamber Orchestra --- 今日はウィーン8:25発のGermanwings便でシュトゥットガルト9:40到着。ちなみにGermanwingsもCAT駅でチェックインできので非常に便利。シュトゥットガルト空港からはSバーンで中央駅に移動。次の列車まで時間があるので、緑鮮やかな歌劇場前の公園を散策した。12:01発のICでカールスルーエ12:53と移動し、13:09のICEに乗り換えて、バーデン・バーデンに13:23到着。今日はエクスプレス・ホリデイインにチェックインした。ホテルの裏庭から直接公園の中を歩いてゆくと噴水と橋があり、劇場まで2分と近い。 そして20時からはバーデン・バーデン祝祭劇場にて、ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」を見た。クリス・クラウス演出、クラウディオ・アバド指揮、マーラー室内管弦楽団、アルノルト・シェーンベルク合唱による演奏。ソリストはアニヤ・カンペ(レオノーレ)、ユリア・クライター(マルツェリーネ)、クリフトン・フォービス(フロレスタン)、アルベルト・ドーメン(ドン・ピツァロ)など魅力的なキャストが揃う。特にドーメンは昨年末のナポリ・サンカルロでのアンフォルタスが記憶に新しいところ。 パルケット・ミッテ最前列の席からはアバドの指揮とステージの両方を見ながらドラマに没頭出来る。そして既に序曲から若々しく躍動に満ちた音楽に驚嘆した。流麗で機敏な指揮裁きから各パートを最高のバランスでアンサンブルを引き締める。テンションの抑揚も絶妙。幕が降りたステージには左袖に大きな断頭台が置かれている。第1幕はスクリーン幕への照明とシルエットを重ね合わせた幻想的な場面から始まる。ちなみに断頭台はマルツェリーネの仕事台であって、彼女はこれを磨いたりする。牢獄の場面では、アーチ状の高い壁が立ちはだかり、シェロー演出の「死者の家から」に似た重圧感を表現。特にレオノーレがフロレスタンの居る地下に降りる場面では、ステージ右側の天井から下る長い梯子が象徴的であった。またピツァロは車椅子で登場し、ドーメンの存在感はさすがの貫禄。レオノーレ序曲は演奏されることなく、フェルナンドの到着の場面では、ステージ背景が明るく輝き、その逆光で囚人達がシルエット化し、視覚的効果を生み出す。そして何よりもオーケストラ各パートの緻密なアンサンブルに息をのむ。開放感、緊迫感もさることながらアバドの圧倒的な指揮が「勝利の音楽」へと導く。凄い演奏だった。20時から23時15分過ぎまで時を超越する密度の高さで、長い喝采が続いた。 |
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