2008.05.04 『ジークフリート』ベヒトルフ新演出フランツ・ウェルザー・メスト/ウィーン国立歌劇場


wiener staatsoper
Sonntag. 4. Mai 2008

Der Ring des Nibelungen
Siegfried
2. Tag des Buehnenfestspiels
Text und Musik von Richard Wagner

Dirigent Franz Welser-Moest
Inszenierung Sven-Eric Bechtolf
Buehne Rolf Glittenberg
Kostueme Marianne Glittenberg
Video fettFilm

Siegfried Stephen Gould
Bruennhilde Nina Stemme
Der Wanderer Juha Uusitalo
Alberich Tomasz Konieczny
Erda Anna Larsson
Mime Herwig Pecoraro
Fafner Ain Anger
Stimme des Waldvogels Ileana Tonca

Orchester der Wiener Staatsoper
Siegfrieds Hornruf: Lars Michael Stransky
Buehnenorchester der Wiener Staatsoper

Beginn 17 Uhr Ende 22 Uhr
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ウィーンフィルの後はゆっくりとランチを取り、ソフィテルにチェックインした。そして17時からウィーン・シュターツオーパーにてベヒトルフ新演出&ウェルザーメスト指揮のジークフリートを見た。昨年12月に見たワルキューレに続くプロダクションで、ジークフリートはステファン・グールド、ブリュンヒルデはニーナ・シュテンメ。ちなみに前回のワルキューレではエヴァ・ヨハンソンがブリュンヒルデでシュテンメはジークリンデだった。さすらい人は前回のヴォータンと同じく、ユハ・ウーシタロ。コンサートマスターはホーネック。またウェルザー=メスト指揮のジークフリートは2001年チューリヒでのロバート・ウィルソン演出以来となるので楽しみである。

第1幕は、四角く囲まれた壁とその上部に横一列に並んだ換気扇がアクセントを添えるシンプルなステージセット。階段状の床には作業台が3段×4列に並び、それぞれは鍛冶台であったり、キッチン台であったりする。第2幕も第1幕をベースとして、四方の壁には走る鹿などの剥製が多数並べて野性味を象徴。そして正面の壁が上に上がるとファフナーの巨大な目が映像として映し出される。オオトカゲの目のようでもあり、目から炎を上げる。ジークフリートはこれに飛び込むように消えると、目の中にジークフリートのシルエットが映し出される。ジークフリートは目の中でノートゥングであちらこちらを突き刺して、遂には目が赤色に染まり、かなり長身のファフナーが登場した。第3幕はステージ全体を曇りガラスの巨大な格子デザインの壁で覆われた場面から始まる。ブリュンヒルデの場面では、第1幕の正面壁を奥に傾斜させて、全体を炎の赤に染めた情景となる。ブリュンヒルデは正面中央に白いヴェールを何層にも多い被せられた状態になっており、ジークフリートがこれを順番にはがしてゆく。そのタイミングと音楽の展開が上手く合っていて、ブリュンヒルデとの出会いの高揚感を劇的に演出する。ウェルザーメストの叙事的かつドラマチックな音楽運び、キャストが一体となった演奏は実に素晴らしかった。特にシュテンメのブリュンヒルデは圧巻。5時間を全く感じさせない集中度で没頭させてくれた。



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