2007.12.09 『ワルキューレ』ウェルザーメスト&ベヒトルフ/ウィーン国立歌劇場 | ||
Der Ring des Nibelungen Dirigent Franz Welser-Moest Siegmund Johan Botha Orchester des Wiener Staatsoper 今日、12/9はウィーンフィルの後に、17時からウィーン・シュターツオーパーにてベヒトルフ新演出、のウェルザー・メスト指揮のワルキューレを見た。チューリヒでコンビを組んで来たベヒトルフとウェルザーメストがウィーンで繰り広げるリング・シリーズの初回プロダクションである。以後、来年4〜5月「ジークフリート」、来年12月「神々の黄昏」、再来年5月「ラインの黄金」と続く。さて今日のワルキューレは初日から3回目の公演。席はパルケット最前列左側。ウェルザーメストの指揮ぶりを見ながらステージを俯瞰する臨場感はさすがに迫力満点。冒頭の前奏から嵐の如くオーケストラの唸りに圧倒される。デリケートさとダイナミックさが柔軟に展開し、ウェルザーメストの凄い気合にもオーケストラが敏感に反応し、ステージと渾然一体化する。 暗めの照明をベースにステージはベヒトルフらしいシンプルさが首尾一貫して展開。狼が歩くシルエットなど映像を効果的に用いる。特に3幕のワルキューレたちが乗る騎馬は大きな彫像オブジェとしてステージに君臨し、ステージ全体に求心力を与えている。よって、全てがドラマに集中し、没頭させる。ヨハン・ボータ、ニーナ・シュテンメ、エヴァ・ヨハンソン、ユハ・ウシタロ、ミカエラ・シュスターらのキャストも素晴らしく、特にシュテンメのジークリンデは圧巻。とりわけ緻密かつダイナミックなアンサンブルによるスケールの大きなワルキューレに興奮した次第。さて今日のウィーンは朝から晴れ間も見え、マチネーではムジークフェラインも黄金に輝く天気。その後、曇り夕方からは雨が降り出した。 |
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