2007.12.06 『ダフネ』コンヴィチュニ&メッツマッヒャー/アムステルダム | ||
Richard Strauss originale productie muzikale leiding Ingo Metzmacher orkest Nederlands
Philharmonisch Orkest Peneios Frode
Olsen --- 今日、12/6は20時からネーデルランド・オペラにてコンヴィチュニ演出、メッツマッハー指揮のR.シュトラウス「ダフネ」を見た。オリジナルは1999年エッセンの上演でアムステルダムでは新プロダクション。精緻かつ透明な演奏と一筋縄ではゆかぬ刺激の演出が絶妙にマッチ。休憩無しの2時間、思考を巡らせる展開に目が離せなかった。ステージは四角い大広間をベースに、マッターホルンの背景画やビデオを映し出し、ダフネの通念に捉われない自由な発想に満ち溢れている。座席は最前列中央で、開放感あるオーケストラ・ピットのサウンドとステージのインパクトがダイレクトに押し寄せて来る。 特にフィナーレにかけてダフネが木に変身してゆく場面は圧巻。巨木の前に立つダフネ、その背景にはナチス・ドイツにまつわる様々な情景が映してダフネと同化させてゆく。ナチス集会の中央、ヒットラーが立つ位置にダフネが一致する場面に至っては、ナチスはダフネの生まれ変わりか?それとも人類の歴史をも超越する大自然の象徴か。ともかくダフネから底知れぬパワーを感じ取った。加えて素晴らしい演奏が情感を盛り上げてゆく。最後はR.シュトラウスの巨大な顔も映し出され、実に感慨深い。神話の時代からR.シュトラウスが生きた時代、さらには現代、未来永劫をダフネが見守っているような普遍性すら感じた。ハンブルクでコンビを組んできたコンヴィチュニとメッツマッハの息のあった展開も絶妙で、刺激的演出と素晴らしい演奏が生み出す圧倒的な陶酔感に浸った次第。さてアムステルダムは雨が降り続く天気で暖冬気味の模様。 |
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