2007.10.12 『バヤゼット』ビオンディ&エウローパ・ガランテ/ヴェネチア・マリブラン劇場 | ||
BAJAZET personaggi e interpreti maestro concertatore e direttore a cura di orchestra con sopratitoli 今日は、RERでシャトレからCDG1駅に出て、ここから徒歩5分のCDG3に移動した。8:25発の格安イージー・ジェットでミラノ・マルペンサに飛ぶ。霧のため出発がやや遅れたが、10:10にマルペンサ到着。10:30のシャトル・バスで立ちミラノ中央駅には11:25到着。11:55発のユーロスター・シティでヴェネチア・サンタ・ルチア駅に向かう。イタリア鉄道のサイトで予めオンライン購入したチケットはDBと同様、座席指定も出来て、自分でプリントアウトするタイプ。ファースト・クラスで32ユーロと安く、チケット売り場に並ぶ必要も無くとても便利だ。14時半に定刻通り到着し、ローマ広場横の公園にあるソフィテルにチェックインした。メンバー会員の特典からか最上階のとても良い部屋に案内され、シャンパンのサービスから何種類ものギフト付きというサービスぶり。さて今年1月のヴェネチアは寒い曇り空であったが、今日は未だ夏を思わせる陽光で、ゴンドラが行きかう運河が眩しく輝いている。夕方は、リアルト橋近くの運河沿いのテラスでロブスターのパスタをプロセッコとともに楽しむ。ヴェネチアならではの情景は最高。そしてテアトロ・マリブランに移動し、オンライン予約のチケットをピックアップ。 19時からファビオ・ビオンディ指揮のエウローパ・ガランテによるヴィヴァルディの歌劇「バヤゼット」を見た。テアトロ・ラ・フェニーチェの今シーズン8本目となるプロダクションで、アニア・ルダックによる新演出。会場はフェニーチェではなく、古楽オペラに相応しいマリブラン劇場。路地裏の一角にある劇場は一見すると見落としてしまいそうな小さな建物であるが、内部には質素なホワイエが取り囲み、ステージと客席は立派。天井画も美しく椅子もゆったりとした心地よさ。音響も素晴らしい。 さてステージには矩形の白を基調とした空間の中、正面に三つの扉、左右にもそれぞれ二つの扉があり、中央に赤いソファーがひとつ置かれている。全3幕のセットはこれをベースにしたシンプルなもので、演奏会形式風に展開してゆく。登場人物も全員黒の衣装。バヤゼットは黒のスース、タメルラーノはタキシード、イレーネは黒のドレスといった感じで、日本公演の時のカラフルな衣装とは一変。このシンプルなキャンバスに豪華キャストの白熱した演技と歌が冴え渡る。そしてビオンディ率いる卓越した古楽アンサンブルが緊迫したドラマ展開と沸き立つ音楽を作り出し、見るものを釘付けとした。ダニエラ・バルチェローナ(タメルラーノ)の貫禄とヴィヴィカ・ジュノー(イレーネ)の超絶的歌唱は時に際立ち、クリスティアン・セン(バヤゼット)、マリーナ・デ・リッソ(アステーリア)、ルチア・チリッロ(アンドロニコ)、マリア・グラチア・シャーヴォ(イダスペ)とキャスト全てが素晴らしいアンサンブルを繰り広げた。ビオンディはヴァイオリンを弾き振り、その華麗なソロも見事に尽きる。休憩2回挟んでの3時間半は極上のヴィヴァルディに酔った。 |
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