2007.08.16 『魔弾の射手』フリム演出/ザルツブルク・フェスティバル | ||
Carl Maria von Weber (1786-1826) In deutscher Sprache mit englischen Uebertiteln Markus Stenz, Musikalische Leitung Markus Butter, Fuerst Ottokar Wiener Philharmoniker Donnerstag, 16. August 2007,
19.30 Uhr --- 今日は19時30からモーツァルト劇場にてウェーバー作曲「魔弾の射手」を見た。演奏はマーカス・シュテンツ指揮のウィーンフィル。演出は、ユルゲン・フリムの弟子でもあり、シャウビューネなどドイツ演劇界にて劇作および演出で活躍中のファルク・リヒター。ビューネ誌、彼のインタビューによれば、古くからおとぎ話には暗い森での恐怖を描き、悪魔を呼び起こす話が多い。特に魔弾の射手、フリードリヒ・キントの台本はデイヴィッド・リンチ監督のツイン・ピークスを連想するとのこと。射手を軍人として捉え、核の問題をも示唆した興味深い演出だった。 ステージは中央部が矩形の大きな空間としたシンプルなもの。その左右の袖はスクリーンとしてカスパールが運転する車でマックスが狼谷に向かう場面などが映し出される。ステージのTVモニターなど映像を効果的に使うなどユニークな工夫で見るものを惹きつける。特に燃え盛る炎が派手に使われ、渦を巻いて天井に達する巨大の炎!今日もパルケット最前列であったが、かなりの熱風に驚いた。2階席にも熱波が届いたという。また台本には無い謎の人物やサミュエルの二人の助手など演劇としてのアプローチが加わっているのは極めて面白い。以前、フリムが演出したキング・アーサーでの手法を思い出させる。 シュテンツの機敏な指揮は演劇と一体となった絶妙さ。ホーネック以下ウィーンフィルのアンサンブルはさすがに素晴らしい。マックス役のザイフェルト、アガーテのシュニッツァー、サミュエルのキルヒナーなど素晴らしいキャストで魔弾が聞けたのが嬉しい。この3日間で聴いた5つのプログラムは奇しくも全てウィーンフィルの演奏となった。5人の指揮者ともに気合十分だった。 |
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