2007.08.15 『ベンヴェヌート・チェリーニ』ゲルギエフ指揮ウィーフィル/ザルツブルク・フェスティバル | ||
Neuinszenierung Valery Gergiev, Musikalische
Leitung Burkhard Fritz, Benvenuto Cellini Wiener Philharmoniker Mittwoch, 15. August 2007, 19.30
Uhr --- 今日は19時30分から祝祭大劇場にてベルリオーズ作曲「ベンヴェヌート・チェリーニ」を見た。演出はフィリップ・シュテルツル、演奏はヴァレリー・ゲルギエフ指揮のウィーンフィル。当初予定されていたカサロヴァとシコフがキャンセルとなったのは残念だったが、本公演はとても面白い内容だった。今日の座席もパルケット最前列ど真ん中だったため、目前のゲルギエフから凄い気迫が伝わってくる。爪楊枝のような短い指揮棒を振りかざして野獣の唸り声と気合でもってオーケストラを引き締める。キュッヒル筆頭にウィーンフィルの豪快なアンサンブルが凄い迫力。 さてステージは近未来を象徴したSF世界。ビルの谷間の中、マシンが空を飛び交い、まるで映画を見ているかのよう。バルドゥッチ家のビル屋上にテレーザの部屋があり、彼女の召使は滑稽な2台のロボット。チェリーニはヘリコプタで現れるといったユニークさで、ステージのあちらこちらに賑やかな仕掛けが一杯。テレーザ役のマイヤ・コヴァレフスカは美少女といった感じでカラフルな衣装を何度も着替えてアリアを歌う。ケイト・オルドリッチ演じるアスカーニオはアンドロイド風の黄金鎧姿。他にも縫いぐるみとか魑魅魍魎たちが沢山登場して、ともかく派手でパロディックな展開を見せる。 斯くの如く強烈なステージでは音楽が霞んでしまいそうだが、ゲルギエフは決してステージに負けることなく、むしろステージとともに燃え上がる演奏を聞かせてくれた。パノラマティックなステージとパンチの効いたアンサンブル!全く時間を忘れてその面白さに没頭した。なお本日の公演は沢山のTVカメラで収録されていた。以上、今日はウィーンフィルのトリプルヘッダーと非常に充実した一日となった。 |
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