2007.05.13 クリスチャン・ヤルヴィ&トーンキュンストラー/ムジクフェライン


TONKUNSTLER orchester niederoesterreich
Sonntag, 13. Mai 2007, 16 Uhr
Wiener Musikverein, Grosser Saal

George Enescu(1881-1955)
Rumaenische Rhapsodie Nr.1 A-Dur op.11

Maurice Ravel(1875-1937)
Tzigane
Konzert-Rhapsodie fuer Violine und Orchester

Zoltan Kodaly(1882-1967)
Hary Janos-Suite

Pause

Zoltan Kodaly
Taenze aus Galanta

Wojciech Kilar(*1932)
Orawa

Bela Bartok(1881-1945)
Rumaenische Volkstaenze

Ivo Csampai(1899-1845)/ Janos Bihary(1764-1827)
Memory of Bihary

Pablo de Sarasate(1844-1908)
Zigeunerweisen op.20
fuer Violine und Orchester

Russisches Volksliedgut
Deux Guitares
Arrangement fuer Violine, Ensemble und Orchester

Vittorio Monti(1868-1922)
Csardas
Bearbeitung fuer Violine und Orchester

Tonkuenstler-Orchester Niederoesterreich

Roby Lakatos Ensemble
Roby Lakatos Violine
Laszlo Boni Violine
Jeno Lisztes Cymbal
Frantisek Janoska Klavier
Robert Feher Kontrabass

Alexander Gheorghiu Violine

Kristjan Jaervi Dirigent
----

ウィーンフィルに引き続き16時からはムジークフェラインにてクリスチャン・ヤルヴィ指揮のトンキュンストラ・オーケストラを聴いた。プログラムはハンガリー・ジプシー系で、ラカトシュ・アンサンブルが競演する。ラカトシュは以前に2度ほど来日公演を聞いたことがある。ジプシー・ヴァイオリンの怪人という異名を持つその刺激的なアンサンブルは忘れられない。

プログラム冒頭はエネスコのルーマニア狂詩曲1番。弦の厚みのあるサウンドが大らかに鳴り響く。ラヴェルのツィガーヌではコンサートマスターのアレキサンダー・ゲオルギューがソロを披露。そしてコダーイのハリー・ヤーノシュ組曲が続く。ムジークフェラインが共鳴するほどの朗々とした響きと独特のメロディ、リズムが素晴らしい。途中、ヤナーチェクを思わせるパッセージも聞かれ、ボヘミア情緒もひとしお。颯爽としたクリスチャンの踊るようなタクトさばきにオーケストラも熱気が漲る。

後半はコダーイのガランタ舞曲から始まり、続いてラカトシュ・アンサンブルが登場した。ステージは、パルケットのサークル席を取り外して拡張され、左側にチンバロン、ピアノ、コントラバスを配置。ロビー・ラカトシュは左右に位置を変えながら自在にジプシー・ヴァイオリンを操る。バルトークのルーマニア舞曲ではラカトシュ・アンサンブルとオーケストラが共に火花を散らすコラボレーション。チンパロンやピアノのソロあって大喝采が続く。サラサーテのツィゴイネルワイゼンでは、ラカトシュとコンサートマスターがフレーズごとに交代しながら演奏するといった面白い趣向が取られる。途中からデュオに変わってスリリングな興奮が巻き起こる。曲はモンティのチャルダーシュに続くといった即興的アレンジ。ともかくオーケストラでは珍しいほどの熱狂的な喝采となった。



[HOME]