les maitres chanteurs de
nuremberg
Opera en trois actes
Poeme et musique de Richard
Wagner
Nouvelle production
grand theatre de geneve opera
17 decembre 2006 a 15h
distribution
Direction musicale Klaus Weise
Mise en scene et decors Pierre
Strosser
Costumes Patrice Cauchetier
Lumieres Joel Hourbeigt
Hans Sachs Albert Dohmen
Veit Pogner Walter Fink
Kunz Vogelsang Matthias
Aeberhard
Konrad Nachtigall Josef Wagner
Sixtus Beckmesser Dietrich
Henschel
Fritz Kothner Andrew Greenan
Balthasar Zorn Andre Post
Ulrich Eisslinger Ivan Matiakh
Augustin Moser Henry Moss
Hermann Ortel Bernhard Spingler
Hans Schwarz Mark Richardson
Hans Foltz Martin Snell
Walther von Stolzing Klaus
Florian Vogt
David Toby Spence
Eva Anja Harteros
Magdalene Fredrika Brillembourg
Un veilleur de nuit Diogenes
Randes
Orchestre de la Suisse Romande
Choeur du Grand Theatre
Direction Ching-Lien Wu
Choeur Orpheus de Sofia
Direction Krum Maximov
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今日は15時からジュネーヴ大劇場にて<a
href="http://www.geneveopera.ch/index.php?id=3&prod=102&saison=06-07">ピエール・ストロッサー新演出ニュルンベルクのマイスタージンガー</a>を見た。当初はアミン・ジョルダンの指揮予定であったが故人となられた為、クラウス・ヴァイゼが指揮を担当。キャストはアルベルト・ドーメンのハンス・ザックスを筆頭に予定通り。ちょうどFRAに向かうルフトハンザの機内ニュースで本プロダクションが紹介されており、ドーメンのインタヴューや練習風景などが興味深かった。前回、この劇場を訪れたときはアミン・ジョルダン指揮のジークフリートで、さすらい人役だったドーメンがやはり素晴らしかった。今回はハンス・ザックスということで貫禄に加えて諦念にも近い深い味わいぶりを演じた。モノローグはまさに感動もので、フィナーレでザックスが湛えられていながらも、一人ピアノに座り込んで考え込む演出に深いものを感じざるを得ない。
さてステージはシンプルながらも、広いスペースを有機的に活用したセット。冒頭、教会の場面では、右手にピアノがあり、長椅子が客席に向かって並べられている。第1幕への前奏曲では、教会に集まってくる人々の表情をリアルに演じた点が面白い。奇しくも本日は、ジュネーヴに朝早く到着したため、ノートルダム教会のミサに参加した。まさにその風景が、マイスタージンガーの場面と折り重なっているようで人々との心のふれあいがリアルに伝わってくる。さらにヴァイゼ率いるスイス・ロマンド管弦楽団の演奏も心温まるもので、力強さの中にも人を包み込む柔らかさに満ちている。2幕では教会の上手く側面を入れ替えて立体的な街角に仕立てる。左手にザックスの靴屋、右手の2階がエヴァの部屋、さらに中央は奥深くに通りが延びる。3幕ではザックスの部屋から広場に転換する鮮やかさと活気に満ちた展開。
キャストでは、ドーメンは勿論のこと、ポーグナーを歌ったヴァルター・フィンクも素晴らしい。ディートリッヒ・ヘンシェルが巧みなベックメッサーを演じたのにも注目される。そしてクラウス・フローリアン・フォークトのヴァルターは最高。伸びのあるヘルデンは決して力むことなく、流麗、輝かしさ、若さをごく自然に描いてゆく。ルネ・コロ以来の素晴らしいワーグナーテノールと確信させてくれた。事実、彼が歌う場面では会場全てがオーラに包み込まれたようであった。終演は夜8時55分。ほぼ6時間は全く長さを感じさせない充実と盛り上がりだった。
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