2006.07.30 ルーチョ・シッラ/ザルツブルク・フェルゼンライトシューレ

 

 

SALZBURGER FESTSPIELE 2006

LUCIO SILLA

Sonntag 30.Juli 19.30 Uhr

Felsenreitschule

 

Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)

LUCIO SILLA

Drama per musica in drei Akten KV 135

Text von Giovanni de Gamerra

Koproduktion mit dem Teatro La Fenice Venedig

 

Dirigent, Tomas Netopil

Inszenierung, Jurgen Flimm

Buehne, Christian Bussmann

Kostueme, Birgit Hutter

Licht, Catharina Luehr

Choreinstudierung, Emanuela Di Pietro

 

Lucio Silla, Roberto Sacca

Giunia, Annick Massis

Cecilio, Monica bacelli

Lucio Cinna, Veronica Cangemi

Celia, Julia Kleiter

Aufidio, Stefano Ferrari

 

Tanzer;

Adriana Bolzanella, Alexey Dmitrenko

Tina Havers, Megan Loehn, Virginie Roy

 

Chor und Orchester des Teatro La Fenice Venedig

Cembalo (Continuo) Stefano Gibellato

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さて本日のガラ・マチネーの後は、シュトゥットガルトに移動して、コンヴィチュニー新演出のマルティン・クラウス作曲「カルタゴのエネアス」を見る予定にしていた。が、公演間際になって発表された開演時間は何と昼の15時半。当然のごとく夜公演であると確信していたのだが、これではガラ・マチネーから駆けつけても間に合わない。よって、急遽予定を変更し、今日はザルツブルクの泊まることにした次第。 それゆえ夜は<a href="http://www.salzburgfestival.at/spielplan_werk.php?lang=1&id=3822&sommerflag=1">ユルゲン・フリム新演出の「ルーチョ・シッラ」</a>を見ることにした。ちなみに「カルタゴのエネアス」はコンヴィチュニーが演出できなくなったらしい。

 

ユルゲン・フリムと言えば、昨年のキング・アーサーが思い出される。今日のルーチョ・シッラと同じく、フェルゼンライトシューレの大パノラマをフルに駆使したスペクタクルな展開が素晴らしかった。一方、本日のルーチョ・シッラでは中央の凱旋門をいろいろ回転させたりして、左右のステージに衝立などをセットし、左右に分離した空間として活用。スペクタクルさではキング・アーサーの時のどの仕掛けは無いものの、ユニークなデザイン衣装や登場人物のキャラクターを上手く描き分けてゆく。ザルツブルクでのルーチョ・シッラと言えば、祝祭小劇場でのムスバッハ演出も忘れがたいが、左右広大に広がるフェルゼンライトシューレは対照的なものとなるのが面白い。

 

以上の演出上のユニークさに加えて、トマス・ネトピル指揮のフェニーチェ歌劇場のオケ、歌手陣営が予想以上に素晴らしかった。外来オケの公演とは思えぬほど、まるでウィーンフィルのようにフェルゼンライトシューレに手馴れたオケかと思わせる。推進力の溢れ、アリアと絶妙に呼応しあってゆく。モーツァルト初期オペラの醍醐味を堪能させると同時にドラマにぐいぐいと引っ張ってゆく求心力も凄い。これならば「カルタゴのエネアス」に行かず、ザルツブルクに留まって大正解であったと納得。以上、本日のダブルヘッダーは充実し過ぎていた。



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