2006.07.28『ガウラのアマディージ』バンソ&アル・アイレ・エスパニョール/モンペリエ

 

Le Festival de Radio France et Montpellier

Vendredi 28 juillet 2006

Montpellier, Opera Comedie, 20h

 

Georg Friedrich Haendel

Amadigi di Gaula, opera en trois actes HMW11 (1715)

Livert de Giacomo Rossi d'apres A. Houdar de la Motte <<Amadis de Grece>>

Version concert

 

Maria Riccarda Wesseling, mezzo-soprano: Amadigi

Elena de la Merced, soprano: Oriana

Sharon Rostorf-Zamir, soprano: Melissa, Orgando

Jordi Domenech, contre-tenor: Dardano

Matins Zvigulis, tenor

Andris Gailis, basse

 

Al Ayre Espanol Orquestra

Eduardo Lopez Banzo, direction et clavecin

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今日は20時から<a href="http://www.opera-montpellier.com/">オペラ・コメディ</a>にて<a href="http://www.festivalradiofrancemontpellier.com/2006/2006-amadigi.php">ヘンデル「ガウラのアマディージ」演奏会形式</a>を聞いた。この演目は日本では殆ど上演されることが無く、ヨーロッパでも上演頻度は少ない。よってこれを見逃す訳には行かない。昨日のフィエスクなど希少価値の高いオペラがモンペリエで二日連続する機会はとても嬉しい。さらに演奏はエドアルド・ロペス・バンソ率いるアル・アイレ・エスパニョールとなれば、さらに聞き逃せない。このアンサンブルはCD録音は少ないものの、一昨年発売された「17世紀スペイン大聖堂の音楽」の素晴らしさから是非ライブで聴いてみたいと思っていた。

 

会場となるオペラ・コメディはホテルから徒歩2分ほどのコメディ広場にあり、重厚な建物が美しい。伝統的な馬蹄形劇場でドームに描かれたフレスコ画、壁に施された金の装飾が建設当時の古さで残っている。パルケットは段差が無いが前後の列で交差した配列のため視界も良好。コンチェルタンテのため、ステージに古楽アンサンブルが上がって、前方横一列に歌手達が並ぶ。左手後方には嵐の描写のためのブリキ板、右手には2台の大きなテオルボが配置。なお指揮者の対面にチェンバロが位置する。昨日同様に、ステージ背面は照明効果が施されている。

 

さて演奏は期待したとおり素晴らしく、バンソの左右に動く指揮のリズムに音楽が求心してゆく。典雅なデリカシーさと豪快なダイナミズムが絶妙にバランスしてヘンデルの醍醐味を盛り上げてゆく。歌手ではマリア・リカルダ・ヴェッセリンクのアマディージが一際素晴らしく、繊細な陰影と深みに魅力されてゆく。コンチェルタンテ形式ながらも3時間以上に及ぶ大作を時間を超越して没頭させる充実ぶり。20時に開演して2回の休憩を挟んでほぼ24時近くに終演。これも盛大な喝采が長く続いた。会場ではアンサンブルが収録したオペラ「ユピテルとセレメ」のCDが20ユーロで売られており、これをゲットした。

 

なお今年のモンペリエ音楽祭はエルヴェ・ニケ率いるコンセール・スプリチュエルのマラン・マレ歌劇「セレメ」に始まり、ヴィンフリート・トール&フライブルク古楽アンサンブルのヘンデル「アレキサンダーの饗宴」、ビオンディ&エウローパ・ガランテによるヴィヴァルディ「バヤゼット」など魅惑の古楽が目白押し。そのほか、クラシックからジャズに至るまで多彩に展開されており、街中でも各国の民族音楽グループがオープン・ライブを繰り広げていた。地元ぐるみに展開しているのは目白バ・ロック音楽祭にも似たところがあったのが面白い。



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