2005/08/11 アバド&ルツェルン祝祭管弦楽団/ルツェルン・フェスティバル

 

LUCERNE FESTIVAL

SINFONIEKONZERT 1

ORCHESTRA-IN-RESIDENCE

Do 11 Aug 19.30 Uhr

Konzertsaal

 

LUCERNE FESTIVAL ORCHESTRA

CLAUDIO ABBADO Leitung

ALFRED BRENDEL Klavier

 

LUDWIG VAN BEETHOVEN (1770-1827)

Klavierkonzert Nr.3 c-Moll op.37 (1800-02)

 Allegro con brio

 Largo

 Rondo, Allegro

 

Pause

 

ANTON BRUCKNER (1824-1896)

Sinfonie nr.7 E-Dur WAB107 (1881-83)(Ed. Nowak)

 Allegro moderato

 Adagio. Sehr feierlich und sehr langsam

 Scherzo. Sehr schnell - Trio. Etwas langsamer

 Finale. Bewegt, doch nicht schnell

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日本を出てちょうど2週間を経過した。このところ天気が良く晴れて景色がとても良い。日中も気温が低くとても爽やか。朝夕はかなり冷え込む。今日は、昨日のバルトリの興奮覚めやらぬ中、バーデンバーデンへ移動し、アバド指揮のルツェルン・フェスティバル・オーケストラを聴く。朝9:17バーデンバーデン発のICEでバーゼルに10;50頃到着。11:04発のICに乗換えて、12:13にルツェルンに到着した。湖畔は大変素晴らしい景色で、しばらく散歩などしてゆっくりと過ごした。ちなみにホール裏手には、リハーサルが終わったばかりなのか、オーケストラのメンバーが居た。今日はコンサートまで一日ゆっくりとする。

 

さて今日がルツェルン・フェスティバル開幕日とあってか、コングレスツェントゥルムは賑わっている。プログラムは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲3番とブルックナーの交響曲7番。前半はブレンデルがピアノを弾く。アバド指揮のピアノ協奏曲3番はベルリンフィル定期にてペライアのピアノで聴いたのが強く印象が残っている。ちなみにブレンデルとの共演ではベルリンフィル定期でのピアノ協奏曲5番が貫禄十分の素晴らしさだった。以上から、今日の組み合わせによる3番の協奏曲は大変楽しみであった。さて演奏は、アバドの指揮が実に若々しい音楽を聞かせてくれた。エネルギッシュな展開は勿論のこと,ブレンデルとの息のあったフレーズの全てに納得させられる。特に2楽章では、ブレンデルの神妙な表情も音楽とともに刻々と変化を見せ、その感情移入の深さが痛く伝わってくる。席はパルケット3列目右側と、ステージに近すぎる為、音響が悪いのではと思っていたが、ステージ上方の空間がドーム役目を果たして、絶妙にブレンドされた響きは素晴らしいものであった。またオーケストラの質感、密度の高さは、さすがに素晴らしく、3楽章ではティンパニの連打がアクセントとして効果を発揮していた。

 

後半のブルックナーの交響曲7番。アンサンブルの密度はさらに増して、フェスティバル・オーケストラとしてのまとまりの良さを聴かせた。そして何にも増して、アバドの肯定的な指揮が、壮大なブルックナーの響きを作り出す。1楽章の低弦の引き締まった強靭なアンサンブルは底辺をささえ、各パートが一体となって重なっていく。前半でも感じたように、ホール天井の高さが教会のような伽藍を構成し、無数の響きがひとつに溶け合っていく。先日、レンツブルクの教会でBCJの素晴らしい音楽を体験したが、ちょうど今日もそのような印象を受けた。1楽章ではアバドの笑みとともに、明るい色調のサウンドが力強く響き、神妙な表情で、音楽の深みが増す。中間部のクライマックスでは、大きく体を使って、オーケストラを炸裂させていく。こういった展開が、4つの楽章全てに行き渡り、総じて大きなうねりを生み出す。やはり素晴らしいブルックナーであった。

 

マーラー・チェンバーを母体とするオーケストラのコンサートマスターはブラッハー。ヴィオラには今年2月の来日公演では来日出来なかったヴェロニカ・ハーゲンも居る。チェロのトップはウィーンフィルのバルトロメイ。ザビーネ・マイヤーやアルブレヒト・マイヤーも演奏していた。さて本日の演奏はTV収録され、SF1にて時間差でTV放送された。最後の方をTVで見ることが出来たが、アバド快心のブルックナーはやはりTVでも素晴らしい。前半に出演したブレンデルも客席から拍手をしていた。



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