2005/08/02 『ラ・ボエーム』ゲオルギュー&アラーニャ/オランジュ音楽祭

 

Choregies d'Orange 2005

Theatre Antique Mardi 2 Aout a 21h30

 

Puccini

La Boheme

Opera en Quatre Actes

Livret de Giuseppe Giacosa et Luigi Illica

D'Apres le Roman Scenes de La Vie De Boheme D'Henri Murger

(Editions Musicales Ricordi)

 

Direction musicale, Jesus Lopez-Cobs

Etudes musicales, Janine Reiss

Chef de chant, Kira Parfeevets

Mise en scene, scenographie, Nicolas Joel

Eclairages, Vinicio Cheli

Costumes, Gerard Audier

 

Mimi, Angela Gheorghiu

Musetta, Annamaria Dell'Oste

Rodolfo, Rberto Alagna

Marcello, Franck Ferrari

Colline, Orlin Anastassov

Schaunard, Nicolas Teste

Benoit, Lionel Peintre

Alcindoro, Michel Trempont

Parpignol, Jean-Pierre Lautre

Sergente dei Doganieri, Marc Malardenti

Il Doganiero, Xavier Seince

Il Venditore Ambulante, Thierry Di Meo

 

Orchestre National de France

 

Choeur de l'Opera de Nice

Chef de choeur, Giulio Magnanini

 

Choeur de l'Opera de Toulon

Provence-Mediterranee

 

Chef des choeurs, Catherine Alligon

Coeurs de l'Opera-Theatre d'Avignon et des Pays de Vaucluse

Chef des choeurs, Stefano Visconti

 

Maitrise des Bouches-du-Rhone

Direction, Samuel Coquard

 

Musique de scene, Ensemble Instrumental des Choregies d'Orange

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今日はロンドンからフランスに移動し、オランジュ音楽祭のラ・ボエームを見る。ヴィクトリア駅8時発のバスでルートン空港へ向い、ここから11:25発のRyanairで南仏ニーム(FNI)に14:00に到着した。フライト料は25ポンドとかなり安い。地上に降りると、さすがにロンドンの日差しに比べて、強烈な太陽が降り注いでいる。とはいえ爽やかな風が吹いていて暑くはない。ちなみにロンドンの天候は晴れと曇りの繰り返しであるが、朝夕はかなりの冷え込みとなる。コートを着ている人も多かった。ニーム空港からはバスで駅に出て、アビニョン乗換えでオランジュに向う。列車2本の乗車時間は1時間30分と短めであるが、今日からユーレイルパスを使う。オランジュには予定とおり17:14に到着する。

 

オランジュのホテルは込み合っているが、ホテル・ファインダーのサイトから劇場近くのホテル・アレーネを予約できた。チェックインすると、今日はレストランが混み合うので、ホテルのイタリアン・メニューを勧められた。オペラの終演は0時過ぎとなるが、殆どのレストランは閉店となるので、開演前の夕食が混み合う為である。アドバイスの通り、ディナーを予約し、それまでは街を散策する。まず古代劇場まではホテルから3分ほどで行ける。テラスが並ぶレストラン街を出ると巨大な壁が聳えている。あちらこちらで座布団が売られ、買っている人もいれば、自宅から持参してきている人も多い。夜7時過ぎからホテルのテラスでディナーを取る。さすがに南仏の魚介料理は美味でワインが合う。9時に食事が終わり、そのまま劇場に移動する。座席は中央Aブロックの4列目で視界が良好。席は個々の椅子ではなく、ローマ時代から残る段々畑の石畳に席番がチョークで記入されている。かなり窮屈に配列されているが、前後の段差が大きいため、開放感を感じる。

 

さて演奏はロペス・コボス指揮のフランス国立管弦楽団。合唱はニース、トゥーロン、アヴィニョンの歌劇場が参加。キャストでは、アンジェラ・ゲオルギューのミミとロベルト・アラーニャのロドルフォが素晴らしく、特にアラーニャの美声が朗々と響きわたり、観客を魅了した。ゲオルギューは、ピアニッシモでも微妙なニュアンスが野外の大劇場でも聞き取れることに驚いた。ちなみにステージ正面は巨大なパノラマ岩壁として迫っており、半円形で取り囲む客席の反響で、音量が増幅される効果を持っている。マチェラータも同様であるが、オランジュの方が良く響く。ニコラス・ジョエル演出による舞台セットは簡素なものの、第1幕では比較的オーソドックスな展開で、部屋の扉はステージの床に設けられている。やはり1幕はロドルフォとミミの場面が素晴らしく、ゲオルギューとロドルフォの二重唱にうっとりとした。ステージでは2幕が最大の見せ場となる。巨大な観覧車が左右中央の3基配置され、色とりどりのネオンサインを光らせながら、音楽に合わせて回転する。左右の広大なパノラマ舞台を駆使し、普通のオペラハウスでは不可能なスペクタクルさを演出する。ここで30分の休憩を入れて、3幕、4幕と進む。特に3幕は冬の雰囲気が巧みであった。実際、野外の気温がかなり寒い。冷たい風が吹き付け、観客の多くはコートを着ている。迫真の4幕をクライマックスとして0時10分に終演した。

 



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