2005/05/27
アバド&フレミング&ベルリン・フィル/フィルハーモニー


Berliner Philharmoniker
Claudio Abbado DIRIGENT
Renee Fleming SOPRAN

PHILHARMONIE
Fr 27. Mai 2005 20 Uhr Sonderkonzert

Alban Berg (1885-1935)
Sieben fruehe Lieder
fuer eine Singstimme und Orchester
1. Nacht. Sehr langam
(Text: Carl Hauptmann)
2. Schilflied. Massig bewegt
(Text: Nikolaus Lenau)
3. Die Nachtigall. Zart bewegt
(Text: Teodor Storm)
4. Traumgekroent. Langsam
(Text: Rainer Maria Rilke)
5. Im Zimmer. Leicht bewegt
(Text: Johannes Schlaf)
6. Liebesode. Sehr langsam
(Text: Otto Erich Hartleben)
7. Sommertage. Schwungvoll
(Text: Paul Hohenberg)

PAUSE

Gustav Mahler (1860-1911)
Symphonie Nr.4 G-Dur
1. Bedaechtig. Nicht eilen - Recht gemaechlich
2. In gemaechtlicher Bewegung. Ohne Hast
3. Ruhevoll (Poco adagio)
4. Sehr behaglich. >> Wir geniessen die himmlischen Freuden<<
(Text aus der Liedersammlung Des Knaben Wunderhorn von
Clemens Brentano und Achim von Arnim)
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今、ドイツ各地は真夏日となっている。昨日は30度Cであったが、今日のベルリンは35度近くの暑さになった。コンサートが始まる夕刻になれば暑さも収まり、外も大分気持ちの良い空気に満たされている。さて、今日はフィルハーモニーにてクラウディオ・アバド&ベルリン・フィルを聴く。毎年この時期にアバドが振るBPOは大変な人気でチケット入手が困難とのこと。ほぼ1年前から書面にて申込んでいたので、早々とチケット購入出来たが、来年の分も今月始めベルリンに滞在した折に申込んでおいた。

本日のプログラムは、アルバン・ベルクの初期の7つの歌とグスタフ・マーラーの交響曲4番。前半と後半にルネ・フレミングが出演するのも魅力であるが、何よりもアバドのマーラーが聴けるのは嬉しい。昨年6月のマーラー6番が圧倒的な名演奏だったので、今年の4番も大いに期待される。ちなみに6番のCDはフィルハーモニーの売店で販売されていたので、早速購入した。

冒頭のアルバン・ベルク、アバドがヴォツェックで素晴らしい演奏を繰り広げたように、精緻なアンサンブルがフレミングの歌と溶け合う様が実に素晴らしかった。それぞれの詩は作者が異なる作品に拠っているものの、全体として一貫した纏まりすら感じる。特にナイチンゲールの歌は明るさとロマン漂う音楽に魅了された。前半はほぼ20分ほどであったが、後半のマーラー4番の終楽章でのフレミングとあわせて、プログラム全体をコントラスト付ける位置付けとしても、興味深いプログラム構成と感じさせる。

後半のマーラー4番、期待した通り、活力に満ちた至福の音楽が湧き出す展開となった。冒頭の鈴と第1主題に心が躍り、続く第2主題はたっぷりと響くチェロに酔いしれる。展開部はさすがに盛り上がって、瞬時にダイナミックレンジが数段アップして行く爽快感。ちなみに本日はライナー・ゾンネがコンサートマスターを務めたが、2楽章では調律を変えたヴァイオリンに持ち替え、独特のソロを奏でる(プログラム冊子にはガイ・ブラウンシュタインがソロの予定であったが)。圧巻は3楽章で、感動的な第1主題を経て、第2主題が変奏される過程のテンションと抑揚が素晴らしい。大きく歓喜が炸裂する箇所では一瞬ながらもマーラーの3番を回顧させ、フィルハーモニーを瞬時に駆け抜ける大音響に圧倒させられる。そして4楽章のソプラノ独唱。4つの詩に交互に現れる1楽章冒頭の鈴を指揮するアバドの表情は希望に満ちた笑みとなり、フレミングも本日のコンサートを締めくくる素晴らしい歌を聞かせる。ピアニッシモでフィナーレ−となって、アバドの指揮棒が下がらない間、長い静寂が続き、ようやく現実に気づいて、大喝采となった。ともかく極度に集中した演奏だった。



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