2005/05/06
リッカルド・ムーティ&ウィーンフィル/ムジークフェライン

GESELLSCHAFT DER MUSIKFREUNDE IN WIEN
Grosser Musikvereinssaal
Freitag. 6. Mai 2005, 19.30 Uhr
FRUEHLINGSFESTIVAL

Wiener Philharmoniker
Dirgent Riccardo Muti

Joseph Haydn
Symphonie G-Dur, Hob.I:94 "Mit dem Paukenschlag"
Adagio cantabile-
Vivace assai
Andante
Menuetto. Allegro molto-
Trio
Finale. Allegro di molto

Pause

Alexander Skrjabin
Symphonie Nr.3 c-Moll, op.43 "Le divin poeme"
Lento-luttes. Allegro
Voluptes. Lento
Jeu divin. Allegro

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今日はパリからケルン経由でウィーンへ移動した。ケルンまでのフライト料は何と1ユーロの安さ。ケルンからウィーンも37ユーロとこれも格安だった。フライトも快適で、途中ケルンの街でランチをゆっくりと取って、16時にはウィーンへ到着した。ケルン大聖堂にも立ち寄り、昼間のカペラを素晴らしい残響のもと聞くチャンスも得た。さて夜19時半からはムジークフェラインにてリッカルド・ムーティ&ウィーンフィルによるプログラムを楽しんだ。前半はハイドン交響曲94番、後半はスクリャービン交響曲3番「神聖な詩」と魅力的なプログラミングとなっていた。

楽友協会の会員申し込みで早々とゲットした為か、席はランク1でもパルテレ1列目11番と真正面の席であった。ちなみにサークルが3列ほど前にあるため、ステージからほどよく離れる為、視界も良く、音も頭の上と通過することなく、ホール全体の響きとして捉えることが出来た。そのため、前方のヴァイオリン、ヴィオラの美しい響きに重厚なチェロ、コントラバス、さらには天上から降り注ぐかのような木管の調べ、張りのある金管、これまた奥行きのあるティンパニの連打が、見事なほど立体的に響いてくる。

ハイドンの交響曲では冒頭から気迫に満ちた演奏で、かといって緊張するわけではなく、ウィーンフィルらしい伸び伸びとした大らかさにエキサイティングさが加わった展開となった。今まで聴いたハイドンの演奏ではラトル&エンライトメントが衝撃的であったが、今回のムーティ&ウィーンフィルはまた新たな展開を聞かせるかのようにアグレッシブさと典雅この上ない極上に仕上がっていた。3楽章でのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのソロも美しく、シュルツのフルートなど名手達の技も光る。ちなみにコンサートマスターはホーネックで隣りがシュトイデであった。

後半のスクリャービンはハイドンの躍動感と生命力で代表される「明」に対して、やや渋い「暗」のコントラストを聞かせる。そのロマンチシズム溢れる演奏には情熱に満ちたエネルギーが脈々と流れており、非常に起伏の大きな演奏であった。ムーティがかつて録音したCDと比較しても、これほどダイナミックな展開をライブで聞かされると圧倒させられてしまう。隋所にウィーンフィルらしい音色と妙技が散りばめられており、全体として大河を形作るような音楽の流れにただ身を委ねるばかりであった。それにしても本日の演奏は、ムーティ&ウィーンフィルの今までの演奏と比較しても、怒涛の出来栄えであったと痛感した。これもムジークフェラインの音響との相乗効果が根底にあり、ザルツブルクなど他の劇場では体験できないものであった。なお当日はコンツェルトハウスのラトル&ベルリンフィルともバッティングしており、特に「火の鳥」は怒涛の演奏だったとのこと。何と贅沢なバッティングなのであろうか。今回の日程でベルリンフィルを聞けなかったのは大変残念であった。。



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