2004/10/18
『ナクソス島のアリアドネ』ペリー演出ジョルダン/パリ・バスチーユ

RICHARD STRAUSS
Ariadne auf Naxos
OPERA EN UN ACTE ET UN PROLOGUE
- LIVRET DE HUGO VON HOFMANNSTHAL

DIRECTION MUSICALE, Philippe Jordan*
MISE EN SCENE ET COSTUMES, Laurent Pelly
DECORS, Chantal Thomas
LUMIERES, Joel Adam
DRAMATURGIE ET COLLABORATION A LA MISE EN SCENE, Agathe Melinand

Sine Bundgaard, Echo
Sophie Koch, Der Komponist
Solveig Kringelborn, Primadonna / Ariadne
Svetlana Lifar, Dryade
Lubov Petrova*, Zerbinetta
Ekaterina Siurina*, Najade
Mihajlo Arsenski, Ein Offizier
Olaf Baer*, Ein Musiklehrer
Ales Briscein*, Brighella
Stephane Degout, Harlekin
Yuri Kissin, Ein Lakai
Xavier Mas, Ein Tanzmeister
Daniel Norman, Scaramuccio
Graham F. Valentine, Der Haushofmeister
Jon Villars, Der Tenor / Bacchus
Alexander Vinogradov, Truffaldino
Walter Zeh, Ein Perueckenmacher

ORCHESTRE DE L'OPERA NATIONAL DE PARIS
Debuts a l'Opera National de Paris

OPERA BASTILLE 18 OCTOBRE 2004, 19h30
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今日はバスチーユにて「ナクソス島のアリアドネ」を見る。演出は先日のジェロルシュタイン大公夫人と同じローラン・ペリーで昨年の秋に新演出となったもの。指揮はフィリップ・ジョルダンで女性陣は若手のキャストを中心に、男性陣はオラフ・ベア−、ジョン・ヴィラーズなどのベテランを揃えていた。ちなみに当初ツェルビネッタはナタリー・デセイであったが、ルボフ・ペトローヴァに変更されていた。

プロローグでは屋外との境界に高い柱を組み立てたセットとして、右側に螺旋階段を設けて立体的なステージ作り。柱の外は雪が降る冬の設定で、車が移動してきてキャスト達が降りる場面から始まる。第1幕も屋内に立体的な部屋を作ったシンプルなもの。奇抜な読み替えが無い為、後はドラマと音楽のみに専念して楽しめた。

女声キャストではマルセイユで素晴らしいツェルビネッタを歌ったブントガートがエコー役を歌っていた。さてそのツェルビネッタは若手のペトローヴァで巧みな歌を楽しむことが出来た。デセイとは比べるまでも無いが、セクシーなビキニ姿が一際目立っていた。なおツェルビネッタの場面ではアリアドネはステージから隠れてしまう演出となっているので、2人が互いを見つめあいながらではなく、ツェルビネッタが一人で歌う。そのため彼女のアリアドネへの思いが出てこないのが残念と感じた。この点、ザルツブルクでのヴィーラー&モラビト演出は対照的で心理描写は巧みであった。

アリアドネ役はクリンゲルボルンでとてもリリカルであった。この役はポラスキなどドラマチック系で聴くことが多いためか、とてもフレッシュ溢れる感じがした。ヴィラーズはさすがに声量もひときわ冴え渡り、フィナーレではアリアドネと共にクライマックスを聴かせてくれた。総じてキャスト達はピアニッシモの繊細さなどとても陰影に満ちた展開であったが、ジョルダン率いるオーケストラもこれに合わせるかの如く、リリカルな響きでもってR.シュトラウスの素晴らしい音楽を描いていった。起伏の大きさというよりも音楽の美しさに惹かれた。開演は19時半で終演は22時20分。アッシジ、ポッペアのボリュームに慣れてしまったせいか、アリアドネがとても短くて何か物足りない感じがした。



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