2004/08/05
『イェーダーマン』/ザルツブルク音楽祭

SALZBURGER FESTSPIELE 2004
JEDERMANN
Donnerstag, 5. August 2004, 17.30 Uhr
Domplatz

Hugo von Hofmannsthal (1874-1929)
JEDERMANN
Das Spiel von Sterben des reichen Mannes

Wiederaufnahme

Regie, Christian Stueckl
Buehne und Kostueme, Marlene Poley
Musik, Markus Zwink

Gott der Herr, Rudolf Wessely
Tod, Jens Harzer
Heufel, Tobias Moretti
Jedermann, Peter Simonischek
Jedermann Mutter, Jennifer Minetti
Jedermanns guter Gesell, Tobias Moretti
Ein armer Nachabar, Rudolf Wessely
Ein Schuldknecht, Anton Burkhart
Das Schuldnechts Wieb, Susanne Schaefer
Bulhschaft, Veronika Ferres
Der Aausvogt, Johann Christof Wehrs
Ker Koch, Maximilian Simonischek
Dicker Vetter, Oswald Fuchs
Duenner Vetter, Achim Buch
Mammon, Maximilian Brueckner
Gute Werke, Elisabeth Rath
Glaube, Elisabeth Schwarz
Knecht, Gerald Koblinger

Dise Speielsanger, Riedringer Kinder

Ars Antiqua Austria
Violine, Gunar Letzbor, Ilia Korol
Viola, Markus Miesenberger
Violoncello, Thomas Wall
Violone, Jan Krigovsky
Theorbe, Hubert Hoffmann, Jurai Struharik
Oboe, Marcel Plavec, Ales Rypan
Schlagzeug, Jakob Kovacic
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8月5日はムーティ&ウィーンフィルを朝のプローベと夜の演奏を楽しんだ。その間、17時30分からはドーム前広場にて「イェーダーマン」を見た。プロダクションはクリスティアン・シュトゥックル演出のもの。2002年の新演出時はあいにくの豪雨で、祝祭大劇場の公演となったのが惜しかった。今回は見事に晴れたので無事に見ることができる。それにしても日差しは強くて暑い。ガス入りの水を足元に置いての観劇となった。席はステージ全体を見渡せて快適。背中をじりじりと照りつける太陽で汗が滲みでる。とはいえ、大掛かりなセットが次々に登場して、スムーズで動きのある演出に暑さも忘れてしまう。時折吹き込む風がなんとも爽やか。

さてステージは大劇場で見たときよりも圧倒的に迫力のある展開で、シモシュキ演じるイエーダーマン、イエン・ヘルツァー演じる死など主役キャスト達の真に迫るドラマが広いステージを集中させてしまう。登場した馬車の荷物が破裂してヴェロニカ・フェレスが登場する場面は実に鮮やか。なおこの時に演じられる古楽はアルス・アンティカ・オーストリアなるグループ。ヴァイオリンにテオルボなどルネサンス期を彷彿とする響きが実に魅力的であった。ドラマに上手く合わせて鳴る大聖堂の鐘も効果的で、やはりドーム前広場で見ることの素晴らしさを実感。18時過ぎには太陽も傾いて、客席は日陰の涼しさ。残照を浴びたステージも視覚的にも効果的で、休憩なしの2時間は実に楽しいものであった。

ちなみにザルツァッハ沿い近くにあるカロリーノ・アウグステウム博物館ではイェーダーマンの展示が開催されており、モイジーからシモシュキまで歴代役者達によるプロダクションの様子を写真や実物の衣裳などで紹介されている。冒頭の展示では、ホルマンスタールがイエーダーマンを作る契機として、ハンス・ザックスによる「ヘカストゥス」を翻訳したイギリス版に啓発されたことなどが紹介されている。時代を追って、イエーダーマンを記事にした雑誌、中には1921年公演の公演チケットも展示されていて面白い。またORF製作のビデオでは、現在のプロダクションを演出家やキャストのインタビューでドキュメントしており、演出家ラインハルトやザルツブルク・フェスティバル発足時、ナチス時代など貴重な映像も紹介されている。入場料3.5ユーロと安く、会場には殆ど人が居ないので、ゆっくりとできる。10月26日まで開催。



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