2004/06/05
『ワルキューレ』第1幕/イングリッシュ・ナショナル・オペラ

The Valkyrie
First day of The Rign of the Nibelung
Music and text by Richard Wagner
English translation by Jeremy Sams

English National Opera
5 June 2004, 4:00 PM

Sigmund, Paer Lindskog
Sieglinde, Orla Boylan
Hunding, Clive Bayley
Wotan, Robert Hayward
Fricka, Susan Parry
Bruennhilde, Kathleen Broderick
Gerhilde, Giselle Allen
Ortlinde, Claire Weston
Waltraute Emma Selway
Schwertleite, Ethana Robinson
Helmwige, Julia Melinek
Siegrune, Rebecca de Pont Davies
Grimgerde, Valerie Reid
Rossweisse, Leah-Marian Jones

Conductor, Paul Daniel
Director, Phyllida Lloyd
Designer, Richard Hudson
Movement director, Andrew George
Lighting designer, Mark Hendesrson
Sound deesigner, Andrew Bruce

-------------------------------------

今日はベルリンからICEでハノーファー空港に移動し、bmiにてヒースローへ飛びました。フライトはマシントラブルにより1時間遅れたものの、午前中の到着しました。今日はロイヤルオペラでアラベラを見ますが、それまでに3つほど見たい公演が並び迷いました。まずバービカンにてロバート・ウィルソン演出&トム・ウェイツ音楽のブラック・ライダーが昼の2時半から。同じくバービカンではウィルソン演出の映画も同時上演されています。二つ目はサヴォイ・オペラにて「セビリャの理髪師」が。以上の演目はアラベラとはバッティングせずに見られますが、イングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)もワルキューレがあり、そちらに惹かれてしまいました。開演は16時ですが、1回目の休憩が40分となっているため、2幕の途中でアラベラとバッティングします。会場のコロセウムからコヴェント・ガーデンへは歩いても目と鼻の先ほどの近さなので、当日券にて1幕のみ見てきました。

さすがにケルンのワルキューレが素晴らしすぎた為か、ENOの公演は音楽的に聴き劣りするのは止むを得ないところ。オーケストラも歌手も実に丁寧に仕上げているのに、音量感が不足するのは惜しいところです。特に歌手達はセーブ気味の歌い方であったのがやや残念です。しかし演出的には面白そうで、第1幕はステージを横一杯に広げたパノラマとして、左手がフンディングの居間で、壁を隔てて右側がベッドルーム。冒頭の幕開けとともにスピーカーにてジークリンデ?の叫び声が流され、幕が開いた嵐の場面では、槍を持ったヴォータンが居間に居るジークリンデを睨みつける設定。怯えたジークリンデがベッドに隠れ、その後、ブリュンヒルデも登場し、前奏の終わりとともに2人が消えていく展開。四角い居間には木のテーブルが置かれているだけのシンプルなステージですが、照明効果を巧みに用いて、特に登場人物たちに照明を当てて出切るシルエットを象徴的に用いていました。淡々とドラマが進み、聴かせどころは十分に楽しむことが出来ました。特に月の光が差し込む場面では、背景の横長の壁が上部に上がっていき、ステージ全体に差し込むグリーンの光が鮮やかでした。オーケストラ・ピットもかなり広めでしたが、左右のバルコニー席にハープ4台、ティンパニ5台を配置していたためか、響きがパノラマ的でした。1幕だけで会場を出るのは偲び難いですが、機会があればシリーズでも見てみたいものです。



[HOME]