La Monnaie / Du Munt
6 februari 2004, 20:00

Claudio Monteverdi
IL RITORNO D'ULISSE
Dramma per musica
Libretto di Giacomo Badoaro

Direction musicale: Philoppe Pierlot
Mise en scene et animation: William Kentridge
Decors: Adrian Kohler/ William Kentridge
Costumes et marionnettes: Adrian Kohler
E'clairages: Aj Weissbard
Conception originale des e'clairages: Wesley France

Ulisse / L'Humana Fragilita: Furio Zanasi
Penelope: Kristina Hammarstoroem
Telemaco / Pisandro: Jan Kobow
Nettuno / Antinoo / Tempo: Marek Rzepka
Melanto / Anfinomo / Fortuna: Atala Schoeck
Eumete / Eurimaco / Giove: Mark Adler
Amore / Minerva: Elise Gaebele

Handspring Puppet Company
Marionnettistes: Poppenspelers

Ricercar Consort
Giovanna Pessi, harpe
Kaori Uemura, violes de gambe
Philippe Pierlot, vioes de gambe et lirone
Emmanuel Balssa, violes de gambe
Rainer Zipperling, violes de gambe
Edouardo Egueez, theorbe et guitare
Wim Maeseele, theorbe et guitare

Production
La Monnaie / De Munt, Handspring Puppet Company, Wiener Festwochen,
Kunstern Festival des Arts, Lincoln Center for Performing Arts,
Le Grand Theatre de la Ville de Luxembourg, Le Theatre de Caen
Premiere: 31 janvier 2004

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２月６日はティーレマン＆ＤＯＢの「死の都」があるもののモネ劇場のモンテヴェルディ「ウリッセの帰郷」は見逃せないプロダクション。ウリッセはオルフェオと並ぶ不朽の大作であるにも関わらず、上演される機会が少ないのは不本意と言わざるを得ないでしょう。このオペラにはワーグナーに匹敵する壮大なドラマが凝縮されており、時間を超越して没頭することのできる素晴らしさはモンテヴェルディの偉大さに思い知らされるばかり。かくしてウリッセを必見すべくアントワープからブリュッセルへ。列車でわずか４０分の近さの為、迷路のような街もゆっくりと楽しめました。

さてウリッセは休憩を入れると４時間を優に越えるため、開演２０時では終演は０時を超えるはずでした。しかし全曲版ではなく、全５幕を３幕に圧縮した変則バージョンで２１時４５分に終了してしまいました。登場人物もエリクレア、イーロ、ジュノーらが登場せず、物語もあちらこちらが削り取られていたのが残念至極。ステージはアーチ状に組まれた古楽アンサンブルの中央にアニメーションのスクリーンが置かれ、ステージ前面においてマリオネット劇とともに上演されるという奇抜さでした。シンフォニアに続くプロローグでは「人間のもろさ」を病でベットに横たわるマリオネットに仕立てていたのがユニークでした。マリオネットはウリッセを始めペネローペ、３人の求婚者など主要な人物ごとに作られており、それぞれ操り師に歌手の２人ずつが操作していました。一つの役柄に人形を含めて３人が見えてしまうため、視覚的には煩雑な印象でした。一方、スクリーンの映像は人間のもろさ人形の体を映し出すかのように、内臓が動く様子、脳の中など、意味不明の映像が同時並行するといった展開。時折、高速道路を走る車からの映像であったり、トロイ戦争などホメロス叙事詩の下りを思わせるなどなど。演出はともかく、やはり短縮版においてもモンテヴェルディが目指したモノディの劇性に没頭させられました。フィリップ・パロット率いるリチェルカーレ・コンソートの奏でる至福の音楽に一流の古楽歌手達によるドラマは極上もの。幾らでも聞いていたいモンテヴェルディに感動の連続でした。